米国ゼロクーポン債を途中解約する場合の注意点

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知らないと人生を10倍損するお金のしくみ』Vol.254

米国ゼロクーポン債を途中解約する場合の注意点

最近、米国ゼロクーポン債に関する相談が増えてきました。

やはり、『老後2000万円問題』の影響があるのでしょうか。

 

お金の事に興味を示し、勉強をする事は、非常に大切です。

これからも、そんな真剣な皆様の応援をさせて頂きます。

 

本日は、米国ゼロクーポン債を途中解約をした場合の注意点です。

多くの方は、償還期限まで10年~30年の銘柄を購入されます。

償還期限まで保有すれば、限りなくリスクが少ないのがゼロクーポン債の魅力。

 

一方で、人生色々、どうしても、償還を迎える前に解約をするケースもあります。

その時の注意点について解説させて頂きます。

 

そもそも米国ゼロクーポン債のしくみとは

2019年7月12日を購入日として、具体的事例をご紹介です。

■銘柄:20452月15日満期(残存25年6カ月)

■購入単価:54.27(額面金額の約54%で購入できる

■購入為替:109.07円

■購入額面:10,000$

■購入代金:591,923円

■複利利回り:2.404%

 

つまり、日本円で591,923円を払込しました。

2045年2月15日までは、ほったらかしです。

 

 

2045年2月15日の償還時点で。

為替が109.07円なら→1,090,700円最終利回りは3.29%

 

*実際は、税金が20.315%引かれますので989,374円が戻ります。

 

つまり、税引き後で増えた金額は40万円弱。

 

[計算式]

1,090,700円ー591,923円=498,777円(税引前の増えた金額)

498,777円×20.315%(税率)=101,326円(税金)

1,090,700円ー101,326円=989,374円(税引後の受取金額)

 

これより円高になれば受取金額は少なくなります。

逆に円安になれば、受取金額は多くなります。

 

ちなみに、償還時の損益分岐点為替は59.19円

 

仮に、591,923円を銀行定期預金(0.01%)で26年間運用した場合。

26年後→593,500円(税引前)

 

物価上昇率を1%とするなら、26年後の資産価値は大きく減るのが銀行定期預金です。

 

それでも、まだ銀行定期預金をされますか。

 

償還期限まで保有しても生ずる2つのリスクを確認

まずは、償還期限まで保有した場合でも生ずる2つのリスクの確認です。

 

1.米国の国家破綻

米国ゼロクーポン債の発行は『アメリカ合衆国』です。

 

つまり、米国が破綻すれば、流石に債券は紙切れになる可能性もあります。

 

では、確率は?

それは、誰にも分かりませんが、私的には0.1%以下です。

 

敢えて説明をする必要もありませんが、米国は世界経済の中心です。

 

そして、米ドルは、世界の基軸通貨でもあります。

 

今、米中の貿易戦争で敵対しているのが中国。

しかし、米国債を保有している一番多い国が、なんと中国です。

 

しかも、トランプ米政権との間で貿易戦争が続く中でも、中国は米国債の購入を増やしていました。

 

つまり、それだけ、世界で一番信頼されている債券が米国債なのです。

 

2.為替のリスク

そして、もうひとつのリスクが為替です。

これは、償還時点で、円高ドル安になった場合です。

 

通常、米国ゼロクーポン債を購入する際は、証券会社から説明があります。

償還時点での為替の損益分岐点です。

 

例えば、3つの銘柄で紹介をさせて頂きます。

 

2019年7月12日を購入日とした場合の損益分岐点です。

■2045年2月15日満期:59.19円

■2040年5月15日満期:68.44円

■2029年8月15日満期:92.81円

 

ここで、注目ポイントは、期間が長い程、損益分岐点は安心できる相場だという事です。

 

残存期間が約26年と約10年の銘柄で損益分岐点が約33円も違うのです。

 

では、最近の為替相場はどうなのか?

実は、安定しております。

 

平成の始まった頃は、ドル・円の為替変動幅が年間で24円ありました。

 

そして、2011年10月に、一時75円78銭まで上昇しました。

 

実は、それ以降は徐々に変動幅が縮小。

2018年は105円~114円(変動幅9円)

2019年は107円~112円(変動幅5円)

 

つまり、米国ゼロクーポン債の満期償還時点で為替が92円になる可能性はかなり低いです。

 

但し、様々な政治要因や地政学リスク等で将来は約束できませんし、誰も予測はできません。

 

あくまで、自己責任になるのです。

 

途中解約をした場合のリスクとは

途中解約をした場合でも、満期まで保有した場合の2つのリスクは当然あります。

 

つまり、途中解約をした場合は、更にリスクが1つ増えます

 

一言すれば、途中解約をした時点の米国の市場金利上昇時です。

どういう事か?

実は、債券は市場金利が上昇すれば、債券価格が下がるのです

具体的に説明させて頂きます。

 

米国ゼロクーポン債の金利が

・購 入 時(2019年):2.5%(銘柄Aとします)

・途中解約時(2025年):3.0%(市場金利)

 

この場合は2025年時点での金利が、購入時点に比べ上昇してます。

 

そうすると、銘柄Aの債券価格が下がるのです。

 

更に分かりやすく説明すると、債券価格が常時100であれば問題ないのです。

 

この100が98とか97になるのです。(額面割れ)

 

つまり、債券を売却した時に本来受け取れる100を下回るのです。(元本割れ)

 

満期まで保有すれば、確実に100が受け取れた。

しかし、途中解約をした事で、解約時点の市場価格、つまり時価での売却となるのです。

 

ですので、途中解約をする場合でも、事前に市場金利を確認する事が大事です。

 

そして、場合によっては、解約時期を延期する。

 

そもそも、一番いいのは、購入する銘柄を厳選し、満期まで保有する

 

これが、最もリスクの少ない、投資手段になります。

 

 

米国ゼロクーポン債の事で、ご相談をされたい方は、個別相談をご活用下さい。

 

米国ゼロクーポン債 相談します

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

コメント

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