老後に払うことになる税金の種類とFPおすすめの税金対策

税金

知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」Vol.117

 

老後に払うことになる税金の種類とFPおすすめの税金対策

 


老後になっても、税金は払うのでしょうか?

年金にも、税金はかかるのでしょうか??

 

さて、その老後生活の中で、以外と知られていないのが、老後にかかる税金や社会保険料です。

 

そもそも、年金生活者に税金はかからない、と思っている方もおります。

 

本日は、現実のデータを基に老後にかかる税金・社会保険料について紹介をさせて頂きます。

老後は1年にどれくらいの税金を払うの?

老後でも税金がかかる

多くの方は、年金には税金がかからない、と思っているのではないでしょうか。

 

確かに、長い間、保険料を払い続けてきたわけですから、ようやく支給される年金に税金がかかるとは思いません。

 

実際、一定の金額までは税金はかかりません。

 

しかし、一定の年金収入を超えると、税金はかかるのです。

 

また、年金でもその種類によってかからない年金もあります。

 

■税金のかからない年金

・障害年金

・遺族年金

■税金のかかる年金

・老齢年金(65歳未満)108万円超の方

・老齢年金(65歳以上)158万円超の方

 

生活費のうち、税金が占める割合

総務省の「家計調査報告(家計収支編)ー2017年平均速報結果の概況を紹介させて頂きます。

■高齢夫婦無職世帯

(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦)

・実収入  209,198円

・支 出  263,717円

月の収支は54,519円の赤字

 

*支出の中で、非消費支出、つまり税金や社会保険料の金額が28,240円です。

 

つまり、支出全体の約11%で、赤字金額の約52%が税金・社会保険料なのです。

 

ちなみに、28,240円の内

・税   金が11,705円

・社会保険料が16,483円

 

あくまで平均ですので、中にはこれ以上の大きな金額をご負担されている方もいれば、様々な事情で自己負担がない方もおります。

 

しかし、年金生活者の生活収支が赤字の中で、その要因の約半分が税金・社会保険料という事実は無視のできない現実です。

 

老後に払う税金の種類

所得税

所得税は、実は複雑なのですが、そのしくみを理解しないと、余計な税金を払う事になります。

特にポイントは年金収入から差し引く各種控除です。

 

■年金の所得税計算式(雑所得になります)

所得税=(年金額ー社会保険料等、各種控除)×5.105%

*5.105%(所得税率5%、復興特別所得税率1.021%)

注:1円未満は切り捨て

 

[各種控除]

公的年金等控除:65歳未満は70、65歳以上は120万円までは所得金額はゼロ。

基礎控除:38万円

配偶者控除:38万円

(配偶者が70歳以上で48万円)

 

 

では、具体的に計算をしてみます。

 

Aさん70歳、老齢年金200万円。

扶養家族は奥様が68歳のみ。

社会保険料20万円。

200万円ー(20万円+120万円+38万円+38万円)×5.105%

 

*このケースですと、控除額が年金収入を超えますので所得税はかかりません。

 

★ここで大事なポイント

奥様の配偶者控除適用に関して、「扶養親族等申告書」の提出が必要です。

提出しない場合は所得税率が5.105%⇒10.21%

と2倍になります。

 

つまり、申請しないと、使える控除が使えずに、余計な税金がかかる場合があります

 

★更に大事なポイント

多くの方は源泉徴収で、税金のかかる方は、自動的に年金額から差し引かれます。

 

ここで、控除できる方については、確定申告をすれば、税金が戻る可能性があります

 

住民税

所得税以上に複雑なのが住民税です。

 

更に所得税は国の税金、住民税は地方の税金になりますので、住まれている地域により、僅かではあるが、金額が変わります。

 

今回は、札幌市のホームページで紹介されているモデルケースをご紹介です。

■65歳以上の公的年金受給者

(夫婦2人、配偶者は70歳未満)で、年金収入が250万円の場合、住民税の年税額は51,500円となります。

 

その他の税金

■固定資産税と都市計画税

■自動車税

更に、税金以上に大きいのが社会保険料です。

特に、負担が大きいのが国民健康保険料です。

 

ちなみに、札幌市で65歳以上の年金生活者の保険料を調べました。

■2人世帯で公的年金以外に所得がない条件です

・収入が160万円⇒ 34,640円

・収入が200万円⇒100,310円

・収入が240万円⇒174,720円

・収入が300万円⇒264,490円

 

