『知らないと人生を10倍損するお金のしくみ』Vol.224
米金利11年ぶり長短逆転
2018年12月5日、日本経済新聞の記事より
米国の長期金利と短期金利が11年ぶりに逆転しました。
どういう事か?
長期金利とは、通常は10年物国債利回りで2.97%に低下(12月3日)。
今回、注目された長期金利は5年債の利回りが2.81%。
そして、短期金利である2年債の利回りが2.82%。
通常は2年債よりも、期間が長い5年債の方が利回りは高くなります。
それが、逆転したのが、実に2007年6月以来、11年半ぶりなのです。
ちなみに、10年債と2年債の利回り差も0.15%まで縮小。
では、この長短金利が、どのような影響を与えるのか?
過去2度の長短逆転
実は、米金利の長短逆転は、この20年の中では2度ありました。
ITバルブ時(2000年2月~12月)
この1年後に、ITバブルが崩壊し、景気が後退しました。
住宅バブル時(2005年12月~2007年5月)
その後、住宅バブルが崩壊し、金融危機が発生しました。
*ちなみに2006年頃の米国10年債は一時5%まで上昇しました。
つまり、「長短金利の逆転現象」は景気後退のサインになったのが、過去2度の歴史です。
そもそも金利の決定要因は?
金利決定の最大の要因は景気になります。
景気が良くなり、住宅が売れ、自動車も売れる、個人消費が上昇すると、金利は上昇します。
一方で、個人消費が低迷し、企業の設備投資も減少すれば、金利は下がります。
つまり、将来的に、景気の後退が予想される場合、金利は下がります。
しかし、現実、短期金利と長期金利では、決定要因が変わります。
■短期金利はFRB(米国の中央銀行)の金融政策の姿勢
最近のFRBの姿勢は、利上げ継続→利上げに慎重??
■長期金利は資金需要(長期の運用ニーズ)
米国債は、通常安全資産として、世界中で運用されています。
つまり、投資家がリスクを取れない場合は(例えば新興国が不安定)、安全資産である米国債が買われます。
そして、金利も上昇します。
現実、10年国債の利回りは2018年4月後半から3%台の大台に乗り、10月には3.36%まで上昇しました。
しかし、それが全てではありません。国内の経済状態も影響します。
今、どういう判断をすべきか?
私の結論は一環しています。
分散投資を進めるだけです。
景気も金利も常に変動します。
株価も債券も、常に変動します。
金融商品に完璧な商品などありません。
米金利に逆転現象が起ころうと、やる事は変わりません。
■日本の銀行のみで運用しても、増えません。
■資産は世界に分散する。
■金融商品も複数商品に分散する。
特に、下記に該当する方は、真剣に考える時期です。
■銀行預金が全ての方。
■株式のみの方。
■投資と投機(仮想通貨、FX等)を混同されている方。
個別相談もご活用下さい。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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