派遣社員の厚生年金加入には2つの条件が必要!

派遣社員・パート

知らないと人生を10倍損するお金のしくみ』Vol.223

 

派遣社員の厚生年金加入には2つの条件が必要!

一般社団法人 日本人材派遣協会の公表によれば、2017年1月~3月平均の派遣社員数は約129万人となり、雇用者全体の割合は2.4%との事です。

 

しかし、一方で、派遣社員の実稼動者総数の報告では、2017年度年間平均で約34万人です。どういう事なのか?

 

派遣社員で登録しても、実際に仕事をされている方は全体の約26%??

 

併せて、パートも含めた非正規社員の賃金水準は、正規社員の約6割にとどまっており、欧州に比べて格差が大きいようです。

 

人生100年時代。

自営業であれ、会社員であれ、多くの方は老後の生活に不安を持っております。

 

特に、自分の年金がいくらもらえるのか、老後資金はどれ位かかるのか、多くの方から相談も頂いております。

 

本日は、その中でも、派遣社員の年金について解説をさせて頂きます。

派遣社員の厚生年金加入の2つの条件

派遣社員でも、厚生年金に加入する事はできますが、2つの条件があります。

まずは、この条件を確認します。

2か月以上の雇用期間

まず派遣社員は、派遣元会社と雇用契約を結びます。

雇用期間は無期(無期限)と有期(期間限定)がありますが、派遣社員の場合はほとんどが有期契約になります。

 

問題は期間です。

 

次の4つに該当する場合は、厚生年金の適用外になります。

①日々雇い入れられる者(1カ月以内

2月以内の期間を定めて使用される者

③季節的業務(4カ月以内)に使用される者

④臨時的事業の事業所(6カ月以内)に使用される者

 

つまり、雇用期間が2カ月以上が1つ目の条件です。

 

勤務日数と勤務時間

上記の雇用期間は、派遣元会社との契約期間なのですが、勤務日数と勤務時間については、実際に派遣されている企業の正社員の4分の3以上1ヶ月の所定労働日数が15日以上、かつ1週間の所定労働時間が30時間以上)です。

 

つまり、派遣元会社と契約をしても、派遣先企業での労働実態がなければ厚生年金には加入できないのです。

 

尚、2016年10月からの法改正により、1週間の労働時間が30時間未満、もしくは1ヶ月の所定労働日数が15日未満であっても、下記の条件をすべて満たしていれば、保険加入が可能です。

①1週間の所定労働時間が20時間以上

②1年以上の雇用が見込まれる

③月額の賃金が88,000円以上

④会社の従業員数が501人以上

*従業員の数が500人以下の会社であっても、労使で合意がなされていれば適用可能です。

 

派遣期間が終わったらどうなるの?

派遣社員は、常に契約期間との絡みがあります。

契約期間が終了した場合、その時点での状況により、年金の手続きも変わります。

 

大きく、下記の3パターンに分かれます。

①間がなく、次の派遣先が決まっている。

②次の派遣先での契約まで1ヶ月以上ある。

③次の仕事が全く決まっていない。

 

 

国民年金手続きが必要な場合

上記の例では②と③。

つまり、次の仕事まで1ヶ月以上空く場合は、国民年金の手続きが必要になります。

 

ですので、退職日(契約終了日)の翌日から14日以内に市役所(区役所)で、加入手続きが必要です。

 

但し、配偶者が企業に勤めていて厚生年金に入っていれば、その扶養に入れば、国民年金への切り替えはしなくても大丈夫です。

 

ですので、場合によっては妻が世帯主。

ご主人がその扶養に入るケースもありなんです。

 

念の為に条件もあります。

■年齢が20歳以上60歳未満

■年収130万円未満で厚生年金加入者の配偶者であり、生計を維持するもの

 

厚生年金継続加入できる場合

一方で、①の方。

 

つまり、次の職場が1ヶ月以内に決まっている方は、引き続き、厚生年金に継続加入する事ができます。

 

但し、条件があります。

 

■待機期間が1ヶ月を超えない。

■次の仕事も同じ派遣会社で、1ヶ月以上働く事が確実に見込まれる。

将来もらえる年金は正社員とは違うの?

正規社員と非正規社員が将来もらえる年金はどう違うのか?

まずは、厚生年金の年金額を計算する基礎数字は2つです。

1.被保険者期間(月数)

2.平均標準報酬月額⇒つまり報酬(給与+賞与)

 

例えば、40年間、双方ともフルに仕事をされた場合でも、平均標準報酬、つまり賃金の違いで年金額に差が出ます。

特に、平均標準報酬には賞与も含まれますので、賞与がない派遣社員は非常に不利になります。

 

では、実際に厚生年金保険をどれ位受給しているのか。

 

厚生労働省年金局が公表してます「平成28年度厚生年金・国民年金事業の概況」によると月額で145,638円です。

 

内、男性で166,863円女性で102,708円です。

 

これだけの数字では、正規社員と非正規社員の比較はできません。

 

では、角度を変えます。

同じく、厚生労働省の平成30年度新規裁定者(67歳以下)の年金額の例によれば、夫が平均的収入(平均標準報酬42.8万円)で40年間就業した場合の厚生年金受給額が156,336です。

 

そして、平成27年度の人事院調査票による賃金統計調査によれば、派遣社員の月収は平均で約27万円です。

 

仮に、40年間、平均約27万円の報酬で仕事をされた場合にもらえる年金額は概算で

月約12万4千円です。

 

しかし、現実40年間継続して派遣社員として働く事も難しい事です。

 

そこで、30年間、20年間で試算してみました。

■30年間⇒月約9万3千円

■20年間⇒月約6万2千円

 

このように、同じ期間同じ仕事をしても、正社員は非正規社員では、月で約3万3千円

年間で約40万円

 

仮に65歳から年金受給、95歳まで生存した場合の差額は、

約1,200万円!

 

更に、賞与だけではなく、退職金も出なければ、それ以上の格差が生じます。

 

併せて、正規社員、非正規社員に関係なく、今の年金生活者の実態は毎月約5万5千円の赤字です。

 

詳しくは、こちらの記事を↓

 

 

そして、この現実から目をそらし、何もしなければどうなるのか?

 

以前『老後破産の現実はこうだった!実例で見る老後破産』の記事を書かせて頂きました。↓

 

 

ですので、将来の老後生活に向けて、早い時期からの準備が必要なのです。

 

以前、『独身派遣社員でも老後資金の準備はできる?』記事を書かせて頂きました。↓

 

 

今がどんな状況であれ、今できる事を確実に実行しないと、将来苦労するのは自分です。

国が全てを支援をしてくれる事はありません。

 

その上で、ポイントは2つ

1.早く始める事

2.長く続ける事

 

そして、具体的な金融商品のポイントは3つ

1.長期

2.積立

3.分散

 

では、その3つに該当する金融商品は何か?

■iDeCo(最長40年間非課税)

*詳しくは、こちらの記事を↓

 

 

■つみたてNISA(最長20年間非課税)

*詳しくは、こちらの記事を↓

 

 

■変額保険(最長80年間長期複利運用)

*詳しくは、こちらの記事を↓

 

 

年金の事、お金の増やし方、分からない事はたくさんあります。

金融実務30年の経験体験を基に、初心者でも分かりやすい『個別相談』を受付しております。

個別相談に申込します

全国対応をさせて頂いておりますので、お気軽に申込ください。

 

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

コメント