尚、他に介護保険料もあります。

同じく札幌市の場合で紹介です。

■前年の所得金額が125万円以上200万円未満で86,594円

 

■前年の所得金額が200万円以上350万円未満で103,913円

 

老後の税金対策におすすめの方法

公的年金が400万円以下、かつ年金以外の所得が20万円以下の場合は、所得税の確定申告は不要」という、公的年金等に係る定申告不要制度が2011年にできました。

 

実は、これが大きな落とし穴なのです。

多くの方は、「面倒な確定申告はしなくていい」と思います。

 

しかし、逆なのです。

 

確定申告はした方が、税金が安くできる可性が高いのです

 

生命保険料控除による節税

年金生活者でも、生命保険にご加入され、保険料をご負担されている方は多いのではないでしょうか。

 

現役時代は、年末調整で勤務先の総務担当の方が計算をされ、自分自身で計算された経験がない方も多いかもしれません。

 

そもそも年金生活者には、年末調整という仕組みがありませんので、控除対象でありながら控除されていない方は、是非確定申告で控除の申告をしてみて下さい。

 

併せて、地震保険料の控除申告漏れの方もいるはず。

 

医療費控除による節税

医療費控除は以外と適用範囲が広いのです。

 

例えば、腰の痛みや膝の痛みが原因で「治療」を目的としたあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の施術を受けた場合や、厚生労働省から認定された「温泉利用型健康増進施設」で温泉療養を行い、かつ一定の要件を満たしている場合には往復の交通費や施設の利用料金も対象になります。

 

個人事業による究極の節税

人生100年時代を考えれば、65歳で会社を退職後に、それまでの経験を生かして、自分で事業を始める選択肢もあります。

 

そうすると、例えば自宅を事務所で使った場合の家賃や、水道光熱費、電話代、新聞代等も場合によっては経費に計上する事は可能です。

 

ポイントは、事業に必要かどうかの判断になります。

 

更に、ガソリン代や交際費等も経費の対象になります。

 

結論として言える事は、まず自分で確定申告をしてみる事です。

そうする事で収支面だけではなく、税金や社会保障の全体像が見えてきます。

住民税を非課税にできないのか

例えば、「住民税を非課税にしたい」と考えた場合に、では要件はどうなっているのか?

 

この場合は、年齢が65歳未満なのか、65歳以上なのか、更に配偶者が70歳なのか否かで変わってきます。

 

以下4つにケースで検証してみました。

 

1.65歳以上の単身世帯⇒年金収入が188万円以下の方

根拠:188万円ー120万円(公的年金等控除)-33万円(基礎控除)=35万円(非課税限度額)

 

2.65歳以上の老夫婦世帯⇒年金収入が277万円以下の方

根拠:277万円ー120万円(公的年金等控除)-33万円(基礎控除)-33万円(配偶者控除)=91万円

(*非課税限度額)

 

*扶養家族がいる場合の非課税限度額

35万円×家族数+21万円

 

*但し、配偶者が70歳以上の場合は282万円以下になります。

 

3.65歳未満の単身世帯⇒年金収入が138万円以下の方

根拠:138万円ー70万円(公的年金等控除)-33万円(基礎控除)=35万円(非課税限度額)

 

4.65歳未満の老夫婦世帯⇒年金収入が227万円以下の方

根拠:227万円ー70万円(公的年金等控除)-33万円(基礎控除)-33万円(配偶者控除)=91万円

(非課税限度額)

 

*但し、配偶者が70歳以上の場合232万円以下になります。

 

★尚、控除については、上記の他に社会保険料控除生命保険料控除も使えます。

ですので、細かく計算をすれば、『住民税非課税』になる方は必ずおります。

 

 

住民税が非課税になれば、他にも恩恵が出てきます。

1.国民健康保険料が減免される。

(自治体により違う)

2.高額療養費が減額される。

 

何度も言いますが、まずは、自分で計算をしてみる事です。

 

そうすれば、年金生活者の赤字の金額も改善をする事は可能になります。

今の年金生活者の収支は54,519円の赤字です。

 

そして、その中の28,240は税金・社会保険料です。

 

充分に改善できます!

 

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本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

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