外貨建て保険に契約する前の確認すべき3つのポイント

生命保険・介護保険

知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」Vol.253

外貨建て保険に契約する前に確認すべき3つのポイント

外貨保険 苦情3割増

生命保険会社が銀行窓口で販売する「外貨建て保険」への苦情が、2018年度は2543件と前年に比べて3割増えたことが分かった。[2019年6月7日付日本経済新聞より]

苦情は60歳以上の高齢者からの比率が高く、特に80歳以上では契約者の家族からの苦情が多いようです。

 

つまり、一言すれば、説明不足です。

 

通常、外貨建て保険を説明する際は、最低でも2~3回の面談が必要です。

特に、60歳以上の高齢者には極力販売しない。

仮に、販売する際は、必ず家族に同席して頂く。

 

外貨建て保険は、リスクも複雑、費用も複雑なのです。

1回の面談だけで、全てを理解できるような商品ではありません。

 

本日は、契約をする際の確認すべき3つのポイントについてです。

 

商品の全体像を理解すること

多くの方は、一時払で保険料を払い、外貨で運用され、払込んだ元本は補償される。

そんなイメージの方が多いようです。

保険会社により、商品の特性は違いますので、1つの商品を検証します。

メットライフ生命の「サニーガーデン」です。

■外貨建ての一時払終身保険。

■通貨はUSドルと豪ドルから選択ができます。

■目的に合わせて3つのコースから選択できます。

(1)1年後から一生涯にわたって、毎年定期支払金を受け取れます。

*死亡保険金は、運用通貨建てで一時払保険料相当額が最低保証。

(2)増えた分の一部を受け取りながら、減らさずに残します。

*円建ての目標額に到達したら、円建て終身保険に移行する。

(3)しっかり増やして残します。

→時間をかけて、より大きな運用成果を目指す。

 

ここでの確認ポイントです。

①目的は増やしたいのか、定期的に使いたいのか。

*生前中に自分が使うのか、自分の子供に渡したいのか。

②死亡保障は必要なのか?必要金額は?

③どのように運用されるのか?

債券だけなのか、株式も入るのか。

 

 

つまり、単純に死亡保障の必要がない方は、無駄な保険になります。

この商品の特性は、死亡保障を確保しながら、リスクを取りながら投資する商品です。

ですので、どのようなリスクがあるのかを知る為には、こんな質問をしてみて下さい。

①債券と株式の割合は?

②債券の内訳(例えば米国債が○○割等)

③株式の内訳(例えば、○○ファンドが主体等)

 

ここでは、商品を購入する目的と、その目的を達成する為の商品構成なのか。

入口の確認です。

 

何が最低保証なのか?何が元本保証なのか?

例えば、メットライフ生命の「サニーガーデン」で最低保証されるのは?

それは、死亡保険金です。

運用通貨建てで一時払保険料相当額が最低保証されます。

 

つまり、ドル建てなのです

必ずしも、最初に払込んだ日本円相当額が保証されるのではないのです。

 

多くの方が誤解されているのが、払込んだ円が「元本保証」される。

実際、金利が5%以上あった時代は、円高で75円程度までなっても、元本割れはほとんど発生しませんでした。

 

しかし、今現在の金利は2%~3%。

円高で100円を切ると、元本割れするリスクは高いのです。

 

ですので、為替変動によるリスクは必ず確認して下さい。

具体的には、払込金額が元本割れをするのは、為替が何円なのか?

理解し、納得した上で、契約をして下さい。

 

分かりづらい費用・手数料

証券会社の商品と比較しても分かりづらいのが外貨建て保険です。

保険会社、商品別に費用は違いますが、大体下記の費用が発生します。

契約時だけにかかる費用

保険期間中に自動的に引かれる費用

解約をした時にかかる費用

 

正直、どの保険会社のパンフレットも非常に分かりづらい。

特にJ生命のパンフレットを見ると、こんな表示です。

■これらの費用については、年齢別の発生率を用いて算出しているため、一律の算出方法を記載することができません。

■解約控除の金額は契約年齢・性別・保険料払込期間・保険料払込方法等により契約ごとに異なるため、その数値や計算方法を記載することができません。

 

