「人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.341
iDeCoを銀行から加入されている方からの相談事例を詳しく解説
先日、銀行からiDeCoに加入されている方から相談を頂きました。
何も分からず、加入されたようで、不安だったようです。
そして、お話しを聞かせて頂くと、予想通りの展開になりました。
そんな、相談事例を解説させて頂きます。
その前に、iDeCoとは何なのか?
詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照下さい。
iDeCoの事は何も分かっていない
お話しを聞かせて頂き分かったのは、以下の2点です。
■よく分からないが、将来の年金代わりになるから、やった方がいいと言われ、始めた。
■税制で有利のようだ。
という事で、iDeCoを始めただけで、非常に満足をされてました。
ところが、そもそもiDeCoの事を聞いても、何もご理解されていないようでした。
その典型的な項目が「ファンド」です。
「どのファンドを選びましたか?」と聞くと、
「えっ!ファンドって何ですか?」
つまり、「iDeCo」という金融商品に加入しただけで、後は銀行が勝手に運用してくれるようなイメージなのです。
iDeCoは投資商品である事。
元本保証ではない事。
投資は自己責任である事。
そのような基本的な事さえ、理解しないままに加入されていたのです。
手数料の説明を受けていない
手数料についてもヒアリングしましたが、分かったのは、以下3点です。
■手数料がかかる事、毎月自動的に引かれている事を知らない。
■金融機関により、手数料が違う事を知らない。
■今引かれている手数料が高めだという事を知らない。
本当に、説明を受けていないのか、或いは聞いたが忘れているのかは不明です。
しかし、本人が全く理解されていない事は間違いありません。
運用成績がいい時は気になりませんが、悪い時の原因を分析すると、手数料の存在が大きい事が分かります。
ですので、手数料は大事です。
iDeCoの手数料とは
iDeCoには、実に様々な手数料が発生します。
今回は、代表的な2つの手数料を確認です。
加入時の手数料
iDeCoに加入する際に、必ず発生する手数料です。
どの金融機関も一律で2,829円です。
毎月発生する手数料
この毎月発生する手数料が大事です。
大きく2つあります。
■口座管理手数料
■運営管理手数料
この内、口座管理手数料は、どの金融機関も同じです。
そして、口座管理手数料は、更に2つに区分されます。
①収納手数料:105円(国民年金基金連合会への支払)
②事務取扱手数料:66円(信託銀行等への支払)
合計で171円/月です。
この171円は、毎月、運用資産から自動的に引かれます。
もうひとつが運営管理手数料。
この手数料が、金融機関により違います。
0円~458円。
つまり、年間で0円~5,496円。
ですので、加入期間が長い程、手数料の差が大きくなります。
ちなみに、手数料の安い金融機関を知りたい方は、下記の記事をご参照下さい。
ファンドは元本保証と思っている
そもそも、銀行しか利用されていない方は、iDeCoが預金なのか、投資なのか、保険なのか、その区別もできていないものです。
そして、当たり前のように、銀行から勧められたので、元本保証されている、と思い込んでました。
さて、実態は・・・。
勧められたファンドが元本確保型
予想はしてましたが、やはり「元本確保型」でした。
[北洋スーパー定期3年]
細かい説明は抜きにして、一言言わせて頂きました。
「このファンドは、続ければ続ける程、元本割れが膨らみますよ」
当然、予想する返答が返ってきました。
「えっ!どうしてですか・・・」
今の銀行金利と、手数料の数字を具体的に教えてあげれば、ご理解頂けます。
詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照下さい。
あなたは大丈夫?銀行からiDeCoに加入されている方の実態を解説
iDeCoの見直し内容
今のままでは、元本割れが拡大するだけ・・・。
どうすればいいのか?
ファンドを変更する
ファンドを変更するだけです。
しかし、実は、ここが大変なのです。
北洋銀行で選択できるファンドは、元本確保型を除くと24本のファンドがあります。
この中から、投資初心者がファンドを選択する事は、至難の技です。
併せて、銀行系のファンドの情報画面は、ネット証券と比較しても見劣りします。
大事な情報が十分に公表されてませんでした。
例えば、「シャープレシオ」の指標があるだけでも、判断基準になるのですが。
残念ながら、ありません。
ですので、今回は、クライアントさんと打ち合わせを重ねながら、ファンドの選択のお手伝いをさせて頂きました。
理想は金融機関も変更する
金融機関も変えたいところですが、今回は断念しました。
理由は3つ。
①手続きが面倒。
②余計な手数料がかかる。
③手続き完了まで時間がかかる。
なにせ、本人は仕事で忙しいので、事務手続きで時間は取れません。
理想を言えば、運営管理手数料が無料のネット証券に変更したいところです。
しかし、本人は、日頃ネットを開く事もされない方なので、断念しました。
一方で、下記に該当される方は、金融機関の変更もお勧めです。
①今の手数料が明らかに高い。
②日頃、ネットの扱いに慣れ、事務処理も自分で完結できる。
③まだ若く、今後20年以上は運用される方。
④今のファンドの成績が悪い方、元本確保型の方。
このような方には、余計な手数料が発生しても、長い目で見れば変更するべきです。
まとめ
今回の個別相談を進めていく中で感じた事。
iDeCoに加入する際、金融機関の選択は重要です。
その理由は2つです。
①金融機関により、情報の質が大きく違う。
②金融機関により、手数料が大きく違う。
結果として、将来の運用成績に大きく影響します。
しかし、現実は、金融機関の選択が重要だという事が理解されてません。
入ればいいや。
そんな感覚の方が多いのではないでしょうか。
では、何をすればいいのか。
正しい金融知識を持った人間が情報発信をしていく。
金融機関が、真に目の前の一人を大切にしていく。
地道ではありますが、その積み重ねしかないのが、今の現実です。
本来、お金の勉強は義務教育でやるべきです。
それだけ、大事な事なのですが、現実は難しいようです。
ですので、まずは、自分自身で行動を起こす。
その中にしか、自分自身の資産形成はできないのではないでしょうか。
30数年前のように、銀行、郵便局に預けていれば、黙っていても高い金利で運用できた時代は終わりました。
行動するのは、いつか?
今です!
銀行以外に、相談場所がない方は、個別相談をご活用下さい。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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