「人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.346
投資信託で繰上償還されるとどうなるのか?デメリットを解説します!
投資信託の純資産総額が2021年3月末で151兆137億円で、5ヶ月連続で過去最高を更新中です。
一方で、毎月繰上償還されているファンドがあります。
ご参考までに、2021年は1月と2月で59本のファンドが償還されました。
その内、29本のファンドが繰上償還です。
つまり、償還された約49%が繰上償還です。
繰上償還とは、野球で言えば9回まで試合をせず、3回や4回で試合終了です。
ですので、当然、消化不良となり、様々なデメリットも生じます。
そんな、繰上償還について、実態を解説させて頂きます。
繰上償還とは
投資信託のファンドには、信託期間が無期限のファンドと信託期間が決まっているファンドがあります。
繰上償還とは、以下に該当した場合の事です。
①無期限のファンドが投資信託の運用を終了すること。
②信託期間が決まっているファンドが、償還日の前に運用を終了すること。
なぜ、繰上償還が起きるのか
そもそも、繰上償還される可能性がある事は、購入する際に渡される目論見書に記載されてます。
受益者、つまり投資信託を購入されている方の口数が10億口を下回ることととなった場合です。
更に、わかりやすく言えば、純資産総額が10億円を下回った場合は、繰上償還される事があります、と事前に予告をされているのです。
つまり、①新たな資金が入らない、②解約が増えてきた、結果として、運用する資産が少なくなり、今後の運用が難しくなったために、運用をやめさせて頂きます、との事です。
繰上償還されたファンドはどうなるのか
繰上償還の連絡は突然「繰上償還のお知らせ」との郵便物で知らされます。
このように、繰上償還に同意する場合は、何もする必要はありません。
今後の日程も記載されております。
但し、同意できない場合は、同封の「議決権行使書面」に「反対」する旨を記入し、返信用封筒で郵送します。
そして、受益者の半数以上かつ受益者口数の3分の2以上の賛成が得られなかった場合は、運用が継続されます。
繰上償還された場合のデメリット
では、実際に繰上償還された場合に、どのようなデメリットが生じるのか。
払込金額を下回って清算される可能性が高い
例えば、購入時に基準価額が10,000円で購入したファンドが9,000円まで下落。
分配金を含めても、基準価額の10,000円を割る。
つまり、元本割れする可能性が高いのです。
中には、繰上償還しても元本割れせずに、利益が出る場合もあります。
運用の見直しが必要
繰上償還されると、ファンドの継続はできません。
ですので、新たなファンドを選択しなければなりません。
特に、投資初心者の方には、ファンドの選択は難しい作業になります。
繰上償還されるファンドの傾向
繰上償還されるファンドの傾向は2つあります。
純資産総額が小さい
基本的に繰上償還されるファンドの多くは、純資産総額が10億未満です。
しかし、中には30億を超えるファンドでも繰上償還される事もあります。
更に、特殊なケースかもしれませんが、2020年4月には、ピーク時に約1500億あった336億のファンドが繰上償還されました。
ですので、購入する際は、純資産総額が大きいファンドを選択する事が大事です。
解約が増え続けているファンド
今現在は純資産総額が多くても、新規流入よりも解約が増えているファンドも要注意です。
では、どうやって確認すればいいのか?
これは、証券会社により、公表されているデータに違いがありますので、資金の流出入のデータが分かる証券会社を選択する事も大事です。
例えば、SBI証券です。
月単位で、資金の流出入額が色で区分されています。
赤は流入。
青は流出。
つまり、下記のように、赤が多ければ、順調に資産が成長しているのです。
では、次のファンドです。
先程のファンドとは逆で、流出が多いのが分かります。
実は、このファンドは2014年6月には純資産総額が37億ありました。
そして、2021年4月19日時点で3億5600万円まで下がりました。
このように、SBI証券で投資信託を購入された方は、毎月、確認ができるので安心です。
ですので、投資信託を購入する際の、大事な選択の1つである金融機関の選択。
とても大事です。
これに関連する記事も参考にして下さい。
あなたは大丈夫?投資信託の2つの選択方法を間違ってませんか?
まとめ
投資信託は、非常に優れた金融商品です。
なぜなら、投資の基本が凝縮された商品だからです。
具体的には、以下の3つです。
長期・積立・分散
金融庁も推奨されてます。
つまり、毎月コツコツと、長い時間をかけて自分の資産を成長させる事です。
一方で、失敗する際の原因が大きく2つあります。
①金融機関の選択
②ファンドの選択
この2つさえ間違わなければ、購入後は、ほぼほったらかしで大丈夫です。
ほぼと言うのは、購入したファンドの資金(資産)が順調に増えているのか、或いは減っているのか、その程度の確認は必要です。
ですので、購入時の2つの選択が一番大事なのです。
このブログでも、様々な角度から情報発信をさせて頂きます。
一方で、不安の方は、個別相談もご活用下さい。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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