投資信託営業の問題点、回転売買とは

投資信託

知らないと人生を10倍損するお金のしくみ』Vol.230

 

投資信託営業の問題点、回転売買とは

 

投信で損失 個人の半数

『2018年7月5日付の日経新聞から』

 

金融庁の発表です。

2018年3月時点で、投資信託で運用損失を抱えている顧客は約46%

 

これは、金融庁が都銀や地銀の計29行を対象に集計したもの。

 

2017年まで好調に推移していた株式市場を考えれば、残念な結果と言わざる得ません。

 

では、その大きな原因の1つが、やはりこれです。

回転売買

 

大事なお金を運用しようとしている投資家に対し、日本国内で行われている「回転売買」とは??

 

本日は、この「回転売買」とは何か?問題点は??

投資信託の営業の裏に・・・回転売買って何?

ここ数年間、金融庁が主導し、「貯蓄から資産形成」への動きが国内に広がりつつあります。

そして、その為の大事な基本は

長期・積立・分散

 

ところが、この基本を無視した営業が「回転売買」です。

回転売買とは

回転売買」とは、金融商品を高い頻度で売買する事です。

つまり、投資の基本の1つである「長期」を無視して、短期間で、金融商品を売買する事です。

 

これが、あくまで、顧客の意向で、投機目的でやられているのであれば、自己責任ですので、何も問題はありません。

 

しかし、もし金融機関が手数料獲得を目的とした勧誘であるならば、実は大きな問題になります。

 

では、何故、回転売買が駄目なのか

投資信託の凄みは長期の複利効果です。

定期的に受取る配当金を受取らずに、投資元本に加え、再投資する。

 

これを何年も繰り返す事で、高いリターンを得る事ができます。

 

ところが、回転売買をすると、大きな問題が2つ起こります。

①回転売買の都度手数料が発生する。

②長期複利効果が期待できない。

 

つまり、金融機関は確実に利益を稼げる一方で、投資家は利益確保が難しくなります。

 

投資信託に必要な手数料とは

通常、投資信託を購入した場合、購入時以降3つの手数料が発生します。

販売手数料(購入時手数料)購入時だけにかかります。無料の投資信託もあります。

信託報酬運用中、毎日自動的に引かれます。

信託財産留保額:投資信託の追加購入途中解約する際に発生します。

 

つまり、頻繁に投資信託を買えば買う程、手数料が発生し、金融機関は儲かります。

 

仮に、1~3年目で解約をすれば、手数料だけで2%~4%以上かかるのです。

ですので、それ以下のリターンであれば、元本割れになるのです。

 

一方で、金融機関には、確実な手数料が確保されます。

 

回転売買は罰されないのか

そもそも、証券業務を始める際には、「金融商品取引業の行為規制」があります。

 

つまり、絶対にやってはいけない行動です。

 

その中に「回転売買の禁止」があります。

 

ちなみに、私が試験勉強したテキストには、下記の補足が書かれています。

顧客の意向を考慮しないで回転売買等が行われることになれば、投資者保護にそむくことになる。あらかじめ顧客の注文の内容を確認せず、頻繁に売買等を行うことは禁じられている

 

つまり、一番大事なポイントは顧客の意向です。

 

金融庁の対応

ここ数年間、証券業務、保険業務をされている方は、肌で感じております。

意向把握」の徹底です。

 

つまり、金融商品を新たに契約する際には、必ず顧客の意向を確認する事です。

 

当たり前と言えば当たり前ですが、更に

①書面で契約の経緯、顧客の意向を記録に残す。

②顧客が高齢者の場合は、親族等を同席させる。

 

 

そして、証券業務の場合は投資勧誘に際し基本原則があります。

その中に『顧客の投資経験投資目的資力等を十分に把握し、顧客の意向と実情に適合した投資勧誘を行うよう努めなければならない。』とあります。

 

ですので、今の時代、金融商品の契約締結は容易ではありません。

事前確認、事前準備が大変なのです。

 

では、実際の営業現場はどうか、というと、まだまだ苦情・トラブルが絶えません。

 

そして、金融庁も平成28年9月に金融レポートの中で、下記の指摘をされています。

 

[銀行の投資信託販売について]

『銀行において、投資信託販売額や収益が増加してきた一方、残高や保有顧客数が伸びていない状況を見ると、今なお、いわゆる回転売買が相当行われていることが推測される

 

更に平成29年10月の金融レポートでは

『依然として、回転売買が行われていることが窺われる

と指摘しております。

 

つまり、金融庁も、金融レポートを使い、回転売買は銀行で行われているだろう、との認識で

警告をされております。

 

そして、平成29年には、遂に金融庁が主要な銀行を対象に、立ち入り検査を実施されました。

今後の流れ

平成29年4月7日  金融機関に激震が走りました。

金融庁の森長官が、日本証券アナリスト協会国際セミナーでの講演で、かなり過激な発言をされました。

 

非常に、長い内容ですので、全てはご紹介できません。

が、その中で印象に残った部分だけ抜粋します。

 

顧客本位を口で言うだけ具体的な行動つなげられない金融機関が淘汰されていく市場メカニズムが有効に働くような環境を作っていくことが、我々の責務であり、そのため行政として最大級の努力をいくつもりです』

 

言葉を言い換えれば、回転売買を推進するような金融機関は市場から退場させる!

