「知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」Vol.107
老後にかかるお金のすべてー100年人生を生きぬくために
老後にいくらかかるのか?
「マネーセミナー」でも毎回、参加者にお聞きしてます。
しかし、自信を持って答えて頂ける方はほとんどいません。
おそらく、具体的にイメージをされた事がないのが現実ではないでしょうか。
本日は、ズバリ、具体的に書かせて頂きます。
老後に必要なお金①生活費
統計局の家計調査報告(家計収支編)2017年の調査結果によると高齢夫婦無職世帯の家計収支は、こんな感じです。
住居費
持家なのか、賃貸なのかにより変わります。
更に賃貸でも公営住宅なのか、民間アパートなのかにより変わります。
平均の住居費は13,656円
水道・光熱費:電気、ガス、水道代
この費用も生活には欠かせませんね。
平均の費用は19,267円
食費
平均費用は64,444円
交通・通信費
最近は、高齢者でもスマホを持つ方が増えてきましたが、
平均では27,576円
被服費
洋服に関しては、必ずしも毎月発生するものではありませんが、
平均の費用は6,497円
生活日用品
これも、必ずしも毎月発生するものではありませんが、
平均の費用は9,405円
教養娯楽費
旅行や、趣味、習い事ですが、25,077円
交際費
冠婚葬祭や、近所とのお付き合い等、予定外の出費があります。
平均は27,388円
保険・医療費
15,512円
非消費支出
税金、社会保険料等で28,240円
その他
ペット、保険料、諸雑費等で26,655円
支出合計
263,717円
老後に必要なお金②医療費
厚生労働省の国民医療費のデータによる、平成27年度の人口1人あたりの国民医療費です。
■65歳未満で184,900円
■65歳以上で741,900円
更に
■70歳で849千円
■75歳以上で929千円
しかし、この金額は、医療機関が行った医療行為にかかる費用です。
医療費の自己負担割合
実際に負担する金額は、上記の医療費に下の自己負担割合を乗じた金額になります。
一般・低所得者 | 現役並み所得者 | |
75歳以上 | 1割負担 | 3割負担 |
70歳以上 | 2割負担 | |
6歳以上 | 3割負担 | |
6歳未満 | 2割負担 |
つまり、1年間の自己負担の金額で計算を
すると
■65歳以上で222,570円(18,548円)
■70歳以上で169,800円(14,150円)
■75歳以上で 92,900円(7,741円)
*( )の数字は1カ月の平均自己負担金額です。
高額療養費
高額療養費とは、医療費の自己負担が重くならないように、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度です。
■70歳未満
●健保は「世帯主の月収」が基準です。
●国保は「世帯の年収」が基準です。
以下、70歳以上も共通です。
収入基準 |
月単位の上限額(円) |
年収約1,160万円~
健保:標準報酬83万円以上 国保:所得901万円超 |
252,600+ (医療費ー842,000)×1% <多数回該当:140,100> |
年収約770~約1,160万円
健保:標準報酬53万~79万円 国保:所得600万~901万円 |
167,400+ (医療費-558,000)×1% <多数回該当:93,000> |
年収約370~約770万円
健保:標準報酬28万~50万円 国保:所得210万~600万円 |
80,100+ (医療費ー267,000)×1% <多数回該当:44,400> |
~年収約370万円
健保:標準報酬26万円以下 国保:所得210万円以下 |
57,600 <多数回該当:44,400> |
住民税非課税 |
35,400 <多数回該当:24,600> |
■70~74歳
現役並み所得者
(年収約370万円~) 健保:標準報酬28万円以上 国保:所得145万円以上 |
80,100+ (総医療費ー267,000)×1% <多数回:44,400> |
一般(~年収約370万円)
健保:標準報酬26万円以下 国保:所得145万円未満 |
44,400 |
住民税非課税 | 24,600 |
住民税非課税(所得が一定以下) | 15,000 |
■75歳以上
現役並み所得者
(年収約370万円~) |
80,100+ (総医療費ー267,000)×1% <多数回:44,400> |
一般(~年収約370万円) | 44,400 |
住民税非課税 | 24,600 |
住民税非課税(所得があ一定以下) | 15,000 |
はい、ここまでご紹介すると、高齢者の医療費はかかるけど、多くは公的保険によってまかなわれるので、実際に窓口で支払うお金は一定金額まで、という事がご理解できますね。
ところが、これが全てではありません。
最近のがん治療は進化してきました。
従来は、手術、放射線治療、抗がん剤治療が3大治療でした。
数年前からは、第4の治療法として、免疫療法や遺伝子治療(プレシジョン・メディシン)が注目をされてきました。
特に従来の治療法では効かない「末期がん患者」に有効な治療法として認知されつつあります。
しかし、ここで大きな問題があります。
これらの治療は自由診療になりますので、治療費は全額自己負担になります。
ですので、1回の治療費が数十万から、数百万円。
ですにで、完治するまで、多額の費用が必要になります。
これに対応できる「がん保険」もあります。
が、日本国内で現在2社しか取扱がされてなく、周知されていないので現実です。
興味ある方は、以前、このブログでも紹介をさせて頂きましたのでご参照下さい。
『昔のがん保険使えませんよ!』
65歳以降の生涯医療費はこんなにお金がかかる!
では、老後の医療費はいくらかかるのか?
さすがに個人差もあり正確な金額を算出する事は困難ですが、参考になるデータはあります。
医療費
厚生労働省が公表しました「生涯医療費平成27年」によりますと65歳以降の医療費自己負担額が男性で約220万円、女性で約238万円です。
介護費用
更に、介護費用については、公益財団法人生命保険文化センターが2015年に行った調査で、1人当たりの介護費用は約550万円となっています。
がんの治療費
更に、更に先程ご紹介をさせて頂きました「がんの遺伝子治療」をされた場合の治療費です。
個人差はありますが、300万円~500万円は準備しておきたいところです。
(治療実費対応のがん保険に加入されている方は自己負担はほとんどかかりません)
(1)~(3)を合計すると1,000万~1,300万円位です。
当然、全ての方が介護状態になったり、がん治療で「遺伝子治療」をされるわけではありません。
中には、病気も介護も無縁の方もいるかもしれません。
しかし、自分の未来は誰にも分からないです。
ですので、最悪の事態を想定しての準備も必要になります。
準備しておかないと老後破産の可能性も・・・
「老後破産」になった方のほとんどが、現役時代に「収入の少なかった方」ではありません。
むしろ、現役時代に収入の高かった方が、退職後に予期せぬ病になったり、介護状態になったりして、老後生活が困窮しまうケースが多いようです。
ですので、自分には関係ない、今は収入が高いので心配ない、と油断するのは禁物です。
誰しもが「老後破産」になる可能性はあるのです。
そうならない為に、今自分にできる事を確実にやる事です。
その具体的な事項が
①老後の生活費の準備
②がん、介護等、保険で準備できる事は準備する。
③日常の健康管理
以上の3点です。
もし、①、②について、具体的な手段が分からない方は『個別相談』をご活用下さい。
メールによる、1年間、相談回数無制限の「年間FPサポート」が好評です。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
コメント
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