「知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」
<誰でも分かる金融用語・金融商品辞典>Vol.35
相続に有効な生命保険の非課税枠を解説
生命保険の非課税枠とは
「生命保険の非課税枠」とは、相続により、生命保険金を受取った場合、通常は相続税の課税対象になりますが、一定金額までは「非課税」になる制度です。
「法定相続人の人数×500万円」=非課税限度額
生命保険の非課税枠が有効な2つの理由
節税対策である事
多くの方が、「自分には相続税は関係」と思っています。
しかし、2015年度の相続税改正により、事態は変わってきました。
2014年では、相続課税財産が1億円以下の方で、相続税の課税対象になった方は、全国で14,846人でした。
それが、制度改正の2015年では、何と一気に60,238人。
つまり、一気に4倍に増えたのです!!
ですので、これからは、節税対策をするかしないかで大きな差が生じます。
その、一番簡単で、国の制度として認定されているのは「生命保険の非課税枠」なのです。
■具体例
4人家族(父、母、長男、長女)
相続財産:預金5000万円(課税)
この場合は、父が亡くなられた場合の相続人が3人ですので、基礎控除は
3000万円+600万円×3人=4800万円
*相続財産は基礎控除を超えていますので、相続税かかります。
この場合、預金5000万円の内、1500万円を生命保険にシフトするのです。
■預 金:3500万円(課税)
■生命保険:1500万円(非課税)
単純に、預金を生命保険に移すだけで、相続税はかからなくなります。
遺産分割対策
もうひとつの大きな問題が、遺産分割です。
例えば、相続財産が自宅や不動産が多ければ、平等な分割ができず、相続人で争う原因にもなります。
生命保険は、受取人を指定できる、相続人の「固有財産」にもなりますので、遺産分割協議をしなくても、確実に受取人(相続人)に渡す事ができます。
生命保険の注意事項
生命保険は終身保険が基本
生命保険は、入ればいい、というものではありません。
人間誰しもが何歳まで生存するのかは分かりません。
ですので80歳満期や90歳満期の定期保険であれば、長生きした場合に保障がストップされます。
ですので、基本は「終身保険」になります。
健康なうちに準備をする
最近、残念ながら、高齢な方、病気の方から「生命保険に入りたい」との相談を頂きます。
しかし、残念ながら、各保険会社とも「引受規定」があり、年齢や健康状態により、生命保険加入できない方も増えております。
ですので、若くて、健康な時に準備をするべきなのです。
保険の契約方式を間違うと意味がない
生命保険には、3つの人物が必要です。
①契約者(保険料を負担する人)
②被保険者(保障の対象になる人)
③保険金受取人
*例えば、父と母と子の3人がいたとします。
■①が父、②も父、③が子⇒相続税
■①が父、②が母、③が父⇒所得税
■①が父、②が母、③が子⇒贈与税
つまり、誰を契約者で誰を被保険者で、誰を受取人にするかで、「相続税の非課税枠」が使えるのか、使えないのかが決まります。
必ずしも1人500万円ではない
相続人が3人いれば、単純に1500万円までは非課税です。
多くの場合は、平等に1人に500万円で契約をされます。
しかし、様々な事情であり、1人に1500万円、残りの2人は0。
こんな契約でも、非課税枠は有効になります。
保険金の受取人は原則、法定相続人のみに限定
私も、長い間生命保険の仕事にも携わってきましたが、「生命保険の受取人」はどの保険会社も厳格です。
よく、愛人や隠し子を「受取人にしたい」との相談も受けますが、原則厳しいです。
一度だけ、某会社の社長に頼まれ、10年以上同居している方を受取人にした契約をさせて頂きましたが、保険会社から細かい調査が入りました。
その方は、実態として夫婦同然の生活を10年以上に亘り過ごされてきましたので、特例処置として保険会社は認めてくれたのです。
通常は、法定相続人、もしくは2親等以内の血族と考えて下さい。
最近増えてきました「争族」
保険会社も、 「巻き込まれたくない!」
これが、本音なのです。
更に詳しくお話しを聞きたい方は、個別相談をご利用下さい。
本日も最後まで、お読み頂き、誠にありがとうございました。
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