「知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」Vol.272
変額保険で失敗しない為の契約前の確認事項とは
「死亡保障を準備しながら、資産形成を」
それが、変額保険です。
一方で、商品のしくみは複雑な為、中味をよく理解しないで契約をする。
その結果、増えているのが、苦情です。
苦情が出る事は、売る側にも買う側にも問題があります。
そもそも、こんな複雑な金融商品を1回聞いただけで理解できる方はおりません。
何度も、何度も確認した上で、契約をすればいいのですが。
本日は、契約後に失敗しない為の、契約前の確認事項についての情報発信です。
変額保険は生命保険です
「生命保険だとは聞いてませんでした」
こんな苦情が、保険会社にも届いているようです。
つまり、投資商品として案内をされている方が多いのです。
何度も言いますが、変額保険は「生命保険」です。
そして、以下の点を必ず確認してください。
■死亡保険金額
■満期があるのか、終身保障か
■死亡保険金額に最低保障はあるのか
心配なのは、投資目的で契約をされた方です。
お金も増やせて、死亡保険金ももらえる!
そのように思われている方は、要注意です。
解約されると以後の保障はなくなります。
つまり、例えば、老後資金に使おうと、75歳で解約した場合。
今まで、積立した積立金は受け取れます。
そして、同時に、死亡保障はなくなります。
ですので、死亡保険金は使えないのです。
お金を増やしながら、死亡保障も確保。
これだけを聞くと、①お金を増やせて、②死亡保険金ももらえる。
そのように勘違いされる方がいるかもしれません。
お金を増やせて、老後資金で使う事はできても、死亡保険金はもらえない。
一方で、老後資金に使わず、死亡保険金で使う。
これは、できます。
さて、あなたの目的は老後資金? 死亡保険金?
保険料の内訳
変額保険の場合は、契約者の払った保険料が保険会社の2つの金庫に分別されます。
■一般勘定→死亡保険金に使われる。
■特別勘定→投資に使われる。
更に、双方とも、様々な費用が自動的に引かれます。
では、自分が払う保険料がどのように使われているのか。
一般勘定と特別勘定に、どう振り分けられているのか。
そして、保険料から費用はどの程度引かれているのか。
おそらく、保険会社に聞いても、明確に答える方はいません。
ですので、このように返答します。
「被保険者の年齢・性別などにより異なるため、具体的な金額や上限額を表示することはできません」
しかし、ある程度、皆さんが自分で確認できる方法があります。
各保険会社が契約時に渡す設計書に解約払戻金の表示があります。
将来の受取金額は誰も予測はできませんが、確認する場所は1箇所です。
10年後の運用実績が0%の場合の払戻金です。
では、具体的に説明させて頂きます。
[アクサ生命のユニットリンク保険]■30歳の女性が、毎月10,000円で契約(仮定)
死亡保険金:約865万円
・10年後の払込保険料は120万円
・運用実績が0%の場合の返戻金は81万円
このケースで分析をします。
・返戻金の81万円が特別勘定
→月に換算すると6,750円
・払込保険料から返戻金を差引いた39万円が一般勘定
→月に換算すると3,250円
つまり、毎月払う10,000円に内訳は、下記になります。
■増やす為(投資)に 6,750円(67.5%)
■死亡保障の確保の為に3,250円(33.5%)
ですので、この段階で考えて頂きたいのです。
老後資金の準備をしながら、万一の事があれば、死亡保険金がもらえる。
そんな方には、非常に優れた商品です。
一方で、そもそも死亡保障は必要ない方。
或いは、老後資金は必要なく、死亡保障だけ欲しい方。
そんな方には、効率の悪い商品になります。
費用はいくらかかるのか
実はここがよく分からない・・・。
どの保険会社も、パンフレットに金額や%で表示している項目があります。
例えば、こんな感じです。
■運用関係費(投資信託の信託報酬)は純資産額の○○%。
■積立金移転費用は月1回は無料。2回目からは1回につき2,300円。
では、契約締結にかかる費用はいくらなのか。
代理店への報酬いくらなのか。
本当に、開示できないのでしょうか?
ここを開示してこそ、信頼される保険会社と言えるのではないでしょうか。
運用レポートの見方
運用レポートは、枚数も多く、文字も小さい。
ですので、全てを見られる方は、ほとんどおりません。
せいぜい、見る箇所はひとつ。
過去の実績です。
通常は、年率○○%。
ここで、勘違いされる方が多いのです。
例えば、毎月1万円の保険料を払い込んでます。
この1万円が、年率○○%で運用されている!
それは、大きな間違いです。
運用レポートの成績は、保険料の中で特別勘定の部分だけです。
ですので、1万円全てが、運用されているのではありません。
更に、運用関係費が引かれる前なのか、引かれた後なのか?
要確認です。
想定されるリスク
変額保険で注意すべきリスクは2つです。
■早期で解約をした場合
どの保険会社も、10年未満に解約をした場合は、積立金額から解約控除が差引かれます。
ですので、所謂元本割れする可能性が高いです。
併せて、10年未満に保険契約を減額した場合や払済保険に変更した場合も、解約控除の対象になりますので要注意です。
■運用実績悪化による元本割れ
変額保険は、株式や債券を中心に運用されますので、政治情勢や経済情勢等により、大きく変動します。
また、将来を予測できる方はおりません。
しかし、リスクを最小限に抑える方法はあります。
■長く続ける事
■商品(ファンド)を分散する
金融商品に完璧な商品はありません。
ですので、メリット、デメリットを理解する事。
併せて、自分の目的に合致した商品なのか。
改めて、確認をしてみてください。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
コメント
高橋さん、いつも勉強させてもらってます。
今日はVol.271のはず。
豊田さん、いつお、ありがとうございます。
鋭いご指摘ありがとうございました。
そうですね。271でした!
助かりました。