投資信託の基準価額は高い方がいいのか?購入する前の注意点は?

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投資信託の基準価額は高い方がいいのか?購入する前の注意点は?

日本経済新聞を見ると、毎日「投資信託の基準価額」が掲載されてます。

新聞には「オープン基準価格」と表示されてますが。

 

公募投資信託のファンド数は、2020年7月末時点で5,931本。

この中で、基準価額が1番高いファンドと、一番低いファンドの差は、何と11万円以上あります。

*基準日は2020年8月24日。(毎日変動します)

■一番高い基準価額:116,171円。

■一番低い基準価額:      672円。

 

では、果たして、基準価額は高い方がいいのか?

そして、この「基準価額」の値段だけで、購入判断をしていいのか?

 

基準価額とは

基準価額とは、投資信託のファンドの値段の事です。

つまり、買う時の値段であり、売る時の値段でもあります。

 

 

基準価額が高くなる理由

基準価額は、毎日更新されます。

そして、価額が高くなる時も低くなる時も、必ず要因があります。

 

運用している資産が成長している

基準価額が上昇する最大の要因は、運用している資産の成長です。

資産の中味は、主に株式債券です。

 

債券は堅実ではありますが、大きな成長は期待できません。

ですので、株式による成長が大きな要因になります。

 

具体的には、運用しているファンドを構成している株式を購入する投資家が増えれば、基準価額が上昇します。

 

ですので、いかに成長するファンドに投資をするのかが、ポイントです。

 

設定日が古い

設定日とは、投資信託(ファンド)の運用がスタートする日です。

多くの投資信託は、基準価額を10,000円からスタートします。

 

そして、2020年8月24日基準で、基準価額が5万円を超えている投資信託を検証しました。

対象になる15本の設定日で、一番新しいファンドの設定日が2009年9月18日。

つまり、設定から11年経過です。

他の14本のファンドも11年から19年と、長い実績があります。

 

投資の基本は長期運用。

つまり、「時間を味方にする」事で、株式による成長の後押しができます。

 

 

分配金を出さない

分配金とは、投資信託の運用資産の中から、決算の後に投資家の皆さんに支払われる金額の事です。

投資家の立場からすれば、もらえれば嬉しいものです。

 

しかし、この分配金は、運用中の資産を取り崩して支払います。

ですので、通常、分配金を支払った日の投資信託の基準価額は下がります。

 

仮に、同じ投資対象、運用成果が同じであれば、分配金を出さない投資信託の方が基準価額は高くなります。

 

基準価額が高くなる事のメリットは

投資信託を売却する場合は、基準価額が高い方が運用成果は高くなります。

つまり、今現在運用中の方には、気になる数字になります。

 

例えば、2020年8月24日基準で、一番基準価額が高いファンドで検証します。

基準価額は116,171円

ミリオン(ジャパン ドリーム ポートフォリオ)

 

ミリオン (ジャパン ドリーム ポートフォリオ) | 投資信託情報 | 野村アセットマネジメント

 

仮に、1991年8月20日の設定日に100万円で購入した場合。

2020年8月24日に売却すると、約1,161万円

つまり、10倍以上の運用成果です!

 

基準価額が高くなる事のデメリットは

投資信託の基準価額は値段です。

ですので、一番高い時に買って、以降下がり続けた場合は、残念ながら損をします。

 

但し、これは、一括購入した場合と、積立で毎月購入した場合では、結果も大きく変わる場合があります。

 

例えば、手元にある12万円で投資信託を購入します。

購入時の基準価額が50,000円。

以降、毎月2,000円の下降が続き、1年後の基準価額が28,000円になった場合の運用成果を比較します。(手数料、税金は考慮せず)

 

投資金額は共に12万円です。

■一括購入の場合:67,200円(-52,800円)

■毎月1万円の積立の場合:約89,040円(約ー30,960円)

 

このように、どちらも元本割れしますが、積立の方が、元本割れの金額は少なくなります。

 

まとめ

結局、基準価額は高い方がいいのか、低い方がいいのか?

それは、これから購入される方と、今既に運用中の方で、判断基準が違います。

 

これから購入される方

これから購入する方でも、一括購入する方と、積立で購入する方で変わります。

 

一括で購入される方

理想は、基準価額が低い時に購入し、高い時に売却する。

 

積立で購入される方

積立で購入される方は、購入時点の基準価額だけでは判断できません。

むしろ、基準価額以外の指標に注目するべきなのです。

例えば、以下の2つ。

■シャープレシオ

 

 

■標準偏差

 

 

そして、ファンドの運用資産が成長できる資産なのか。

総合的に判断をするべきであり、基準価額だけでの購入の判断はできません。

 

今、運用中の方

今既に運用されている方は、一括であれ、積立であれ、順調に成長されている事が大切です。

 

特に、積立の方で大事な事は、途中の相場が下がろうと、止めない事です。

長く続ける事です。

 

仮に、有事の事態で相場が下がる事があっても、毎月購入する口数は増えますので、量を増やすチャンスでもあります。

 

 

このように、投資は一時の相場や価額で一喜一憂するものではありません。

そして、価額が全てではありません。

 

とにかく、早く始める事

そして、長く続ける事

 

まずは、行動するべきなのです。

 

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

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