つまり、買う側、契約者の立場で言えば、手数料がいくらかかるのか分からないのです。

せめて、具体例示を出せばまだ納得できますが、あまりにも不親切な会社と言わざるを得ません。

 

更に、途中解約の際にかかる費用が2つあります。

解約控除→10年未満で解約及び減額をした場合にかかる費用です。

*例えば、経過年数1年未満の解約で、積立金の10%(サニーガーデンの場合)

 

市場価格調整率→契約時に適用された金利より解約時の金利の方が高い場合、解約返戻金が少なくなる。

*つまり、このしくみは、米国債券等の市場金利が、契約時の金利よりも高い場合は、債券価格の値下がり分を契約者に負担させ、保険会社に損が発生しないように作られたしくみです。

しかも、「サニーガーデン」のパンフレットには、驚くような記載があります。

 

市場価格調整率には上限および下限がありません。

 

えっ!!

 

どういう事か??

 

例えばのお話しです。

運用されている債券が米国債(10年)だとします。

購入時の米国債の金利を2%。

仮に、5年後に解約をした場合の米国債金利が3.5%と仮定。

 

そうなると、元々金利が2%の米国債の債券価格は下がります。

つまり、米国債を満期まで保有すれば100%償還できたのが、90%や95%になる。

 

そうすると、債券価格の値下がり部分(満期償還からの減額金額)を全て、契約者が負担する事になるのです。

 

では、どれ位の負担なのか?

上限がないのです。

 

つまり、契約者はいくらでも損をして下さい。

でも、保険会社は、断固損はしません。

途中解約をするのは、契約者の都合なので、損失は契約者が全て負担して下さい。

 

これが、市場価格調整率のしくみであり、怖さです。

 

問題は、このしくみを保険募集人の方が、説明をされているのか?

そして、契約者は理解をされた上で、契約をされているのかです。

 

国民センターには「認知症を患う90代の姉が2千万円の豪ドル建て保険に加入し、180万円の損失が出た」との声が寄せられています。

 

そもそも、80代、90代の高齢者が理解できるような金融商品ではありません。

リスクの説明を十分にせずに、高齢者に外貨建て保険を販売する営業マンの責任は重大です。

 

一方で、外貨建て保険の商品自体を否定するつもりはありません。

国内の銀行預金だけで、資産を増やす事はできない時代です。

併せて、ドル資産を保有する事も大事です。

 

ですので、最大の問題は売る側の目的が手数料稼ぎになっている傾向が強い事。

併せて、商品のしくみを十分に理解しないで販売をしている方が多い事。

最終的に、契約者に対して、十分な説明ができないまま契約し、苦情が多発している事。

 

非常に残念な事です。

 

そして、同じ米国債で運用するなら、保険で購入した場合と、直接証券会社から米国債を購入した場合で、どちがら有利なのか。

少なくとも、販売する側には、説明責任があります。

 

直接、証券会社から米国債を購入すれば、手数料が発生しません。

一方で、保険で購入すれば、税金面で得をする場合もあります。

■直接米国債を購入:利益に20%課税。

■保険で米国債を購入

①死亡の場合は契約形態により、法定相続人1人につき500万円までは非課税

②本人が生前中に受け取った場合は、契約形態により、一時所得により最大50万円の控除が適用できる。

 

本来は、ここまで理解された上で、自分の目的に合った金融商品の選択をするべきなのです。

そして、その説明責任は売る側なのです。

 

先日も30代の方から相談を頂きました。

『子供が生まれたので、何か始めたいのですが、銀行からは、外貨建ての養老保険を勧められました。やっぱり外貨がいいですかね』

 

そこから、時間の許す限り、お話しをさせて頂きましたが。

感じた事は1つ。

一般の方は、本当に銀行員を信用されているのです。

その事実を銀行員は真摯に受け止めて、お客様の利益を最優先する情報提供をして頂きたいです。

 

なぜ、苦情が多発するのか・・・・。

本気の銀行員が現れる事を信じます・・・・。

 

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

 

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