自筆証書遺言

相続・事業承継

皆さん、おはようございます。

誰でも分かる金融用語・金融商品辞典」Vol.30

本日は「自筆証書遺言」です。

 

 


自筆証書遺言」とは自分の亡き後の財産を誰に引き継ぐのかを、全文を自分で書く遺言の事。

(民法968条)

 

3つの遺言の種類

そもそも、遺言には3つの種類(やり方)があります。

1.自筆証書遺言

 

2.公正証書遺言

 

3.秘密証書遺言

 

2、3については、改めて、このブログでご案内をさせて頂きます。

 

 

自筆証書遺言の5つの要件

自筆証書遺言は書けばいい、という簡単なものではありません。民法で規定する要件を満たさなければ、無効になる場合があります。

 

全文を自分で書く

つまり、遺言の内容全てを、自筆で書く事です。ワープロやパソコンでの作成は無効になりますのでご注意下さい。

 

*但し、「自筆証書遺言の方式緩和」について動きが出てきました。今までは「ワープロは無効」でしたが、「ワープロ作成も許容」になる方向で、協議がされています。まだ、正式決定ではありませんので、ご注意下さい。

 

 

日付けも自署

日付けも、大事な用件です。例えば2018年6月5日、平成30年6月5日、というように正しく記載する事が求められております。

 

無効となる例として

■2018年6月吉日

■2018年6月

つまり、日にちが特定できない場合は、無効になります。

 

 

氏名も自署

当たり前ではありますが、誰が書いたのか、誰の遺言なのかを明らかにする必要があります。尚、氏名は通称名でも認められています。

 

尚、民法の第975条に共同遺言の禁止があります。

遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。

 

つまり、遺言は1人で書く!

 

 

押印

いわゆる印鑑なんですが、基本的には実印でも認印でも大丈夫です。

但し、この押印については、実に多くの裁判事例があるのですが、ほんの一部だけ紹介をさせて頂きます。

自筆証書遺言における押印は指印で足りる。

判H元.2.16、判H元.6.20、判H元6.23

 

花押は認めがたい。

判H28.6.3

 

押印を欠く自筆証書は無効

東京地判H12.9.19

 

封筒のみの押印を認めた判例

最判H6.6.24,東京高判H18.10.25

 

尚、詳しくは、弁護士、行政書士に確認をお願い致します。

 

 

加除その他の変更

もし、遺言を書いて間違えてしまった場合です。その場合は

遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ変更の場所に印を押さなければ」なりません。

 

つまり、訂正方法を間違えると、訂正した部分が無効になる可能性があります。

 

ですので、間違えた場合は、もう一度書き直す事が懸命です。

 

 

自筆証書遺言のメリットとは

大きく3つあります。

1.手軽に書ける。

 

2.費用がかからない

 

3.誰にも内緒にできる。

 

 

自筆証書遺言のデメリットとは

メリット以上に大事な事がデメリットです。

 

誰にも気づかれない可能性がある

せっかく、書き上げた遺言書。しかし、それが、遺族に発見されなければ、効力は生じません。また、火事で燃えてしまったり、紛失してしまえば全く意味がありません。ですので、どこに保管するのかが、大事なポイントになります。

 

*実は、この保管の件も「自筆証書遺言の方式緩和」の中で「法務省に保管する事ができる制度」が創設される予定、との事です。もし、できれば、紛失のリスクはなくなります。

 

 

無効になる可能性が高い

先程の5つの要件。1つでも不備があれば、無効になります。

また、最近、認知症になられる方も増えております。遺言を書いた日に、既に認知症で判断能力がない、と判断されれば、せっかく書き上げた遺言書が無効になる可能性は高いのです

 

なぜか?

 

法的効力のある遺言をするには、遺言能力が必要なのです。認知症が進行し、判断能力のない状態で書いた遺言は、原則として、遺言能力がある、とは認められません。

 

 

まとめ

このように、自筆証書遺言には、様々なメリット、デメリットはありますが、それでも「自筆証書遺言」を選択する場合の注意点を書かせて頂きます。

1.改めて、5つの要件を確認する事。

 

2.書き直しは何度でもできますので、その際「日付けの新しい遺言書」が有効になります。

 

3.遺言書の保管場所は、家族の誰かに知らせておくべきです。

 

4.自筆証書遺言は、発見後、勝手に開ける事はできません。家庭裁判所の検認が必要になります。もし、勝手に開けてしまうと、5万円以下の過料の制裁が課されますので、ご注意下さい。

 

[民法1005条]~過料~

前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所以外においてその開封をした者は、5万円以下の過料に処する。

 

明日は、「公正証書遺言」です。

 

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

 

 

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