「知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」Vol.257
米国ゼロクーポン債を購入する前の大事な2つのポイント
米、10年半ぶり利下げ
FRBは2019年7月31日、10年半ぶりの利下げを決めました。
そして、米国ゼロクーポン債の購入を検討されている方々からも様々な相談がきてます。
■米国債の金利が下がる前に、早く買いたい・・・・・。
■金利が下がるなら、上がるまで様子を見たい・・・。
■円高ドル安になるまで、様子を見たい・・・・。
■やはり、購入時期も分散した方がいいですか・・・。
そもそも、今回の利下げ幅は0.25%です。
しかし、多くの方は1~2%も影響が出るのではないか、との心配もあるようです。
では、実際に購入する前に、何が大事なのか?
金利?
為替?
確かにそれも大事ですが、それよりも大事な事があります。
どこから、誰から購入をする事がベストなのか
投資経験が豊富で、老後資金の不安もない方については、どこから購入するのかは大きな問題ではありません。
しかし、投資初心者の方や、目的が老後資金準備の方については、どこから購入するのか、誰から購入するのかが、1番大事なポイントになります。
なぜなら、老後資金の準備であれば、失敗は許されないからです。
ですので、単純に米国債を購入だけのお話しではないのです。
入口と出口のポイントがあります。
[入口のポイント]
・毎月の老後の生活費はいくらなのか?
→例えば夫婦2人で月30万円
・毎月の年金収入は?
→例えば65歳から受給すれば夫婦で月22万円
・何歳まで仕事をして、何歳から年金をもらうのか?
→でも、70歳まで仕事して、70歳から年金受給すれば月29万円
*年金の繰下げ請求です。詳しく知りたい方は下記の記事を
↓
・では、65歳から70歳までの生活をどうするのか?
→①夫婦でアルバイトで15万円。残りは退職金を使う。
②65歳に満期がくる運用商品で準備する等々。
・不足分はいくらなのか?
→結局、70歳以降、足りないのは月1万円
100歳まで生存しても360万円。
・では、いくら準備をするのか?
①待てよ、1万円なら、生活費を減らせばいいのか。
→つまり、要らない。
②臨時資金もいるから、やはり余裕みて、月5万円の準備は必要か。
→年間で60万円。100歳まで生存で1,800万円
③月1万円なら、年間で12万円。
→100歳生存で360万円。
つまり、スタートは年金の確認です。
何歳からいくらもらうのか?
これが、老後資金準備の基本なのです。
そして、考え方1つで、必要金額も大きく変わるのです。
[出口のポイント]
米国ゼロクーポン債は、満期償還時に確定しているのは、ドル建です。
例えば2045年に1万ドルが償還されます(戻されます)。
では、2045年の為替により円で受取る金額も変動します。
■ 90円→ 900,000円
■100円→1,000,000円
■108円→1,080,000円
■120円→1,200,000円
では、償還時に、どのように対応すればいいのか?
①円高であれば、しばらくは外貨口座に預金する。
②いやいや、まだ余裕あるので、他の手段で再投資する。
③そのまま、円に交換し、生活費に使う。
*選択肢は1つではないのです。
つまり、入口でも出口でも大きな判断をしなければなりません。
そんな時に、
①顔の見えない、担当者も分からないネットだけで完結するのか。
②単純に、金利と為替だけを見て、効率優先で購入するのか。
③総合的にアドバイスをして頂ける専門家に相談しながら進めていくのか。
全ては自己責任なのです。
購入してからでは遅いのです。
銘柄(償還日)の選定が重要
基本的に米国ゼロクーポン債は、最長で30年です。
実際に、証券会社で販売している銘柄は残存期間が1年~30年まで多数あります。
残存期間が長い程、条件はよくなり、効率性も高まります。
しかし、その前に、何が目的でいつ使うのか。
ここを明確にしないと、30年で購入したが、20年目に必要になった。
途中で解約はできますが、当然リスクもあります。
場合によっては、元本割れも生じます。
詳しくは、下記の記事をご参照下さい。
米国ゼロクーポン債を途中解約する場合の注意点
↓
ただ、現実は10年後、20年後の事など分かりません。
あくまで予測しかできないのです。
ですので、米国ゼロクーポン債の購入については、1つの銘柄に集中するよりは
分散投資が基本です。
つまり、満期償還時期をできるだけ多く準備する事です。
このように、米国ゼロクーポン債は単純に購入すればいい訳ではないのです。
購入する前に、夫婦で検討されてから進めてください。
不安な方は、個別相談もご活用下さい。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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