「人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.312
投資信託の基準価額とは?基準価額が変動する要因を徹底解説!
2020年8月25日に、「シャープレシオ」に関する記事を書かせて頂きました。
そして、直近1年間で「シャープレシオ」が全ファンド中、第1位のファンドが「あい・パワーファンド」です。
通常、「1」を超えれば優秀なファンドですが、何と7.85(基準日は2020年8月21日)。
凄いファンドだ!
ところが、基準価額は10,453円(基準日は2020年8月24日)
えっ!?
意外と低い・・・・。
シャープレシオが高いのに、基準価額が低い・・・。
どういう事か。
そもそも基準価額とは何なのか?
そして、基準価額の変動要因は何なのか?
徹底解説をさせて頂きます。
基準価額とは
基準価額とは、投資信託の値段の事です。
通常は、1万口1万円でスタートします。
よく、「基準価格」と混同されますが、正式名は「基準価額」です。
そして、毎日、新聞にも「オープン基準価格」との表示で掲載されますが、この価格が「基準価額」になります。
算出方法
基準価額(投資信託の値段)の算出方法はシンプルです。
純資産総額÷総口数=基準価額(1口あたりの価額)
純資産総額とは何ですか??
投資信託全体の価値です。
つまり、投資信託が保有している株式や債券などの時価総額に利息や配当金などの収入を加え、そこから運用に係る費用を差し引いた金額です。
総口数とは何??
受益者、つまり投資家が保有する口数の合計ですよ。
具体例
例えば、10人の投資家が1人100万円で投資信託を購入します。
つまり、1人あたり、1万口あたり1万円のファンドを100口購入。
この時点での純資産総額は、1,000万円。
総口数は1,000口。
基準価額は10,000円。
<計算式>
1,000万円(純資産総額)÷1,000口(総口数)=10,000円(基準価額)
では、10日後、株価が上昇し、純資産総額も1,100万円に上昇。
総口数は変わらず、1000口。
基準価額は11,000円になります。
<計算式>
1,100万円(純資産総額)÷1,000口(総口数)=11,000円(基準価額)
株価との違い
日本経済新聞には、毎日「株価」が公表されてます。
株価は日々変動します。
そして、1日の中でも大きく変動するのです。
ですので、新聞には4つの値が掲載されてます。
■始値(はじめね):ある期間で最初についた価格。
■高値(たかね) :ある期間の中で一番高い値段。
■安値(やすね) :ある期間の中で一番安い値段。
■終値(おわりね):その期間で最後についた価格。
そして、株価はどういう時に上昇するのか?
それは、買い手が多い時です。
つまり、企業の業績がよく、人気が高いと株価は上昇します。
一方で、基準価額は1日1回のみの更新です。
その日の基準価額が決まるのも、当日の投資信託を運用している対象資産(株や債券)の当日終値が確定した後です。
そして、公表されるのは、その日の夜か、翌朝です。
公表は新聞や、各証券会社のHPで確認できます。
基準価額は、株と違って買いが増えても、必ずしも上昇するわけではないのです。
ここが、株価と基準価額の大きな違いになります。
基準価額の変動要因
では、基準価額は、どのような要因で変動するのか。
上昇要因
ファンドが運用している株式や債券の時価総額が上昇すれば、純資産総額が増加しますので、基準価額は上昇します。
下降要因
決算日に分配金を支払う
多くのファンドは、決算日に分配金を支払います。
そして、その分配金は、ファンドが運用している資産を取り崩して支払います。
ですので、分配金の支払日は、基準価額が下降します。
運用費用
投資信託では、運用中に発生する運用費用があります。(信託報酬等)
この運用費用も、ファンドが運用している資産を取り崩しますので、基準価額は下降します。
基準価額の高いファンドを紹介
基準価額は毎日変動しますので、あくまで参考程度ですが、データを紹介します。
基準日は2020年8月24日
■基準価額が5万円以上のファンド数:15本
■基準価額が3万円以上5万円未満のファンド数:51本
そして、1番高い基準価額は何と116,171円。
ミリオン(ジャパン ドリーム ポートフォリオ)
そして、このファンドの凄いのは、設定日が1991年8月20日。
実に21年の実績を重ねながら、この2020年8月24日に過去最高値を更新されてます。
つまり、成長を続けている事です。
ご参考までに、1番低い基準価額は672円。
そして、基準価額が5万円以上の15本に共通する事は、11年~21年という長い時間をかけて成長しているファンドです。
まとめ
結局、「基準価額」をどのように使うのか。
結論から言えば、投資信託は、1つの指標、1つの数字だけで判断する事は危険です。
例えば、今回紹介しました、基準価額5万円以上のファンドが15本。
その中には、純資産総額が小さいファンドや、騰落率の低いファンドもあります。
つまり、基準価額が高いファンドが全て優秀なファンドとか限らないのです。
様々な指標な指標を見ながら判断をする事が大切です。
この2つを確認する事で、かなりバランスの取れた優秀なファンドの選択はできます。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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