国民年金保険料を未納した場合のデメリットをわかりやすく解説

公的年金

人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.327

国民年金保険料を未納した場合のデメリットわかりやすく解説

2020年も師走の12月となりました。

新型コロナウィルスの感染拡大も終息どころか、先行きが見えない厳しい毎日が続いております。

 

中には、会社が倒産したり、会社を解雇され、仕事ができずにご苦労されている方も増え続けているのではないでしょうか。

 

そんな時は、税金や社会保険料等、様々な救済措置がありますので、使える制度は使わないと、将来の老後生活にも大きく影響が出ます。

 

その代表が、国民年金です。

年金保険料の未納が続くとどうなるのか?

具体的に、どんなデメリットが生じるかを解説させて頂きます。

 

国民年金の未納とは

公的年金は、国民年金と厚生年金に分かれます。

厚生年金は、サラリーマンや公務員が加入する制度です。

保険料は、給料から天引きされ、会社が納付しますので、基本的に未納は発生しません。

 

一方、自営業や学生等が加入する制度が国民年金です。

厚生労働省の公表によれば、国民年金保険料の2019年度の納付率は69.3%です。

つまり、未納率は、約30%なのです。

 

特に、25~29歳の未納率は約43%です。

 

未納した場合の5つのデメリット

 

将来もらえる年金額が減らされる

国民年金は40年間払い込んで、65歳から781,700円(令和2年度)もらえます。

*年金額は、毎年改定されます。

 

しかし、もらう時期は選択できます。

 

例えば、もらう時期を5年遅らせる。

つまり、70歳からもらえば、42%増額され、約110万円に増えます。

これを、年金の繰下げ請求と言います。

 

 

更に、付加保険料を毎月400円、40年間払っていれば、約125万まで増えます。

 

 

つまり、増やせる手段はあり、元本保証されている優良な投資。

それが、国民年金です。

 

一方で、未納の場合は、1月単位でもらえる年金額は減ります。

例えば、未納期間が10年あれば、65歳からもらえる年金額は、約58万円です。

 

月額で比較すれば、イメージがつきます。

■付加保険料も含め満額払い、70歳からの受給⇒月額約104,000円

■10年間未納で65歳からの受給⇒月額約48,000円

 

このように、考え方と行動で、同じ国民年金でも、将来もらえる年金額は大きく変わります。

 

万一の際の遺族年金がもらえない

今まさに、新型コロナウィルスの感染拡大で、皆様の周囲でも感染されている方が増えているのではないでしょうか。

 

そして、残念ながら、若き日に、突然尊い命を亡くされる方もおります。

そんな時の、貴重な生活の柱が、遺族基礎年金です。

 

しかし、未納期間があれば、遺族基礎年金がもらえないケースもあります。

 

 

障害状態になっても年金がもらえない

今現在健康な方は、「自分が障害になる」事は考えません。

しかし、自然災害や突発的な事故。

更に、がんや精神障害等、現実は、予期せぬ事態になり、障害年金で救われている方は、年々増えております。

 

厚生年金保険・国民年金事業月報によると、2019年3月末現在で、障害年金の受給者数は、約212万人。

内、障害基礎年金受給者は約196万人です。

 

受給されている方の、平均年金月額のデータも公表されてます。

■1級で81,948円

■2級で66,428円

 

障害年金が、どのような状況で請求できるのか?

実は、多くの方が理解されてません。

 

例えば、がんでも請求できる場合があるのです。

詳しくは、下記の記事をご参照ください。

 

 

併せて、日本年金機構のHPで手続きもご確認ください。

 

差し押えされる可能性がある

国民年金は、国の強制保険です。

つまり、全国民の義務なのです。

 

年金の未納が続くと、日本年金機構から委託された業者から、電話や訪問による、催促が行われます。

 

催促状の期限内に納付すれば問題ありません。

しかし、納付期限を過ぎると、延滞金(年14.6%)が課せられます。

 

そして、それをも無視すれば「差押予告通知」が届きます。

場合によっては、給料や自動車、自宅等が差し押さえられる事もあります。

 

ですので、単なる脅しではないのです。

社会的信用も失います。

 

実際、2017年度は約1万4,000件の差し押さえが行われています。

 

iDeCo(イデコ)が使えない

老後資金準備の有力な金融商品の1つが「iDeCo」です。

特に、税制では①払込時、②運用中、③払出時の3つの場面で優遇されており、使わないと損なのです。

 

しかし、国民年金に加入されていない方、或いは未納がある方は、残念ながらiDeCoの払込はできないのです。

 

なぜなら、自営業の方(第1号被保険者)のiDeCoの加入条件の1つが「国民年金保険料を納付している」事です。

 

 

仮に、口座からiDeCoの掛金が引落しされても、国民年金保険料の未納月に該当する月分の掛金は、国民年金基金連合会から還付されます。

 

しかも、還付が発生すると、所定の手数料もかかります。

 

老後資金を増やす目的で始めたつもりが、年金未納により、掛金の払込ができないだけではなく、余計な経費まで取られる事もあるのです。

 

まとめ

仕事柄、多くの自営業の方にお会いする機会があります。

そして、中には、残念ながら年金制度に加入すらされていない方もおります。

 

未納の中には、払えるのに払わない方と本当に払えない方に分かれます。

 

本当に払えない方には、「免除制度」や「納付猶予制度」がありますので、利用する事で、未納期間をなくす事ができます。

 

使える制度を知るか、知らないか。

そして、利用するか、しないかで、今後の人生も大きく変わります。

 

自分の老後生活は、自分で守るしかありません。

国が保証するのは、最低限のレベルです。

 

そして、その最低限のレベルさえ使えなくしてしまう原因を作るのも、自分自身なのです。

 

ですので、今現在、やるべき事はやる。

できない時は、行政に相談する。

 

更に、身近に何でも相談する専門家を作る事も大事です。

お互いに支えあう、そんな社会にしていきたいですね。

 

新型コロナウィルス感染拡大の中、メールでのご相談が増えております。

個別相談に申込します

 

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

コメント