「人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.295
ねんきん定期便の受取見込額から40万円以上増やせる!しかも50代!
新型コロナウィルスの拡大が中々止まりません。
そして、多くの方は、冷静に気がついております。
有事の際に、必要な物。
仕事があろうと、なかろうと毎月入る給料や年金の有難さ。
つまり、現金です。
特に、年金は終身で頂けます。
ですので、少しでも多くもらえた方がいいのです。
実は、50代からでも、年金を増やせる方法があります。
「ねんきん定期便」を見て、「こんなもんか・・・」と思われている方。
諦めるのは、まだ早いのです。
50歳以上の方の「ねんきん定期便」のポイント
「ねんきん定期便」は、毎年、誕生日月に届きます。
そして、50歳未満と50歳以上で内容が違うのです。
今回は、50歳以上の年金定期便のポイントについて解説です。
65歳からの年金見込額が分かる
最大のポイントは、自分が65歳からもらえる年金額が分かる事です。
但し、2点の条件があります。
①現在加入している年金制度に、60歳まで同じ条件で加入し続けたと仮定。
*多くの方は、60歳以降も仕事をされているので、働いて年金保険料を払う事で、年金額を増やす事は可能です。
②加給年金は含まれていない。
加給年金とは??
65歳の時点で年下の配偶者がいれば、
配偶者が65歳に到達するまで支給される
家族手当なのです。
年間で約39万円です。
詳しくは、下の記事も読んでね。
年金額の計算方法を理解する
将来の年金額を計算する為には、3つの計算式があります。
①老齢基礎年金:令和2年度の満額は781,700円
②老齢厚生年金で、平成15年3月までの分(この部分は修正できない)
③老齢厚生年金で、平成15年4月以降の分(ここがポイント)
今回は、③の計算式がポイントです。
▢×5.481/1,000×〇〇月=年金見込額
▢→標準報酬額です。
つまり、皆様の給料の平均と考えて下さい。
写真の例では、給料が195,000円~210,000円の方は、20万円になります。
〇〇→加入期間です。
例えば、60歳から70歳までは120カ月です。
「ねんきん定期便」見込額から増やすポイントは2つ
70歳まで働き、年金保険料も払い続ける
年金定期便の見込額は、あくまで60歳まで働き、年金保険料も60歳まで払い込んだ事が前提です。
ですので、70歳まで働く事で、10年間、120カ月分が加算されます。
更に、標準報酬額も少しでも多くしたいものです。
ポイントは、4月~6月の給料を増やす事です。
実は、標準報酬月額は、毎年4月~6月の給与の平均額を基に計算されます。
ですので、基本給が変わらなくても、残業代や各種手当で増やす事は可能なのです。
年金は70歳以降に請求する
年金は、本来65歳から請求できます。
しかし、あえて70歳以降に請求する事で、終身で年金額を増やす事ができます。
これを、年金の繰下げ請求と言います。
5年間遅らせる事で42%の増額ができます。
では、具体的に70歳まで仕事をして、年金も70歳からもらった場合、いくら増えるのか?
標準報酬の金額により変わります。
*前提条件として、65歳時点での報酬比例金額が96万円(年金月額8万円)。
60歳~70歳まで保険料も払います。
標準報酬月額 |
増額の年金額 |
70歳繰下げ42%増額 |
20万円 |
131,544円 |
186,792円 |
30万円 |
197,316円 |
280,189円 |
38万円 |
249,934円 |
354,906円 |
44万円 |
一部支給停止 (支給停止額25,000円) |
421,898円 |
50万円 |
一部支給停止 (支給停止額55,000円) |
290,430円 |
■筆者が独自試算で作成。
*標準報酬+年金月額の合計額が47万円を超えた場合、超えた金額の2分の1が支給停止になります。
支給停止金額が多い程、繰下げ効果は低くなりますので、要注意です。
このように、標準報酬が44万円であれば、年間で40万円以上の増額ができます。
一方で、標準報酬が50万円の場合は、支給停止により、繰下げ効果は標準報酬が30万円の場合と変わりません。
そして、現役時代に負担する年金保険料、70歳以降に負担する税金・社会保険料を考慮すれば、繰下げ効果は、標準報酬30万円より明らかに低くなります。
注意事項
在職老齢年金制度
在職老齢年金制度とは、働きながら年金をもらうと、年金の一部または全部が支給停止になる制度です。
具体的には、総報酬月額と基本月額(年金)の合計金額が47万円を超えた場合は、年金が支給停止になるのです。
ここで、多くの方が勘違いをされます。
自分は年金はもらわず、給料だけだから、47万円を超えても大丈夫!
しかし、この在職老齢年金制度は、給料だけでも、47万円を超えた場合は、実際に年金を受給していなくても支給停止になるのです。
ですので、大事な事は、自分の60歳時点、65歳時点でも基本年金月額を確認する事です。
できれば、一度年金事務所に足を運んで確認する事が重要です。
そして、65歳以降、自分の給料がいくら以上であれば、支給停止になるのか、具体的に確認する事をお勧めします。
特に、全額支給停止の場合は、繰下げに伴う増額はゼロになります。
つまり、65歳以降、働きながら保険料だけ払い続け、繰下げ効果は全くなくなるのです。
おそらく、多くの方は、このしくみを理解されておりません。
そして、計算方法も、非常に複雑なのです。
ですので、今50代の方は、早めに年金事務所に足を運び、相談するべきなのです。
税金と社会保険料の存在
在職中、給料が多ければ、収める年金保険料も当然増えます。
東京都の令和2年の厚生年金保険料で検証します。
標準報酬が20万、30万、44万の場合の自己負担額です。
*厚生年金保険料は、事業主との折半です。
■20万円:18,300円
■30万円:27,450円
■44万円:40,260円
そして、70歳以降、受取る年金にも税金はかかります。
*一定金額までは非課税。
令和2年度の税制では、所得税は196万円以下、
住民税は186万円以下であれば、税金はかかりません。
ポイントは2つ。
①公的年金等控除額
年金収入が330万未満は120万円。
②基礎控除と扶養控除
所得税は各38万円。
住民税は各33万円。
では、具体的に検証します。
65歳以上で夫婦2人世帯と仮定です。
①年金月額が15万円
*年間で180万円。
②15万円から42%増額して、213,000円。
*年間で2,556,000円
①の場合は、所得税も住民税もかかりません。
②の場合は、所得税が29,800円、住民税が概算で69,600円。
合計で約99,400円。
つまり、繰下げ請求で、年金は756,000円増えます。
一方で、税金も約99,400円増えます。
ちなみに、税金を減らす事は可能です。
使える控除を有効に活用して、確定申告をする事です。
70歳までの生活費の確保
実は、この部分は、一番質問を受けます。
しかし、これは、各家庭の状況で変わります。
■仕事の収入
■奥様のパート収入
■資産運用
■退職金の取り崩し
■副業
手段はいくらでもあります。
後は、早い時期から準備をする事です。
理想は20代から年金のしくみを理解し、資産の運用を始める事。
しかし、現実は、難しい年金制度を理解できないまま、60代に突入。
60代からでは、できる事も限られます。
50代では、まだ間に合います。
不安な方は、個別相談をご活用下さい。
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本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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