かんぽ生命に学ぶ生命保険の本来の意義と募集人の使命

お金の勉強・基本

知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」Vol.276

かんぽ生命に学ぶ生命保険の意義と募集人の使命

2019年12月18日。

かんぽ生命の不適切販売をめぐり、特別調査委員会は「不適切募集が黙認される風潮が形成されていた」と指摘した報告書を公表しました。

 

次々と、国民の信頼を裏切る事実が公表され、もはや営業再開できるような状況ではありません。

なぜ、このような事態が生じたのか?

そもそも生命保険とは何なのか?

 

実は、今回の事件は、全国民が、改めて「生命保険」という金融商品に対して、真摯に向き合う時であり、考え方を見直す大きなチャンスでもあるのです。

 

生命保険とは何か

結論から申し上げると、生命保険は「問題解決の為の手段であり、ツール」です。

今回は個人保険で考えてみます。

遺族の生活確保

個人の家庭であれば、一家の大黒柱に万一が起きた時に、残された遺族の生活維持が困難になります。

当面の生活費+将来に向けての生活費

 

では、どの程度の補償が必要なのか?

実は、それは、各世帯で違います。

ですので、適正な金額の算出が必要になります。

 

具体的には、以下最低でも3項目の確認が必要です。

①遺族年金がいくら出るのか。

②今後の住まいと費用。

③お子様の教育資金。

 

特に、重要なのが、遺族年金の存在です。

そもそも支給されるのか?

いつまで支給されるのか?

毎月、いくら支給されるのか?

 

皆さんが生命保険を契約された時に、確認されてますか?

そして、契約をされた募集人からアドバイスはありましたか?

 

遺族年金は、今後の生活の基盤になります。

ですので、これが分からずして、適切な生命保険の契約はあり得ません。

 

 

争族対策

残念ながら、最近増えているのが「争族」です。

相続が発生した事により、残された家族、兄弟間での争いです。

多くの方は、それは「遺産のある家庭でしょ、うちは関係ないよ」と思ってます。

 

しかし、現実、遺産相続に起因して、家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件の約76

%は、遺産総額が5,000万円以下で、且つ約33%は1,000万以下の一般的な家庭なのです。

 

<遺産分割事件の金額別内訳>

遺産の価額

割合

1000万円以下

33.0%

5000万円以下

43.2%

1億円以下

11.1%

5億円以下

7.1%

5億円超

0.7%

算定不能・不詳

4.8%

*法務省 裁判所のHP 「司法統計」(平成30年度)より抜粋し作成

 

ですので、相続が発生しても、残された遺族間で争いが起きないように、生命保険を活用した遺産分割対策が必要な時代となりました。

 

争族に関して、更に詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照下さい。

 

間違った生命保険の入り方

日々、個別相談を受けている中で感じている事があります。

ほとんどの方は、今契約している生命保険の中味を理解されていません。

 

併せて、「何故、この保険に加入されたのですか?」と聞くと、大きく2つの答えがきます。

①お付き合いで、入りました。

②金融機関の言われるままに入りました。

 

そして、保険の内容を説明すると、このような答えが返ってきます。

①聞いてませんでした。

②もしかして、必要のない保険なのですか?

③私が欲しい補償は違います。

 

特に、最近増えているのが、銀行のお付き合いです。

 

こんな勧誘には注意

そもそも、保険の目的を考えれば、保険会社の強引な営業実態があれば、相手にしない事です。

特に、こんな勧誘には注意が必要です。

①「キャンペーン」「保険月」をキーワードに勧誘する。

特定の金融商品ばかりを勧めてくる。

 

共通する事は、金融機関の利益しか考えていません。

お客様のニーズ、問題解決を全く考えず、自社の利益しか考えていない手法です。

 

いわゆる、ノルマ営業です。

ノルマ営業に協力する必要などありません。

 

なんの為の保険なのか。

自分に必要な保険なのか。

冷静に考えて判断をするべきです。

これからの保険募集に大事な2つのポイント

さて、今回の事件は、かんぽ生命だけの問題なのでしょうか?

それは、違います。

生命保険業界は、改めて、自らの営業姿勢を真摯に見つめ直す時期なのです。

 

金融機関の姿勢

金融機関と言えども、民間企業ですので、利益を追求する事は当然です。

しかし、その手段を改める時期ではないでしょうか。

■利益の高い商品を販売する為のキャンペーン

■利益の高い商品の手数料を高くし、代理店、募集人を誘導する

 

つまり、まずは、利益ありきの姿勢からの脱却です。

 

まずは、顧客の悩みは何なのか?抱えている問題は何なのか?

そして、それを解決する為の方法を一緒に考え、提案する事です。

 

結果、保険契約になる、ならないはあります。

しかし、まずは根本の考え方の変革が必要です。

 

つまり、心の変革なのです。

 

特に、大きな企業ほど、経営者の心一つで、会社全体が誤った方向に進みます。

時には多くの国民が不幸になります。

正に、今回のかんぽ生命事件ではないでしょうか。

 

代理店にも、募集人にもノルマばかりを追求する。

年間、最低〇〇件は売って下さい。

売らなければ、業務委託契約を解除しますよ・・・。

 

これが、今の生命保険業界の常識です。

ノルマの為に、保険契約をしなければならない方は迷惑なお話しです。

 

では、生命保険会社に何が必要なのか?

①徹底したお客様のニーズの把握

②正しい、情報提供、コンサルテイング

③形式ではなく、中味のある教育体制の構築

 

代理店、募集人の姿勢

保険業界を取り巻く環境も大きく変わってきました。

しかし、代理店、募集人に求められる事は一貫してます。

 

信頼す。

 

保険業界は専門知識が必要な仕事です。

そして、社会保障制度や民法、税金等、周辺業界の知識も必要なのです。

 

併せて、どの業界も法改正で変化の連続。

つまり、常に研鑽が必要であり、副業でできるような仕事ではないのです。

 

しかし、残念ながら、手数料稼ぎに片手間で仕事をされる方も増えてきました。

その方たちを一方的に攻める気持ちはありません。

 

ただ、ひとつ言わせて頂きます。

 

覚悟です。

 

金融商品の売り方を誤れば、お客様に大きな損害を与える事もあります。

時には、人生を大きく狂わせる事もあります。

それを理解した上で、保険募集をする覚悟です。

 

未だに、手数料の高い商品を優先的に販売されている募集人が多いのが現実ではないでしょうか。

このような状況が続けば、業界全体に「信頼」という2文字が消えます。

 

日々、研鑽と研究の連続。

そして、誰からも安心と信頼を兼ね備えた保険募集人が求められます。

 

この件に関しましては、語れば切りがありません。

ですので、最後に一言。

 

今、大事な事は自分自身の心の変革です。

まずは、自分が変わる事です。

 

会社がどうであれ、組織がどうであれ、結局は自分自身の心ひとつです。

 

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

 

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