投資信託の信託報酬の仕組みをわかりやすく解説します

お金の勉強・基本

知らないと人生を10倍損するお金のしくみ

<誰でも分かる金融用語・金融商品辞典>Vol.22

 

投資信託の信託報酬の仕組みをわかりやすく解説します

 


信託報酬とは

信託報酬」は投資信託の運用・管理に必要な費用で、運用実績に関係なく、信託財産から日々自動的に差し引かれます。

 

 

信託報酬のしくみ

先日、ある独身女性から個別相談を受けました。

今、ご加入の変額個人年金保険の内容がよく分からないとの事で保険証券を見せて頂きました。

ポイントは2つでした。

 

1.今の運用実績はマイナスである事。

更に資産構成割合に疑念がある事(詳細はこのブログでは書けません・・・)

 

2.信託報酬は3.5%

つまり、今の運用成績はマイナスの状態である事に加え、追い討ちをかけるように、信託報酬という名目の手数料が毎日引かれ続けております。

 

更に、私がつみたてNISAで運用しているファンドの信託報酬が0.12%の旨を伝えたところ、びっくりされてました。

 

「なんで、そんなに違うのでしょうか?」

 

そもそも、「信託報酬の説明も受けてません」との事。

 

「銀行なので、信用していたのですが・・・」

 

信託報酬の内訳

そもそも、信託報酬は、3者による役割分担があり、その3者に対し支払われるのが信託報酬です。

 

販売会社(銀行、証券会社等)に対する報酬

購入者が直接購入する際の窓口であり、多くは銀行や証券会社です。

収益分配金及び償還金の支払事務や運用報告書の発送費用などが含まれます。

 

 

委託者(運用会社)に対する報酬

投資信託を設定し、投資家から預かった資産を運用します。

いわゆる「ファンド」です。

ここでは運用のための費用や報酬、目録見書や運用報告書など開示資料の作成などにかかる費用です。

 

目録見書とは、信託報酬や資産構成割合、過去の実績などの詳細が記載されている投資信託の説明書です。

 

受託者(信託銀行)に対する報酬

投資家から預かった資産を大切に保管・管理する役割です。

ここでは、資産の保管・管理費用のための費用です。

 

信託報酬の差は大きい(実額計算)

実は、信託報酬の差は非常に大きいのです

今回は以下の条件で試算してみました。

 

尚、本来は日々の信託財産の残高で計算されますが、手計算の手間上、1年間の残高に対しての年率計算をさせて頂きました事をご了承下さい。

■毎月の投資金額を3万円

■運用利率を2%

*運用実績から信託報酬を差し引いた金額です。

 

10年間で検証

10年後の払込総額は360万円

・運用実績は398万円

信託報酬が1%だと377万円

信託報酬が3%だと334万円元本割れ

 

つまり、2%の違いで差額が43万円。

 

20年間で検証

では20年ではどうか

20年後の払込総額は720万円

 

・運用実績は884万円

信託報酬が1%だと797万円

信託報酬が3%だと623万円元本割れ

 

つまり、2%の違いで差額が174円!!

 

期間が長ければ長い程複利効果もあり、差額は広がります。

 

このように、信託報酬は運用実績以上に影響が大きいのです。

運用成績が悪くても自動的に引かれますので、購入時の大事な確認事項になります。

 

信託報酬はファンド毎に異なる

実は、信託報酬は購入するファンドで全て違います。

信託報酬は通常、目録見書に記載されております。

 

ご参考までにR証券のiDeCoの28ファンドの中から、信託報酬の高いファンドと低いファンドを比較してみました。

 

高いファンド

セゾン資産形成の達人ファンド

信託報酬:1.55%

*2020年6月12日現在

 

低いファンド

たわらノーロード国内債券

信託報酬:0.154%

*2020年6月12日現在

 

何が違うのか

 

アクテイブファンドは高い

基本的にアクテイブファンドと呼ばれるファンドが、市場の平均以上の利益を出す事が目的なので、個別企業への分析、調査を入念に行います。

その為に、信託報酬が高くなります

 

 

インデックスファンドは安い

一方で、インデックスファンドと呼ばれるファンドは、市場の平均に連動する事を目的にしますので、基本的には個別企業への調査費用等は発生しません。

ですので、信託報酬は安いのです

 

但し、単純に信託報酬が高い、低いだけでファンドを選ぶ事はお勧めしません。

信託報酬が高くても運用実績が高ければいいのです。

 

併せてファンドの成長性、規模、実績年数、資産割合等を検討材料にし、総合的に判断をする事が大事です。

 

まとめ

本日は、信託報酬について書かせて頂きましたが、同じく大事な確認事項が販売手数料です。

 

これは、販売時にのみに引かれる手数料ではありますが、実は同じファンドでも、金融機関により金額が違う事がありますので、事前確認は必要です。

 

金融商品は複雑であり、我々の知らない間に、勝手に手数料がひかれる場合が多いのが投資信託です。運用実績が良くても、手数料が高めれば元本割れする可能性もあります。

 

私のマネーセミナーに来られる方も、過去に投資に失敗された方、お金を基本から学びたい、との方が増えております。

 

そして、私も最近までは知らなかった、販売手数料も信託報酬も引かれない。

今の時代の有力な商品である米国ゼロクーポン債について、マネーセミナーで詳しくお伝えしております。

 

米国ゼロクーポン債とは

 

個別相談もご活用下さい。

 

個別相談に申込します

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

コメント

  1. […] 信託報酬信託報酬は、投資信託に必要な手数料ですが、日々自動的に運用資産の中から引かれますので、ほとんの方は引かれる実額を知りません。一度計算をすれば、その大きさに愕然 […]

  2. […] 信託報酬信託報酬は、投資信託に必要な手数料ですが、日々自動的に運用資産の中から引かれますので、ほとんの方は引かれる実額を知りません。一度計算をすれば、その大きさに愕然 […]

  3. […] 信託報酬信託報酬は、投資信託に必要な手数料ですが、日々自動的に運用資産の中から引かれますので、ほとんの方は引かれる実額を知りません。一度計算をすれば、その大きさに愕然 […]