特別支給の老齢厚生年金の手続きをする前に知っておきたい事とは?

公的年金

人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.336

特別支給の老齢厚生年金の手続きをする前に知っておきたい事とは?

 

 

突然、日本年金機構から、「年金請求」の書類が届いたとします。

さて、自分はまだ63歳。

確か、年金は65歳からのはず。

 

Aさんは、こんな反応です。

「仕事もしてるし、収入もあるから、ほっておくか・・・」

 

Bさんは、こんな反応です。

「おーきたきた。年金の請求書。すぐ出せば、来月からもらえるかも・・・

 

Cさんは、こんな反応です。

「確か年金は遅らせて請求した方が年金額が増えるはずなので、後5年待とう!」

 

 

残念ながら、特別支給の老齢厚生年金であれば、3人とも間違った対応なのです。

 

そもそも、厚生年金には2つの制度があります。

特別支給の老齢厚生年金(65歳未満)

本来支給の老齢厚生年金(65歳以降)

 

同じ厚生年金でありながら、しくみが違うのです。

そのしくみを正しく理解しないと、後悔する事になるかもしれません。

 

本日は、特別支給の老齢厚生年金の手続きをする前に知っておきたい、大事なポイントについての解説です。

 

自分で請求しないともらえない

年金の基本は、自分で請求しないともらえません。

 

代理人でも年金相談はできます

 

つまり、ある年齢になると、自動的に振込されるものではありません。

請求して、初めてもらえるのです。

 

では、いつ請求すればいいのか?

必要書類はいつ届くのか?

 

年金請求書は3か月前に届きます

特別支給の老齢厚生年金を受給できる方には、日本年金機構から必要書類が郵送されます。

 

 

 

そして、提出は早すぎても受付してくれません。

受給権が発生してからの提出になります。

 

受給権の発生日は、誕生日の前日です。

ですので、誕生日の前日以降に年金事務所に提出できます

 

 

 

必要書類は家族状況等で決まる

請求の際には、必ず必要になるのは、以下3点です。

年金請求書

 

 

②戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか。

*但し、単身者の方で、日本年金機構にマイナンバーが登録されている方は不要。

 

③受取先金融機関の通帳等(コピー可)

 

後は、ご本人の厚生年金の加入期間や、家族状況により、追加の書類が必要になります。

詳しくは、日本年金機構のHPをご参照ください。

 

 

請求できる年齢は一律ではない

特別支給の老齢厚生年金の複雑な部分の1つです。

何歳から請求できるのか。

一律ではないのです。

 

生年月日により、受給開始年齢は決まる

そもそも特別支給の老齢厚生年金は、誰もがもらえる年金ではありません。

名前の通り、「特別」な方限定の年金です。

 

「特別」とは、生年月日で決まります。

残念ながら、下記に該当する方は対象外です。

■男子で昭和36年4月2日以降生まれの方

■女子で昭和41年4月2日以降生まれの方

 

2021年2月現在で、これから請求できる方は、以下の方です。

■61歳から請求できる方

・女子で昭和33年4月2日~昭和35年4月1日生まれの方

 

■62歳から請求できる方

・女子で昭和35年4月2日~昭和37年4月1日生まれの方

 

■63歳から請求できる方

・男子で昭和32年4月2日~昭和34年4月1日生まれの方

・女子で昭和37年4月2日~昭和39年4月1日生まれの方

 

■64歳から請求できる方

・男子で昭和34年4月2日~昭和36年4月1日生まれの方

・女子で昭和39年4月2日~昭和41年4月1日生まれの方

 

 

年金の権利は5年で消滅する

せっかくの年金を受け取る権利も、受給権発生から5年を過ぎると時効で消滅します

 

但し、止む得ない理由で、時効完成前に請求できなかった場合は、その理由を申立てする事で、基本権を時効消滅させない事も可能です。

 

失業手当と同時受給はできない

60歳から65歳という期間は、人生の大きな転換期でもあります。

60歳で一度退職し、再就職する方。

60歳で退職し、しばらく体を休ませる方等々。

 

中には、仕事をしたくても職が見つからない方もおります。

そんな時に、収入がないので、失業手当をもらい、年金ももらおう!

そう考える方もいるかと思います。

 

しかし、残念ながら失業手当と特別支給の老齢厚生年金の同時受給はできません。

 

ですので、どちらの給付が高いのか、計算した上で、どちらかに決めるしかありません。

 

 

繰下げ請求はできない

60歳から65歳の期間は、多くの方が仕事をされております。

中には、就業収入だけで生活ができる方もおります。

 

そんな方は、年金がなくても生活はできるので、特別支給の老齢厚生年金は65歳以降に遅らせて請求すれば多くもらえるだろう。

 

しかし、厚生年金でも、特別支給の老齢厚生年金と本来支給の老齢厚生年金はしくみが違うのです

 

■65歳からもらえる本来の老齢厚生年金は、繰下げ請求ができます。

特別支給の老齢厚生年金は、繰下げ請求ができません

 

意外と勘違いされている方が多いようです。

 

ですので、もらえる時は、もらうべきなのです。

待つ必要はありません。

 

まとめ

今は、人生100年時代に突入しました。

特に、60歳時は、人生の大きな転換期になります。

 

仕事を何歳までやるのか

年金を何歳からもらうのか

退職金をどのように使うのか

残っている住宅ローンをどうするのか

 

考えればきりがない程、大きな決断をする時期です。

 

特に、年金に関しては、選択方法を誤れば、生涯にわたり損をする可能性も高いのです。

ですので、早い時期から正しい知識を学び、準備をする事が大切です。

 

特に、下記の2つの年金は複雑です。

在職老齢年金制度

■特別支給の老齢厚生年金

 

併せて、毎年のように制度の改正もあります。

ですので、日頃から気軽に相談できる方を探す事も大事です。

 

当ブログでは、個別相談も受付しております。

詳細はこちらをクイックください。

 

 

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本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

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