相続トラブルを防ぐために生前中に知っておくべきこと

相続・事業承継

知らないと人生を10倍損する金のしくみ」Vol.8

 

相続トラブルを防ぐために生前中に知っておくべきこと

「えっ、何!!」と思われる方が多いかもしれませんが、大事なお話をさせて頂きます。

 


銀行対策

預金凍結の実態

まず、元銀行員という事で、よく質問受けます。

亡くなったら、預金引き出しできないんでしょ

以外と勘違いされているのがあります。

亡くなったら、銀行に連絡しないといけないんでしょ

 

はい、そこで、銀行実務をお話しさせて頂きます。

 

まず、銀行が預金者の死亡を知る手段の95%は「新聞のお悔やみ欄」です。

残りの5%は「たまたま営業途中で知り得た」程度で。

 

 

私の10年間の銀行員生活で、預金者から、丁寧に「死亡連絡」を頂いた記憶はありません。

 

銀行員時代の朝の仕事は、新聞のお悔やみ欄を見る事から始まりました。

 

そして、死亡者の中に自分の支店の預金者がいないか、確認をする事でした。

 

該当者がいれば、即「支払停止登録=銀行用語で預金にロックを掛ける事です

 

おそらく、残されたご家族、ご遺族の方からすれば、葬儀でお金がかかる、これからの生活費でもお金が必要なのに「何を勝手な事をするんだ!」と激怒される方もおります。

 

しかし、銀行員は実務規定上、「支払停止登録」は必ずやらなければならないのです。

 

なぜか??

 

トラブルに巻き込まれたくない」のが本音ではあるのですが、正当な預金者が亡くなったので、正式な相続人を確認しないと、『ロック』は解除できないのです。

 

預金凍結を解除する方法は

では、『ロック』を解除するには、どうしたらいいのか??

●亡くなられた預金者(被相続人)の戸籍謄本(しかも出生以降全ての謄本)

●相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議書

 

以上の3点が必要になります。

 

書類不備が多い凍結の解除

これも、私の経験談ではありますが、相続人の方が銀行に来られ、「ロック」解除のために書類一式を提出されます。

 

が・・・・・約50%の方は「書類不備」でお帰り頂いてました。

 

一番多かったのが『戸籍謄本』・・・出生以降、と事前にご説明しても、直近の謄本しか準備していない。

そして、たまにあるのが「相続人全員の印鑑証明書」が揃わないのです。

 

なぜか??

 

戸籍謄本を取り寄せて、初めて分かる「お父さんの過去」・・・笑えない話です。

 

「前妻がいた!聞いてない!!」

「しかも隠し子もいた!!」

こんな事があれば、会った事もない親族(しかも正式な相続人)に印鑑証明書を取って頂くなど、かなり厳しいのです。

 

で、どうするか?

 

まずは事情をよく説明する事です。

 

銀行員も人間です。

 

書類が揃わない事に真に止むを得ない状況で、且つ、銀行が今後トラブルに巻き込まれない事が確実であれば、「一筆」書いて、特例で「ロック」を解除できる場合もあります。

 

しかし、銀行員には、本当に頭の固い人間(融通が利かない方)が多いのも現実です。

 

運もありますが、誠実に真摯にお話をすれば、対応はして頂けます。

それと、余談ではありますが、預金者が亡くなった事が分かっても「目をつぶる」事も現実ありました。

 

ほとんど、残高も取引もない方です。(要は面倒臭いのですよ・・・

 

では、亡くなる前に何をすべきか??

まずは、隠し子は作らない(笑)

作ってしまった方はどうしようもありませんが、事実関係を生前中にご家族にお話をしておいて下さい。

 

最低限の生活費(6カ月程度)は奥様の口座にも移しておいて下さい

但し、大きな金額を移すと、夫婦といえども「贈与税」という大きな税金がかかる可能性もありますので、ご注意を。

 

遺言書の作成

厳しければ「エンデイングノート」の作成を推奨します。

本格的に取組されたい方には、専門の先生もご紹介させて頂きます。

 

資産家の方は家族信託の活用も検討

もし、「アパート経営をされている方」、事業をされて「自社株」を所有されている方については「家族信託」での対策も推奨します。

 

興味ある方は「お問い合わせ」で。

 

相続についての最低限の知識は勉強しておいて下さい

日本人の中で、「我が家に、相続は無関係」と思っている方、「我が家には相続税がかからないから、相続の心配はない」と言い切る方が多いです。

 

特に北海道の方!!誤解されてる方多いですよ!!

 

相続とは税金を払う事、分割問題が全てではありません

 

相続により引き起こされる家族間の気持ちの問題なのです

 

そして、仲の良かった家族、兄弟が「争族」に巻き込まれるケースが増えてます。

 

この件も含めて、次回のブログでは、実際に『相続』が発生した場合にやらなければならない事を解説させて頂きます。

 

本日も、最後まで読んで頂きまして、誠にありがとうございました。

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