そう受け止められる貴重な講演でした。

 

2018年10月5日付の日経新聞には、金融庁の要請を受け、各金融機関の「投信の成績表」が公開されました。

 

ここでのポイントは2つです。

1.同じ投資信託でも、購入する場所で、成績は変わる。

2.投資の基本は、長期の積立。⇒積立投資

 

投資信託でしっかり利益を出したい!

2018年10月以降、世界の株式相場が不安定になり、投資信託は控えようか、と悩んでいる方が多いのは現実です。

 

しかし、過去の長い歴史を検証すれば、投資は止めずに、長く続ける事が大事だという事が分かります。

 

金融危機は5年、10年サイクルで起きている現実を知る事

過去、30年を振り返っても、世界経済は何度も危機的状況を迎えながらも、順調に成長しております。

 

1987年:ブラックマンデー⇒史上最大規模の世界的株価の大暴落

 

 

1991年:バブル崩壊

 

 

1997年:アジア通貨危機、日本国内の金融機関の破綻

 

 

2001年:ITバブル崩壊

 

 

2008年:リーマンショック

 

一方で、世界のGDPの推移は。

経済産業省が公表してます「世界の実質GDPの推移」から抜粋

1992年:約24兆ドル

1997年:約30兆ドル

2003年:約37兆ドル

2008年:約61兆ドル

2013年:約76兆ドル

このように、数々の金融危機を経験しながらも、順調に経済成長しております。

 

そして、アメリカの株式市場を代表する株価指数「ダウ平均株価」の推移を見ると

1980年:   963ドル

2018年:23,327ドル

 

つまり、仮に「ダウ平均株価」に連動する投資信託をされていた方は、この38年間で何と

約24倍の成長をした事になります。

 

ポイントは、

①金融危機が発生しても右往左往しない事

途中で止めない事

③長く続ける事

日本でいまだ定着しない長期投資へ

資産形成の最大のポイントは

じっくりと時間をかける事です。

 

では、何年が必要か?

長期複利効果が出始めるのは15年目以降です。

以降、期間は長ければ長い程、複利効果は威力を発揮します。

推奨は30年!

 

ところが、日本の投資信託の平均保有期間は2~3年です。

そして、この短いサイクルで行われている回転売買の現実。

 

この回転売買を無くしていく事が、今の日本の大きな課題です。

 

そして、何事も基本が大事なのです。

 

投資の基本

量(口数)×価格=投資の成績

 

金融危機で相場が下がった時は、量(口数)を増やすチャンスなんです。

 

併せて、今の低金利状況の中での効率高い投資方法は、一括投資ではなく

積立投資です。

 

詳しくは「一括投資よりも積立投資を推奨する3つの理由とは」の記事をご参照下さい。↓

一括投資よりも積立投資を推奨する3つの理由とは
投資には、まとめて一括で運用する方法と、毎月コツコツと積立で運用する方法があります。どちらがいいのか?今の時代は、積立投資をお勧めします。その理由とは。

 

つまり、毎月コツコツと長く、世界中に分散投資する

これが、できるかどうかだけなのです。

 

そして、いざ積立投資を始めようとする方に大きな壁ができます。

 

それが、ファンドの選択です。

誰しもが悩むファンド選択の壁。

悩んだ方は、以下2つの記事をご参照下さい。

①『50代の初心者でも分かる 積立NISA ファンドの選び方』

50代の初心者でも分かる つみたてNISA ファンドの選び方
金融庁も推奨する「積立NISA」。しかし、いざ行動しようと、ネット証券で口座開設までできても、そこから先が進めない方が多いのです。いわゆる「ファンドの選択」です。では、どうやってファンドを選べばいいのかを解説させて頂きます。

 

②『30代のフリーランス必見! iDeCo  ファンドの選び方』

30代のフリーランス必見! iDeCo ファンドの選び方
金融庁の推奨もあり、若い世代を中心に注目されている金融商品の代表が「iDeCo」です。しかし、非常に優れた金融商品ではありますが、多くの方が、口座開設から先に進む事ができません。その壁が「ファンドの選択」です。どういう基準でどのファンドを選べばいいのかが分からないのです。では、そのポイントは何か・・・。

 

尚、個別相談は、全国対応をさせて頂いております。

1人で悩んでも、時間の無駄です。

 

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本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

コメント

  1. […] 投資信託営業の問題点、回転売買とは投資信託の営業現場で行われているのが「回転売買」です。投資の基本の1つである「長期」を無視した手法であり、それが金融機関の主導で行わ […]

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