『知らないと人生を10倍損するお金のしくみ』Vol.228
つみたてNISA 50代の初心者でもわかる ファンドの選び方
貯蓄から資産形成へ
金融庁の推奨もあり、若い世代から中高齢世代まで、積立投資をスタートしようとする方が増えてきました。
そんな中、せっかく、つみたてNISAを始めようと、口座開設までは進んだものの、そこから先が進めない方が多いのが現実です。
本日は、そんな皆様の背中を押させて頂く、情報提供をさせて頂きます。
まずはつみたてNISAの特徴を理解しよう
何事も、まずは基本が大事です。
まずは、つみたてNISAの大事な基本です。
年間の積立額が40万円です
例えば、こんな感じです。
①毎月約3万3千円を投資する。
②毎月1万円、ボーナスで各14万円を投資する。
ファンドの変更はできません
ここがiDeCoとの大きな違いです。
ですので、1つのファンドに拘らず、複数ファンドを組み合わせる事も選択肢の1つです。
例えば、1万円で3口、5千円で6口。(全て、別ファンド)
いつでも解約できます
ここも、iDeCoとの大きな違いです。
つまり、解約は自由です。
NISAとの併用ができない
ちなみに、NISAは一括運用と考えて下さい。
つまり一時払で年間120万円がNISAです。
つみたてNISAは、コツコツと年間40万円です。
ファンドは厳選されています
実は、ここが大きなポイントなのです。
通常、投資信託を購入する場合は、約6,000本のファンドから選択をしなければなりません。
しかし、このつみたてNISAは、金融庁が厳しいルールを決め、選ばれたファンドの集団なのです。
実は、初心者の方のファンド選択のハードルがかなり緩和されているのです。
一方で、投資経験が豊富で、高いリターンを目指す方であれば、この厳選ファンドはデメリットになる事もあります。
金融庁の厳選ファンドのルールとは
では、金融庁が決めたルールとは?
大きく3つあります。
信託期間が無期限又は20年以上あること
投資信託は信託期間が短いファンドや、途中で消滅するファンドもあります。
それでは、長期積立投資にはならないので、最低20年以上の信託期間のファンド限定です。
分配頻度が毎月でないこと
毎月分配型であれば、複利効果がありません。
つまり、資産が増えないので、分配金は複利で増やせるファンドが限定です。
ヘッジ目的の場合等を除き、デリバテイブ取引による運用を行っていないこと
デリバテイブ取引とは、一般の方には馴染みが薄い通貨先物取引、金利先物取引、スワップ取引、オプション取引等の事で、これらの取引による運用を行っていないファンドに限定です。
この他にも、販売手数料や信託報酬にも上限を設け、手数料の高いファンドが対象外になっております。
証券会社によって、ファンドの見せ方が違います
実は、つみたてNISAを始めようと、多くの方はネット証券のHPを開きます。
今回、私も5社のネット証券のHPを開きました。
「ネット証券」と検索をすると、証券会社満足度ランキング!! が表示されました。
上位5社が下記の会社になります。
1位:楽天証券
2位:SBI証券
3位:松井証券
4位:カブドットコム証券
5位:マネックス証券
では、果たして、初心者が見やすいHPなのか?
ファンド選びが容易なHPなのか?
残念ながら、満足度ランキングの上位である楽天証券、SBI証券のHPは・・・??
具体的には「つみたてNISAの商品」を紹介するページですが、初心者には難しい構成になっておりました。特に
①ページを複数ページ見ないと、全体像が分からない。
②情報が多すぎて、逆にポイントが分からない。
結果的に、ファンドの選択ができずに、止まっている方が多いのではないでしょうか。
一方で、工夫されている会社がマネックス証券です。
「マネックス証券のつみたてNISA取扱ファンド」から「マネックス証券のつみたてNISA対象ファンドを見る(ファンド検索)」をクイックします。
すると、各ファンドの基本情報が即座に見れます。
その中で、確認する指標が3つ。
更に、「パフォーマンス」をクイックしますと「シャープレシオ」が表示されてます。
必ずしも十分な情報開示ではありませんでしたが、ポイントを抑え、初心者が見やすい工夫がされたHPでした。
私が優先する項目は
①シャープレシオ→数字は高い程いいのです。
・期間は10年が理想。
しかし、公開されている期間は3年~5年
・もし、10年の数字を確認したい場合は、「モーニングスター ファンドランキング シャープレシオ」で検索してみて下さい。
但し、上位20位までのファンドしか紹介されてませんので、残念ながらつみたてNISA対象のファンドはありません。(参考程度に)
見て頂きたいのは、数字の感覚です。
どの程度の数字が上位のファンドなのか。
併せて、大事な点は期間です。
1年、3年よりは、5年、10年です。
10年で1%を超えるファンドは優秀なファンドです。
「シャープレシオ」の数字の見方を詳しく知りたい方は、下記の記事を!
シャープレシオの数字の見方は?目安は?初心者でもわかります!
②標準偏差→数字は低い方がいいです。
残念ながら、大事な指標でありながら、どの証券会社も、分かりやすい表示はされておりません。
併せて、ページを複数見ないと見つける事も難しいです。
「標準偏差」について、詳しく知りたい方は、こちらの記事を↓
③トータルリターン→数字は高い方がいいです。
トータルリターンは、過去の運用の成績です。
ですので、将来の成績を約束するものではありません。
併せて大事な事は、なるべく長期の期間(5年、10年)で見る事です。
1年や3年では、参考程度にしかなりません。
以上の3点が、最優先での確認事項ですが、実際に確認できるのは①と③です。
更に、大事な指標は『純資産総額』です。
純資産総額がどの程度成長しているのかも大事な確認事項ですが、そもそも純資産総額が小さいファンドは、将来的に繰上償還される可能性がありますので、要確認です。
では、どこで確認するのか?
①楽天証券のHPの右上の「NISA つみたてNISA]をクイック
②「つみたてNISA」 「取扱商品一覧」をクイック
③ファンド名を選択⇒今回は『野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型』
④純資産額が表示されてます。
80.22億円ですね。

