「人生100年時代を笑顔で送る為のお金の法則」Vol.318
特別支給の老齢厚生年金の支給停止の計算方法を解説します
働きながら年金をもらうと、年金が停止される!?
そもそも、特別支給の老齢厚生年金とは??
年金制度は複雑です。
多くの方が、正しく理解できないままに年金をもらっています。
では、働きながら特別支給の老齢厚生年金をもらえば、いくら減らされるのか?
実は、自分で計算できます。
ポイントは2つの数字を理解するだけなのです。
それでは、解説をさせて頂きます。
特別支給の老齢厚生年金とは
特別支給の老齢厚生年金とは、名前の通り、特別に支給される年金です。
併せて、もらえる方も限定されています。
男性であれば、昭和36年4月1日以前に生まれた方。
女性であれば、昭和41年4月1日以前に生まれた方。
そして、もらえる期間も最大で5年間。
詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
ポイントになる2つの数字
総報酬月額相当額
総報酬とは、給料と賞与の合計額の事です。
月額相当額とは、単純に1ヵ月に相当する給料と賞与の合計額。
つまり、下記の計算式になります。
標準報酬月額+1年間の賞与を12で割った金額
*標準報酬月額とは毎年4月~6月までの平均給与です。
基本月額
基本月額とは、老齢厚生年金の月額です。
ですので、老齢基礎年金は対象外です。
支給停止される方とされない方
支給停止されない方
老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以内。
この28万円が、2022年4月以降より「47万円」に変更されました。
つまり、年金と給料の合計額が47万円以内であれば停止されません。
*賞与がある場合は、年間の合計額を12で割った金額をプラスします。
支給停止される方
老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額の合計額が47万円を超える場合。
支給停止の計算方法
支給停止の計算は総報酬月額相当額と基本月額の金額によります。
基本月額と総報酬月額相当額が47万円を超える場合
多くの方が、この計算式に該当します。
(総報酬月額相当額+基本月額ー47万円)×1/2
<具体例>
総報酬月額相当額30万円、基本月額15万円
(30万円+15万円ー47万円)×1/2=ー1万円(支給停止なし)
つまり、年金は全額支給です。
このように、2つの数字が分かれば、誰でも計算ができます。
ですので、早い時期から60歳以降の働き方や年金の受取方を研究し、準備ができるのです。
是非、ご夫婦で計算を!
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
コメント
下記についてご教示いただけますと幸いです。
失業保険の基本手当の支給を受けると特別支給の老齢厚生年金は停止されると了解します。
一方、年金の時効期間は5年です。
なので、特別支給の老齢厚生年金の支給請求をせずに、基本手当の支給が終わってから、
特別支給の老齢厚生年金を一括請求することは可能でしょうか?
越智様
初めまして。
ご相談ありがとうございます。
ご相談の件ですが、具体的な年齢等の記載がないので、一般論で回答をさせて頂きます。
■仮に、65歳以降(年金の時効前)に特別支給の老齢厚生年金を請求をされても、例えば63歳から基本手当を貰い、同時に63歳で特別支給の老齢厚生年金を貰える方が、時期をずらして年金請求をしても、あくまで本来貰える63歳の時に基本手当をもらって事実があるのであれば、その間は調整をされる可能性が高いです。
ですので、仮に一括請求をされても、減額される可能性が高い、と判断します。
■基本的に、基本手当と特別支給の老齢厚生年金は併給できないので、どちらか金額が高い方を選択するものです。
■具体的には、年金事務所でのご相談をお勧めします。
ご回答ありがとうございます。
・基本手当を受けとった記録が年金機構とハローワークで共有される。
・基本手当を受給した期間は年金機構で把握できるので、その期間の特別支給の老齢厚生
年金(支給停止分)は基本手当受給終了後、特別支給の老齢厚生年金の一括支給を請求
しても支給調整され支給停止期間の特別支給の老齢厚生年金は支給されない。
と理解しました。