相続対策で生命保険の非課税枠を外貨建て保険で使う事はいいのか?

外貨建て保険

知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」Vol.285

相続対策で生命保険の非課税枠を外貨建て保険で使う事はいいのか?

外貨建て終身保険で相続税対策と資産運用!!

実は、たまたま某税理士事務所のHPで目に入ったのが、上のタイトルです。

 

相続に有効!!「外貨建て一時払い終身」の魅力

これは、某金融商品コンサルテイング会社のブログタイトルです。

 

他にも、同じような「外貨建て保険」ありきの記事が多数、目に入りました。

決して、「外貨建て保険」を否定するつもりはないのですが。

最初から、「外貨建て保険ありき」の記事には、違和感を感じております。

 

そこで、本日は、様々な角度から、相続対策で生命保険の非課税枠を外貨建て保険で使う事がいいのか、悪いのかを検証させて頂きます。

生命保険の非課税枠とは

相続税法第12条に「相続税の非課税財産」が6つあります。

その5番目に、生命保険の非課税限度額についての条文があります。

ポイントは1つです。

 

500万円×法定相続人の数=非課税限度額

 

そして、契約形態も決まっております。

 

受け取った生命保険金が非課税財産の適用となる生命保険の契約形態は「契約者・被保険者が同一人(被相続人)で、受取人がその相続人の場合」だけです。

契約者 :被相続人

被保険者:被相続人

受取人 :相続人

 

ですので、相続税の軽減の視点で考えれば、相続人が多いほど、その効果は期待できます。

但し、養子については、制限があります。

■実子がいる場合は1人まで

■実子がいない場合は2人まで

 

保険金額を500万円にこだわるのであれば外貨建て保険は不向き

外貨建て保険の大きなポイントは為替です。

ここで、相続対策として販売をしている某生保会社の外貨建て保険で検証します。

 

手持ち資金の1,000万円を外貨建て一時払終身保険に加入。

■相続人は2人。つまり非課税枠は1,000万円

■契約時の為替(円入金特約レート)を110円で試算

■払込保険料を円からドルに換算→90,909.09米ドル

■基本保険金額:120、490米ドル

 

相続が発生し、保険金を請求時の為替で試算。(手数料等は考慮せず)

■125円→15,061,250円

→この場合、1,000万円を超えた金額に相続税がかかる可能性があります。

 

■ 83円→10,000,670円

→この83円が損益分岐点レートになります。

 

■ 76円→ 9,157,240円

①元本割れ、②非課税枠を使いきれない。

 

為替リスクは、実は恐ろしいのです。

過去、10年間の為替の変動を確認します。

*レートは某保険会社の換算レート

■最円高: 76.25(2011年10月31日)

■最円安:125.99(2015年 6月8日)

 

つまり、過去10年間では、実に50円近い変動幅があるのです。

 

併せて、2009年4月から2013年4月までの4年間の為替は100円を割込んだ円高が続いてました。

 

為替というのは、政治状況や天災地変、そして、今回のようなコロナ騒動等で動きます。

 

つまり、誰も予測できないのです。

 

予測できないのを承知で、大事な資金を、相続対策として外貨建て一時払で運用する事が、果たして正解なのか?

 

保険料を少しでも安くしたい、相続税は関係ない方は?

一方で、名目上は相続対策だけど、現実は相続税はかからない。

そして、保険料も安い方がいい。

多少のリスクがあっても、もらえる保険金も多い方がいいよ。

 

そんな方には、外貨建て保険はお勧めです。

 

そもそも、日本の中で、一時払終身保険を販売する保険会社も少なくなりました。

 

月払で契約したとしても、円で契約するよりは、ドルで契約する方が効率よく運用が可能です。

 

結論は、相続全体像で判断をする必要がある

そもそも、相続税には、2つの非課税枠があります。

①基礎控除:3,000万円+(相続人の人数×600万円)

②生命保険非課税:相続人1人×500万円

 

そして、保険に加入する前に、相続財産全てを把握した上で、相続税がかかるのかどうか。

この確認作業が大事なのです。

 

場合によっては、信頼できる税理士さんに相談をするべきなのです。

 

相続税が確実にかかる方

相続税が確実にかかるのであれば、やはり、使える生命保険の非課税枠は有効に使うべきです。

使えるのは、あくまで相続人1人につき500万円です。

 

ですので、基本は500万円を超えない。

超えると、超えた金額に相続税がかかります。

 

そして、500万円を割らない。

割ると、非課税枠を使いきれず、相続税が増える可能性もあります。

 

ですので、為替で受取る保険金額が変動する外貨建て保険は不向きな保険になります。

 

相続税が確実にかからない方

一方で、相続税が確実にかからない方。

この場合も、基本は500万円ぴったりが理想。

 

しかし、中には多少のリスクを取っても、効率よく運用したい方。

そんな方は、外貨建て保険を使う事も選択肢の1つです。

 

そして、外貨建て保険に関する苦情が多いのも現実。

よく、商品を理解してから契約をするべきです。

 

相続対策の基本は遺産分割対策である事

生命保険の非課税枠は、相続税対策だけではありません。

大事な事は、争族を防ぐ事であり、平和な遺産分割対策でもあります。

 

争族については、下記の記事もご参照下さい。

残念ながら、相続財産5,000万円以下の一般の家庭で、争族が多く起きております。

その原因は、やはり相続人全員への平等分割が難しいからです。

 

なぜか?

それは、自宅(不動産)の存在です。

 

自宅は簡単に処分できるものではありません。

一方で、相続財産として評価されます。

 

そして、共有名義にもできない・・・。

 

例えば、相続人が兄弟2人と仮定。

各自に死亡保険金が500万円支給。

一方で、自宅は長男には自宅も相続。

 

そうなると、次男の怒りの矛先は長男になります。

仲の良かった兄弟が、相続の発生と共に、争う事になる。

 

そんな実例が、実は我々の住んでいる身近で起きているのです。

 

ですので、この死亡保険金の使い方も、各家庭の事情で違うのです。

例えば、相続人を2人(A,B)とします。

原則は

■相続人AにもBにも500万円

 

状況によっては

■相続人Aに1,000万円。Bにはなし。

 

こんな使い方もできるのです。

 

ですので、たかが相続、たかが生命保険ではないのです。

保険の入り方、誤った保険商品により、将来大きなトラブルになる可能性があるのです。

 

それが、生命保険の死亡保険金非課税枠なのです。

 

入る前に、しっかりと信頼できる方にご相談を。

 

特に兄弟がおられる方は・・・・。

 

個別相談に申込します

 

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

 

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