繰上償還とは、純資産総額が一定水準以下になると、償還日前でも半強制的に償還される事です。
目安として、純資産総額が30億円を下回るファンドは要注意です。
はい、実はここで重要なお知らせがあります。
今回、楽天証券の150のファンドを全て見させて頂きました。
純資産総額が30億円を下回るファンドが、何と85!(全体の約57%)
という事は、30億円以上のファンドが65しかなかったのです。
本来は、この純資産総額も、金融庁の選定基準に入れるべきでは・・・・・?
つまり、金融庁の厳選ファンドとはいえども、安心はできなかったのです。
そんな、私の独り言でした・・・。
更に、注目したい指標が『受益権総口数』です。

えっ!何ですかそれは??

簡単に言えば、投資家が保有するファンドの口数の事です。

目安の口数は??

多ければ安心ですが、一方で10億口を下回るファンドは繰上償還になる可能性があります。
はい、では改めて楽天証券の150のファンドを全て見させて頂きました。
その結果、10億口を下回るファンドが、何と55(全体の約37%)
更に未公表、もしくはまだ公表できないのか?そういうファンドが何と23
つまり、10億口をクリアしているファンド数は72(全体の48%)
と、いう事は半分以上のファンドは、いつの日か、繰上償還されて、消えてしまう可能性もあるのか??
正直、びっくりしました・・・・。
尚、この『受益権口数』はどこで確認できるのか?
先程の上の④の画面の少し下に「運用報告書」があります。
クイックして、開いて頂くと、20ページ程度の「交付運用報告書」ですが、そこのP13に記載されています。
54億口ですね。
非常に、重要な指標なのですが、探すのが大変です。
できれば、トップページに分かり易く表示をして頂きたいです。
楽天証券のファンドは大きく3つのグループに分かれる
では、次に楽天証券のHPから、ファンドを選択するポイントです。
ファンド数が何と、150本。
初心者の方は、数だけ見て驚き、何を選んでいいのか分からないのは当然です。
そこで、今回はファンドの名前だけで、大きく3つのグループに分けてみました。
実は、どのファンドも名前に大きな意味が含まれています。
そのキーワードを理解する事が大事です。
インデックス→69本
インデックスとは、決められた「基準・指標」に連動するファンドです。
例えば、分かりやすいファンドが『野村インデックスファンド・日経225』
つまり、名前の通り、日経平均株価225に採用されている銘柄を投資対象とし、日経平均株価と連動する投資成果を目指して運用を行います。
2008年10月27日の日経平均株価は、当時、米リーマン・ブラザーズの破綻の影響で世界的な金融不安となり、7,162円でした。
そして、10年後の2018年10月26日の日経平均株価は21,184円。
つまり、この10年間で2.95倍になりました。
このように、日経平均株価に連動するファンドは、株価が上昇局面で威力を発揮する一方で、下降局面ではリターンが悪化します。
ちなみに、2018年末の日経平均株価は1年間で約12%下落してます。
バランス・分散→52本
言葉の通り、株式と債券を中心にバランス良く分散したファンドです。
例えば『eMAXIS バランス(8資産均等型)』
実に、8つの資産に各12.5%を分散投資されています。
値動きの異なる銘柄を組み入れる事により、いかなる事態が生じても、リスクを最小限に抑えながら確実なリターンを追及します。
10%を超えるような大きなリターンは期待できませんが、リスクが分散され、安定したリターンが確保しやすいファンドです。
ちなみに、このバランスファンドの中から、格付投資情報センターが公表する「R&Iファンド大賞2018」の「NISA」部門で4つのファンドが選ばれております。
⇒最優秀ファンド賞
⇒優秀ファンド賞
⇒優秀ファンド賞
⇒優秀ファンド賞
この受賞ファンドを選ぶ選択肢も、当然有りです。
