「人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.300
iDeCo(イデコ)の手数料が安い金融機関を解説します
iDeCoに手数料がかかるのでしょうか?
積立終了後も、手数料がかかるのですか??
結局、全部でいくらかかるのですか???
銀行預金しか経験がない方は、iDeCoに手数料がかかる事自体に不安があります。
そして、手数料の存在を放置すれば、将来的に大きな差が出ます。
ですので、手数料は加入時に理解しておく必要があります。
更に、多くの金融機関の中で、どこの金融機関が安いのか?
徹底解説です。
iDeCo(イデコ)にかかる手数料
実は、iDeCoには、実に様々な手数料がかかります。
全てを理解する事は大変です。
ですので、ポイントを4段階で整理します。
入口でかかる手数料
加入時・移管時手数料:2,829円
誰しもが、平等に1回だけかかる手数料です。
①初めて、iDeCoに加入する時。
②企業型の確定拠出年金から移管(引っ越し)する時。
そして、どの金融機関でも金額は同じです。
手数料は、最初の掛金から自動的に引かれます。
例えば、毎月1万円でスタート。
そこから、自動的に2,829円が引かれます。
ですので、実質のスタート金額は7,171円です。
*10,000円ー2,829円=7,171円
運用中にかかる手数料
ここが、重要な手数料です。
そして、2つの手数料が存在します。
口座管理手数料
口座管理手数料は、更に3つの区分に分かれます。
簡単に整理したのが、下の一覧です。
<運用中にかかる毎月の手数料>
収納手数料 |
事務委託手数料 |
口座管理手数料 |
|
支払先 |
国民年金基金連合会 |
事務委託先金融機関 (信託銀行) |
運営管理金融機関 (証券会社、銀行等) |
金額 |
105円 |
66円 |
0円~458円 |
*筆者が作成。
ポイントはご覧の通り、口座管理手数料です。
つまり、皆さんが、申込をされた金融機関により、大きく差が出ます。
信託報酬
信託報酬は、ファンド毎に金額が違います。
通常は、%表示です。
例えば、0.55%とします。
この手数料は、運用資産の残高から自動的に引かれます。
出口でかかる手数料
出口とは、つまり60歳以降に給付金を受け取る時です。
ここの手数料は、どの金融機関も同じです。
給付手数料:都度440円
この手数料のポイントは都度です。
つまり1回で受取れば440円。
年金方式に分割で受取れば、その都度440円がかかります。
その他の手数料
一体、どこまで手数料がかかるのか、と思いたいですが・・・。
金融機関の変更時にかかる手数料
通常、iDeCoは金融機関の変更はできないと考えた方がいいです。
仮に、加入者が金融機関を変更すれば、今までの積立金も一旦精算現金化されますので、メリットはないからです。
それでも、変更されたい方は、金融機関により、手数料がかかる場合があります。
0~4,400円。
還付事務手数料(掛金の払い戻し時)
還付事務手数料も、通常は発生しない掛金が還付されるケースです。
・法令の限度額を超えて拠出されたとき。
・国民年金保険料を納付していない月の分として拠出されたとき。
・iDeCoの加入資格のない方が拠出されたとき。
かかる手数料は下記になります。
■国民年金基金連合会手数料:1,048円
■事務委託先金融機関(信託銀行)手数料:440円
■運営管理機関手数料:金融機関により異なります。
0円~600円程度
脱退時にかかる手数料
iDeCoは、生活保護等、一定の状態に該当した場合に脱退になります。
具体的には、下記の条件を全て満たす事です。
①国民年金の保険料免除者(第1号被保険者で、生活保護、申請免除、学生納付特例、若年者納付猶予のいずれかの国民年金保険料の免除者)
②障害給付金の受給険者でないこと
③通算拠出期間が3年以下、または、個人別資産の額が25万円以下
④加入者資格喪失から2年以内
⑤企業型確定拠出年金から脱退一時金を受けていない
手数料は440円です。
金融機関で格差が出る手数料を解説
口座管理手数料で毎月最大で458円の差
ここ数年で、手数料の格差が広がってきました。
そして、2つの傾向があります。
■ネット証券を中心で無料化が進む。
■銀行系は収益獲得を目指し、高め。(無料化の銀行も一部あり)
単純にiDeCoを販売している証券会社と銀行を比較します。
■証券会社:10社中、6社が無料
■銀行系:50社中、2社が無料。
*条件付で他2社も一定期間限定の無料化。
残り49社は260円~458円です。
一番安い9つの金融機関はここだ
ずばり、口座管理手数料が0円の金融機関を紹介です。
*2020年6月1日現在
■大和証券
■松井証券
■楽天証券
手数料の違いは将来的にどの程度の差になるのか
毎月、たかが458円と思いたいところですが。
iDeCoは、最長でも20歳から65歳まで掛金の拠出が可能です。
*現行は60歳まで。2022年から65歳に延長予定。
ですので、拠出期間が長い程、手数料の差が広がります。
■1年間: 5,496円
■10年間 54,960円
■20年間:109,920円
■30年間:164,880円
■40年間:219,840円
■45年間:247,320円
なんとか、更に手数料を安くする方法はあるのか
これだけ手数料があれば、少しでも安くできないのか?
ある事はありますが、そこには注意も必要です。
月払の掛金を年払に変更する
収納手数料は、払込の都度かかります。
つまり、払込回数を減らせば、手数料を安くする事は可能です。
例えば、払込期間が30年の方で比較します。
■年払:105円×30年=3,150円
■月払:105円×12か月×30年=37,800円
37,800円ー3,150円=34,650円(削減手数料)
但し、手数料は安くなるが、総合的にメリットがあるかどうかは別問題です。
毎月払込する最大のメリットは、時間分散です。
つまり、ドルコスト平均法で、価額が高い時も低い時も量(口数)を買い続ける事。
言葉を変えれば、毎月地道に量(口数)を増やし続ける事です。
年払の場合、購入する日の価額が高かった場合、量(口数)を多く買えない場合もあります。
つまり、手数料でメリットを出しても、運用でデメリットになる可能性もあり、慎重な判断が必要になります。
受取を年金ではなく一括で受取る
多くの方は、入口の事で頭が一杯です。
しかし、大事な事は60歳以降の出口戦略をどうするのか。
出口戦略は、3つの方法があります。
①一括で受取る。
②年金式に分割で受取る。
③一括と年金の併用方式。
例えば、65歳以降、10年間分割で受取るかたと一括の方の比較です。
*分割の場合は年間で最長6回まで
■一括:440円
■分割:440円×6回×10年=26,400円
26,400円ー440円=25,960円(削減手数料)
受取る場合のポイントは手数料の他に、税金の存在があります。
年金であれ、一時金であれ、一定金額までは非課税ですが、一定金額を超えれば税金がかかります。
ですので、個別に税金を含めての検討が必要です。
個別の案件は、個別相談をご利用下さい。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございした。
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