公務員でもiDeCoに加入すべきか?メリット、デメリットを解説

公務員

人生100年時代を笑顔で送る為のお金の法則」Vol.314

公務員でもiDeCoに加入すべきか?メリット、デメリットを解説

 

2001年から始まった「iDeCo」。

*正式名称は「個人型確定拠出年金」で、2016年9月から「iDeCo」の愛称が使われる。

 

 

当初は、自営業や会社員の方が対象でしたが、2017年より公務員の方も対象に追加されました。

 

その結果、2020年7月時点での公務員のiDeCo加入者は363,039人。

3年間で順調に増えております。

 

果たして、公務員はiDeCoに加入すべきなのか?

結論から言えば、加入すべきなのです。

その理由、法律改正を含めて解説させて頂きます。

 

公務員がiDeCoに加入すべき2つの理由

退職金が減少傾向

2012年11月「国家公務員の退職給付の給付水準の見直し等のための国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律」が成立。

 

何かと言えば「退職手当の水準引下げにより、官民格差解消を図る

 

つまり、国家公務員の退職金の減額です。

この法律の施行により、2015年1月1日以降、約400万円の退職金の引き下げになりました。

2017年12月「国家公務員退職手当等の一部を改正する法律」が成立。

この法律も、人事院が行った官民比較調査の結果、平均78.1万円、公務員が民間を上回ることから、退職手当の支給水準を約3%引き下げ。

2018年1月1日施行。

 

一方、地方公務員の退職手当についても2017年11月17日付総務省より「国家公務員の改正に準じて適切な措置を講じるように」と発出しました。

 

実際、地方公務員の退職手当は減少が続いております。

 

ご参考までに、国家公務員の退職金の推移です。

常勤職員の定年退職者

うち行政職の定年退職者

2014年

2,167万円

2,225万円

2015年

2,181万円

2,239万円

2016年

2,167万円

2,223万円

2017年

2,108万円

2,149万円

2018年

2,068万円

2,152万円

★出典:内閣官房「退職手当の支給状況」から抜粋。

 

年金も減少

2015年に年金制度の改正がありました。

目玉は公務員と会社員の年金制度の公平化(一元化)です。

 

この改正のポイントは大きく2つです。

保険料率の統一

2015年の改正前保険料率は僅かですが、公務員が安かったのです。

■厚生年金保険料率 :17.474%

■公務員共済保険料率:16.924%

 

そして、2018年9月に適用される保険料率から、双方の料率が統一されます。

 

職員加算の廃止

職域加算とは、公的年金の3階部分になります。

代わりに、「年金払い退職給付」が創設されました。

 

では、どう違うのか。

■職域加算:保険料負担なし

■年金払い退職給付:保険料負担あり(労使合わせて1.5%を上限)

 

そして、この「年金払い退職給付」の半分は有期年金、半分は終身年金です。

 

連合会定款に定める事項を基にした年金額のモデル

<モデル年金額>

年金月額・・・17,299円(終身8,108円、有期9,191円)

給付算定基礎額・・・約421万円(65歳時点)

★給付算定基礎額とは、年金の原資となる額。

 

*その他の前提条件

①データの基礎となる標準報酬月額の平均・・・40.6万円

②組合員期間・・・40年間加入(20歳~60歳)

③支給開始年齢・・・65歳

④有期退職年金の支給残月数・・・240月(20年)を選択

 

結局、この制度変更により、毎月の保険料負担は増えた。

一方で、もらえる年金は月額で約2,000円の減額となりました。

 

メリット

60歳まで引き出しできない

えっ!

メリットなの?

 

はい、大事なメリットです。

目的が老後資金なので、途中の引き出しはできません。

 

併せて、給与天引き、且つほったらかしで資産運用ができます。

 

毎月の掛金が所得控除できる

毎月の掛金は、全額が所得控除できます。

つまり、所得税・住民税が軽減されます。

 

では、具体的に検証します。

例)年収が600万円。(給料40万円、賞与60万円×2回)

奥様は専業主婦。お子様は16歳が1人。

毎月、12,000円の掛金で運用。

 

何もしない

iDeCoに加入

差額(節税額)

所得税額

132,375円

117,975円

14,400円

住民税額

229,875円

215,475円

14,400円

合計

362,250円

333,450円

28,800円

*社会保険料率は、令和2年度の北海道地域で試算。使う控除は他に基礎控除、配偶者控除、扶養控除のみ。

 

このように、年間で28,800円が還付されます。

 

運用中は非課税

通常、銀行預金や投資信託であれば、運用中の利益に対して、約20%の税金がかかります。

iDeCoの場合は、全額非課税です。

 

実は、この非課税が非常に大きな味方になります。

では、具体的に検証します。

 

例)毎月12,000円。30年間払込。平均利回3%。

■払込元金合計額      :432万円

■運用益         :約264万円

■受取合計額(非課税)  :約696万円

■受取合計額(課税の場合):約642万円

 

つまり、非課税の特典で約54万円の差額が発生します。

 

デメリット

退職所得控除が十分に活用できない

通常、iDeCoを60歳以降に一時金で受取る場合は雑所得になります。

ですので、税金が発生します。

 

しかし、退職所得控除が活用できるのです。

問題は、公務員を長く勤めた方には、適用できない確率が高いのです。

 

では、具体的に検証します。

例)22歳で就職。60歳退職。勤続38年。

 

退職所得控除額

800万円+70万円×(38年ー20年)=2,060万円

 

*国家公務員一般職の平均退職金

2018年度:2,068万円

 

つまり、公務員の退職金で退職所得控除を使い切り、iDeCoでは使えないのです。

 

毎月の掛金が少ない

毎月、拠出できる掛金は12,000円(年間で144,000円)

 

ご参考までに、年収600万円の方での節税額は約28,800円です。

 

仮に、掛金が会社員や自営業と同額の掛金であれば、節税金額は?

同じ、年収600万円で検証します。

■23,000円(会社員)⇒55,200円

■68,000円(自営業)⇒139,838円

 

まとめ

公務員がiDeCoに加入するメリットを金額で検証すれば、自営業や会社員と比べると少なくなるのが現実です。

 

しかし、それは、そもそも公務員の年金や退職金が、自営業や会社員に比べて優遇されているからです。

 

自営業は40年間、真面目に保険料を払い続けても、65歳からもらえる年金額は、月額65,141円(令和2年度)

併せて、退職金もない。

 

ですので、そもそもiDeCoは自営業や退職金制度のない中小企業の従業員のための制度であります。

 

だから、加入できるだけでも有難い話しなのです。

 

その中で、特に注目すべきは、運用益が非課税だという事です。

日本国内の銀行に預金しても全く増えない時代です。

 

しかし、世界に投資する事で3%、5%、7%、10%・・・。

しかも、運用益が非課税は、実は凄い事です。

では、具体的に検証します。

 

運用利回り

運用成果

運用益

税金

3%

696万円

264万円

536,316円

5%

982万円

550万円

1,117,325円

7%

1,411万円

979万円

1,988,838円

10%

2,495万円

2,063万円

4,190,984円

仮に、投資信託で運用した場合は、赤字の税金がかかります。

しかし、iDeCoの場合は非課税なので免除されるのです。

 

このように、現実の数字を見れば、税金がいかに高いのか。

そして、非課税という制度が、いかに有難い制度なのかが分かります。

 

併せて、銀行預金を脱皮して、長い時間をかけながら世界の中でお金を運用する事で、複利効果を享受しながら、高い利回りを確保する事は可能なのです。

 

 

こんな有利はしくみを使わない手はありません。

まずは、始めてみてはいかがですか。

 

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