株式・積極(もしくは、それに準ずる言葉+その他)→29本
株式を中心に運用しますので、高いリターンを追及する一方で、リスクも高くなります。
例えば『フイデリテイ・米国優良株・ファンド』
このファンドは「フイデリテイ・米国優良株・マザーファンド」を通じ、米国の取引所に上場されている株式に投資します。
個別に企業調査も行いますので、積極的な運用を行います。
ですので、米国の経済が成長し、株価も上昇すれば、ファンドも連動して成長が見込まれます。
一方で、「リーマン・ショック」のような事態が生じれば、一気に下降するリスクもあります。
では、この1~3の中で、どの分類のファンドがいいのか?
残念ながら、正解はありません。
どの分類も一長一短があります。
ここ数年は、株式が順調でしたが、2018年は世界全体で相場が下がりました。
勝ち組がなかったのが2018年でした。
ですので、目指すは「分散投資」です。
1つの分類、1つのファンドに集中するのではなく、あくまで分散です。
例えば、各分類から、「シャープレシオ」「トータルリターン」が優れているファンドを選択する。
■インデックス
・シャープレシオが一番高いファンド
『野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型』 :0.6%
・トータルリターンが一番高いファンド
『ニッセイ日経225インデックスファンド』:5.83%
■バランス・分散
・シャープレシオが一番高いファンド
『ダイワ・ライフ・バランス30』:0.51%
『三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)』:0.51%
・トータルリターンが一番高いファンド
『ダイワ・ライフ・バランス70』:4.29
■株式・積極
・シャープレシオが一番高いファンド
『ひふみプラス』:0.62%
『年金積立グロース』:0.44%
・トータルリターンが一番高いファンド
『ひふみプラス』:10.72%
『年金積立グロース』:6.84%
*「ひふみプラス」は相応のリスクもありますので2番目のファンドも紹介させて頂きました。
今回、ご紹介をさせて頂きました手法は、あくまで選択肢の1つです。
実は、各証券会社の情報だけでは限界があります。
併せて、『モーニングスター』が公表しているファンド情報を活用する事が、更に精度の高いファンド選択ができます。
この件は、改めて、発信をさせて頂きます。
今回は楽天証券の150のファンドを見させて頂きましたが、正直、初心者の方には、かなりハードルが高い事が、改めて分かりました。
また、ブログで紹介、説明できるのも限界を感じました。
初心者の方には、理解できない内容になったかもしれません。
改めて、ファンド選択のポイントについては、研究を重ね、多くの皆様に発信をさせて頂く決意です。
そして、ファンドの選択も大事ですが、更に大事な事は、投資の基本です。
投資の成績=量(口数)×価格
この、基本が理解できれば、株価が下降局面、不安定な時期でも、実は、「量」を貯めるチャンスなんだと、納得ができます。
そして、更に大事なポイントがあります。
早く始める事
長く続ける事
ファンドの選択も大事ですが、一番のポイントはこの2つです。
2018年は勝ち組がなし。
2019年も、更に厳しい金融情勢が予想されます。
その中で、いかにリスクを最小限に抑えながら、リターンを増やしていくのか。
そんなお手伝いと情報発信に努めてまいります。
更に、詳しく理解を深め、行動されたい方は、「個別相談」をご活用下さい。
1人で悩んでも、前進しません。
全国対応をさせて頂いております。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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