「知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」
<誰でも分かる金融用語・金融商品辞典>Vol.64
インベスターリターン(IR)とは?わかりやすく解説
「インベスターリターン」とは
「インベスターリターン」とは、投資信託を運用されている方全体の平均損益を示す指標です。
インベスターリターンの果たす役割とは
通常、投資信託の過去の成績を見る指標として利用されるのが「トータルリターン」です。
ところが、「トータルリターン」は、ある期間投資信託を保有した事を前提にした指標なのです。
例えば、トータルリターンの指標が10年で5.0%なら、あくまで10年間保有した事を前提にした指標なのです。
しかし、実際は、10年間の中で、途中で解約をされた方もいれば、継続保有されていた方もおります。
ですので、保有されている方の実際の成績が分からないのです。
そこで、注目されている指標が「インベスターリターン」です。
この指標は、投資信託の基準価格の動きと売買高から、すでに売却した顧客の実現損益を含む投資家全体の平均損益をはじき出すものです。
「トータルリターン」と「インベスターリターン」を比較して分かる事があります。
■トータルリターンの方が、インベスターリターンより数値が高い場合⇒「高値づかみ」
つまり、相場の高い時に買って、相場の低い時に売ってしまう。
■トータルリターンよりも、インベスターリターンの方が数値が高い場合⇒「理想的な運用」
つまり、価格の安い時に買っている。
実際の指標の数値は
投信評価会社のモーニングスターの集計によりますと、本年3月まで10年間の公募株式投信の成績は
*以下、インベスターリターンを「IR」と表示します。
■基準価格 +4.4%
■IR +2.2%
つまり「高値づかみ」なのです。
尚、IRには販売会社に払う手数料は入っておりませんので、IRから手数料を引けば損益がマイナスになる方もいる可能性があります。
賢い投資信託の活用方法
では、どうすればIRを含めて、最大限効率よく成績を出す事ができるのか。
答えは3つです。
①毎月一定額を積立する(ドルコスト平均法)
②税制優遇を最大限活用する(iDeCo、つみたてNISAの活用)
③販売手数料、信託報酬の安いファンドを選択する
そして、一番大きなポイントが『ファンド』の選択です。
今まで、このブログでも投資信託を活用する際の「キーワード」や「ファンド」を選択する際の大事な「指標」はお伝えしてきました。
[キーワード]
長期・積立・分散
[指標]
トータルリターン・シャープレシオ・標準偏差
「シャープレシオ」については、こちらの記事をご参照下さい。
「標準偏差」については、こちらの記事をご参照下さい。
何事も基本が大事。
基本通りに実行すれば、何も問題がないはずなのですが、多くの日本人は残念ながら基本を無視した自分本位の投資をされています。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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