「人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.337
特別支給の老齢厚生年金を遡って請求できるのか?誤解は損するだけ!
特別支給の老齢厚生年金の関する誤解が多いようです。
そもそも、年金は60歳からもらえたのです。
しかし、少子高齢化も進み、このまま60歳支給を続ければ、制度の持続は困難。
そこで、1980年の法改正で、60歳支給を65歳支給に変更。
でも、一気に変更したら混乱する。
国民の理解ももらえない。
だから、段階的に時間をかけて変更しよう。
そして、今がまさに段階的に変更している最中に60歳を迎える方に、特別に支給しているのが「特別支給の老齢厚生年金」です。
1985年の法改正でスタートした「特別支給の老齢厚生年金」は、最終的に2030年に終了します。
後、9年。
まだまだ、誤解されている方。
請求できるのに請求されていない方。
是非、一読下さい。
さかのぼっての請求はできない
特別支給の老齢厚生年金がもらえる年齢は、最長でも60歳から64歳までの5年間です。
*生年月日により、もらえる期間は1年~5年。
特に、今60歳の方は、改めて、年金事務所に確認するなり、日本年金機構のHPで自分が受給対象なのか、確認をしてみて下さい。
2021年に受給権が発生する方
ちなみに、この記事を書いているのは、2021年2月19日です。
本年中に受給権が発生するのは、男性で昭和33年生まれの方が63歳になった日。
厳密に言えば、誕生日の前日以降に請求ができます。
そして、女性の方も対象です。
但し、生年月日と年齢がが男子と違います。
昭和35年1月1日~昭和35年4月1日生まれの方が61歳になった日です。
そして、受給権が発生したら、迷わずに請求をするべきです。
70歳になってから請求しても遅いのです。
2021年時点でもらい忘れがある年代
男性で昭和32年までに生まれた方で、まだ請求されていない方は、受給要件を確認してみて下さい。
女性で昭和34年までに生まれた方も、要確認です。
生年月日以外の要件とは
但し、受給要件は生年月日だけではありません。
以下の2点の要件も必須です。
①厚生年金の加入期間が1年以上あること。
②老齢基礎年金の10年の受給資格期間を満たしていること。
5年で権利は時効消滅する
年金をもらえる権利の事を受給権と言います。
受給権が発生しても、請求しなければ、年金はもらえません。
そして、請求しないで5年経つと、時効で権利が消滅します。
しかし、5年分の権利が一気に消滅をするのではありません。
例えば、60歳で受給権が発生した方が67歳で請求すればどうなるか?
■60歳から62歳までの2年分は時効で権利が消滅。
■62歳から65歳になるまでの3年分は一括でもらえる。
よくある勘違い
年金は65歳からでないともらえない
通常は、受給権が発生する3か月前に、日本年金機構から「年金の請求手続きのご案内」が郵送されます。
素直に、ここで請求すればいいのですが、「確か、年金は65歳からのはず」との思い込みが強く、そのまま書類を放置する。
そもそも、「特別支給の老齢厚生年金」のしくみを全く理解されていない方が多いのが現状かもしれません。
繰上げ請求の案内と勘違い
次に、日本年金機構から届いた書類を見て「繰上げ請求の案内」と勘違いされる方。
繰上げ請求すれば、年金額が減額されるので、そのまま放置してしまう。
つまり、本来支給の老齢厚生年金と特別支給の老齢厚生年金が全く違う制度だという事が理解できていないからです。
仕事をしているのでもらえないと勘違い
特別支給の老齢厚生年金は知っている。
だけど、在職老齢年金制度があるでしょ。
「自分は仕事をして収入もあるので、請求はできない」と思い込み、放置される方。
確かに、一定の収入があれば、年金が減額されたり、全額支給停止になる方もおります。
特別支給の老齢厚生年金の支給停止の具体的な計算方法も意外と簡単です。
しかし、多くの方は、収入を調整しながら年金をもらっております。
一方で、特別支給の老齢厚生年金の支給停止のしくみを勘違いされてます。
仕事をしているだけの理由で年金が全くもらえない訳ではないのです。
特別支給の老齢厚生年金を働きながら満額もらえる方法もあります。
まとめ
年金に関する相談、勘違いはかなり多いのが現実です。
なぜか?
私は、年金の知識にせよ、投資の知識にせよ、人生100年を生きる上で、非常に大切なテーマであると思っております。
本来は、義務教育で学ぶべき事だと主張します。
日本人は真面目です。
22歳で大学を卒業し、60歳、65歳まで仕事一筋。
社会保険料も税金も給料から勝手に引かれるだけ。
多くの方は、そのしくみさえ理解されてません。
現実、公務員の方からも、年金、税金の事で相談を頂きます。
つまり、仕事に忙しく、年金の事など勉強する暇などないのです。
そして、そのままの状態で60歳を迎え、何の知識もないまま、突然、日本年金機構から「年金の請求のご案内」が届いても、内容を理解できない。
「特別支給の老齢厚生年金」?
「繰下げ請求」??
「加給年金」???
「在職老齢年金制度」????
これが現実です。
そして、高齢者の困窮世帯も増えております。
今現在でも、多くの方は90歳を超えても尚、現実社会の中で、毎日戦いながら生活をされております。
生きる事は戦いなのです。
その上で、年金の知識、お金を増やす「投資」の知識は非常に重要なのです。
是非、将来的には、義務教育の中で、全国民が「年金」を学べる場を作って頂きたいと、切望しております。
それまでの間、このブログを通して、なるべく皆様に大事な情報を発信させて頂く決意です。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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