「知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」
<誰でも分かる金融用語・金融商品辞典>Vol.29
国民年金で「カラ期間」があれば、年金がもらえるの?
カラ期間とは
「カラ期間」とは老齢基礎年金を受ける為の受給資格期間の中で、実際に保険料は納めていないが、合算対象期間として認められた期間の事です。
期間とは
日本の年金制度の3つの節目
日本の年金制度は、大きく3つの節目(改正)があります。
■昭和36年4月「国民年金誕生」
■昭和61年4月「年金制度の統合」(基礎年金制度の誕生)
■平成9年1月「基礎年金番号制度の誕生」
その中で、特に重要なのが、実は昭和61年改正なのです。
何が変わったのか?
昭和36年4月創設の国民年金は、専業主婦の加入は任意でした。
つまり、多くの専業主婦は国民年金に加入せず、保険料未納状態でした。
第3号被保険者を救済する事が目的
そして、昭和61年4月から基礎年金制度ができ、新たに「第3号被保険者制度」ができました。
夫に扶養されている妻であれば、国民年金に加入。
しかも第3号であれば、保険料を納付しなくても、納付した場合と同じ年金を受取れる、という有難い制度なのです。
ところが、昭和61年4月時点で40歳であったサラリーマンの妻は、60歳まで第3号被保険者になったとしても、第3号被保険者期間は20年です。
つまり、昭和61年3月までに国民年金制度に加入していない方は、受給資格期間の25年(今は10年に変更)の要件を満たす事ができず、結果的に年金を受給する事はできません。
そこで、任意加入だった昭和36年4月から昭和61年3月までの期間に専業主婦だった期間は「カラ期間」(合算対象期間)として、保険料受給資格期間に含める事にしたのです。
受給資格期間とは
年金の加入期間にカウントされる期間は3つあります。
保険料納付済期間
言葉の通り、実際に保険料を納付した期間です。
保険料免除期間
様々な理由で保険料を納付する事が困難な方は、申請により、保険料の払込を免除して頂ける制度があります。
その期間は実際に保険料を納付しなくても、加入期間にはカウントされます。
合算対象期間
今回のテーマである「カラ期間」です。
カラ期間は3つあります。
専業主婦のためのカラ期間
昭和61年3月以前に、国民年金に任意加入できる人が任意加入しなかった期間。
専業主婦です。
学生のためのカラ期間
平成3年3月以前に、学生であるため国民年金に任意加入しなかった期間。
海外に住んでいた方の為のカラ期間
昭和36年4月以降、海外に住んでいた期間。
年金請求の際の注意点とは
年金は自分で請求しないと、受給する事はできません。
受給資格期間は25年から10年に変更
年金を受給する要件の1つが「受給資格期間」です。
かつては、25年だった期間が2015年(平成27年)10月から10年に短縮されました。
ここで、勘違いしやすい事項が2つあります。
1.年金加入期間に「カラ期間」を含めていなく、受給できるのに、できないと諦めている方。
2.「カラ期間」は年金受給資格期間にはカウントされますが、年金額には反映されませんので、「カラ期間」の長い方は、実際の受給できる年金額は少なくなります。
そして、2006年(平成18年)以降に60歳、または65歳以降に達する人で、保険料加入期間が満たされている方には、年金裁定請求書が、誕生日の3ヶ月前に社会保険業務センターから送られてきます。
一方で、受給資格期間が確認できない方には「年金の加入期間の確認の案内」の葉書が、60歳になる3ヶ月前に届く事になっております。
ここで、正しい年金知識がなければ、受給できるはずの年金が受給できない可能性があります。
是非、一度自分の年金記録を確認してみて下さい。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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