繰下げ請求の手続きで気をつけたい5つの注意点

公的年金

人生100年時代を笑顔で送る為のお金の法則」Vol.296

繰下げ請求の手続きで気をつけたい5つの注意点

年金の繰下げ請求できる年齢が現行の70歳から75歳に延長されます。

延長の開始は2022年4月以降です。

 

つまり、原則は65歳請求。

■70歳に請求すれば、42%増える。

■75歳に請求すれば、84%増える。

 

例えば、厚生年金を65歳から、毎月15万円もらえる方を想定します。

■70歳に請求すれば、213,000円。

■75歳に請求すれば、276,000円。

 

自分が何歳まで生きるのか、分かれば苦労しません。

分からないから、悩むのです。

 

長生きする事が確実なら繰下げ請求

長生きできないなら、65歳の本来請求。

 

そして、繰下げ請求と本来請求の損益分岐年齢は?

81歳~82歳です。

*税金や社会保険料を考慮すれば、個別の細かい計算は必要です。

 

年金を増やしたい!

老後生活を豊かに暮らしたい!

 

その為に繰下げ請求を検討する方は増えそうです。

しかし、そこには、注意点もあります。

 

そもそも、繰下げ請求がよく分からない方、下記の記事をご参照下さい。

 

 

いつから請求できるのか

まずは、65歳の時点から1年以上待つ事です。

つまり、66歳に到達しないと、繰下げ請求はできません。

 

 

但し、66歳に到達する前に、下げ請求ができなくなる事もあります。

■時期は65歳に到達した日から66歳の誕生日の前日までの間。

障害厚生年金遺族厚生年金などを受ける権利が発生した場合。

 

つまり、キーワードは「障害」「遺族」。

 

老齢基礎年金と老齢厚生年金は、別々にできる

会社員の方の年金は2階建ての構成です。

■1階は老齢基礎年金

■2階は老齢厚生年金

 

つまり、繰下げ請求は、同時にもできます。

一方で、別々に、時期をずらす事もできます。

 

 

同時に繰下げ請求した方がいい方

①生活に余裕があり、70歳まで就業収入だけで生活ができる方。

②面倒くさい方。

 

 

別々に、繰下げ請求した方がいい方

①年金は増やしたいが、生活費も足りない方。

 

②5歳以上年下の奥様がいて、加給年金をもらいたい方

 

加給年金については、下記の記事をご参照下さい。

 

 

繰下げしても増えない年金もある

改めて確認しますが、繰下げ請求できる年金は2つです。

■老齢基礎年金

■老齢厚生年金

 

一方で、この2つの年金に付帯される年金もあります。

その2つをご紹介します。

 

加給年金は増額されない

そもそも、加給年金とは、65歳の時点で65歳未満の一定の条件を満たした配偶者がいれば、その配偶者が65歳に到達するまで支給される家族手当です。

 

金額は、年間で約39万円

 

■繰下げ期間待機期間中は、加給年金はもらえない。

⇒加給年金は厚生年金とセットだからです。

 

■加給年金は増額されない。

 

■全くもらえない事もある。

⇒最大で約195万円(390,900円×5年)

例えば、70歳の繰下げ請求時の配偶者の年齢が65歳に到達。

 

 

■基礎年金だけ繰下げ請求すれば、加給年金はもらえる。

 

振替加算は増額されない

そもそも、振替加算とは何か?

 

加給年金は、配偶者が65歳になり、自分の基礎年金をもらい始めると打ち切りになります。

それに代わり、配偶者の年金に上乗せで支給されるのが、振替加算です。

 

更に、分かりやすく言えば、こんな感じです。

加給年金はご主人に、振替加算は奥様に支給されます。

 

但し、実際に支給される方は生年月日で限定されます。

1926年4月2日~1966年4月1日までに生まれた方

 

しかも、年齢が若い程、支給金額は少なくなります。

例えば、昭和35年4月2日生まれの方の支給額は、年間で約2万円です。

 

ですので、あまり神経質になる必要はありません。

 

■繰下げの待機期間中は、振替加算はもらえない。

⇒振替加算は、老齢基礎年金とセットだからです。

 

■振替加算は増額されない。

 

■老齢厚生年金だけを繰下げ請求すれば、振替加算はもらえる。

 

働いて収入が増えると、年金は減らされる

総務省統計局の公表によれば、2018年の65歳~69歳の男子の就業率は57.2%です。

10年前と比較し、9.4%増加してます。

 

そして、今後も働く高齢者が増える事が予想されます。

 

ここでの注意点は1つ。

就業による収入金額です。

 

年金月額+賃金=47万円(在職老齢年金制度)

年金月額は厚生年金の報酬比例部分のみ

 

キーワードは47万円

*金額は令和2年度の金額。

 

実は、この部分が複雑で誤解をされている方が多いのです。

■65歳以降、実際に年金を受給していなても、在職老齢年金制度の年金月額の計算式には含まれる。

 

ですので、65歳の時点で、自分の年金月額がいくらなのか、年金事務所に確認が必要です。

 

そして、65歳以降、仕事をする事で厚生年金保険料を払い続ける。

年金はもらわない。

 

しかし、在職老齢年金制度で、年金月額が一部停止か全額停止になる場合があります。

 

その時は、70歳で繰下げ請求をする際に、停止された部分には、増額率が反映されません。

 

つまり、42%増える予定が、20%、25%しか増えていない・・・。

 

ですので、65歳の時点で、一度年金事務所に足を運んでください。

 

在職老齢年金制度を更に詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照下さい。

 

 

年金増額により税金等の負担が増える

そもそも、年金には税金がかからない、と思われている方もおります。

しかし、一定の金額を超えると、年金にも税金はかかります。

 

では、税金がかかるのは、いくらなのか?

ポイントは2つです。

65歳の夫婦2人世帯のケースで確認します。

①公的年金等控除額

65歳以上であれが、110万円までは、所得金額がゼロです。

 

②基礎控除+扶養控除

■所得税:48万円(基礎控除)+38万円(扶養控除)=86万円

■住民税:43万円(基礎控除)+33万円(扶養控除)=76万円

 

つまり、以下の年金収入までは、税金はかかりません。

■所得税:110万円+86万円=196万円

■住民税:110万円+76万円=186万円

 

その他に社会保険料もあります。

■国民健康保険

■介護保険

 

ですので、繰下げ請求は、増額率だけを判断をするのではなく、税金・社会保険料を控除後の実額で判断をするべきなのです。

特に、今50代の方は、65歳以降の人生をどのように生きるのか、真剣に考える時です。

 

不安は方は、個別相談もご活用下さい。

個別相談に申込します

 

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

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