「人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.303
つみたてNISAのデメリットを知った上でも始めた方がいい方とは
2020年7月。
世界は現在コロナ不況が続いております。
そして、多くの方が不安を抱えながら生活をされてます。
株式相場も下がったり、上がったり、中々落ち着きません。
今どうすればいいのか?
実は、相場がどんな状況であろうが、続けるべき投資が積立投資です。
そして、その代表商品がiDeCoとつみたてNISAなのです。
しかし、相場の不安定を嘆き、商品のデメリットばかりを気にして、中々行動できない方もおります。
そんな方へのメッセージを送らせて頂きます。
つみたてNISAのデメリット
ファンド(銘柄)が限定されている
・投資信託のファンド数は、2020年5月現在で5,945本。
*投資信託協会の公表統計データより
・つみたてNISAのファンド数は、2020年4月1日現在で181本。
つまり、投資信託のファンドの僅か3%程度なのです。
そして、その金融庁から選ばれた3%の実態は何か?
運用リターンよりも手数料の安さを重視してます。
ですので、高いリターンを追求する投資家には物足りないファンドかもしれません。
ファンド(銘柄)の変更ができない
長期投資をする場合に、ファンドの変更ができるのか、できないのかは大きな違いです。
投資信託やiDeCoは適度にファンドの変更をする事で効率の高い運用が可能です。
しかし、残念ながらつみたてNISAはファンドの変更ができません。
仮に、入口で決めたファンドの運用状況が悪く、変更したい場合は、非課税枠を諦め、課税口座で運用する事はできます。
非課税期間が限定されている
実は、個人的には、これが最大のデメリットと考えてます。
多くの方は、「非課税期間が最長で20年間」と思われてますが・・・。
20年目の相場が悪い時の悪夢
例えば2018年1月につみたてNISAをスタートしました。
平均3%で順調に運用益も出ていた、と仮定します。
このままいけば、480万円の積立元本が656万円になりそう!
ところが、20年目の2037年にリーマン級の金融不況になった。
基準価額も大幅に下がり、元本割れになりそう・・・。
今、解約試算をすると、何と400万円(元本割)
そのような状況であれば、解約はできない。
となると2037年12月に、400万円を元手に課税口座に移す。
そして、基準価額が戻り、500万円まで復活し、解約。
そうすると、400万円から再スタートし、500万円まで増えた100万円に対して税金がかかる。
100万円×20.315%=203,150円
えっ!税金かからないはずだが・・・・。
つまり手取りで戻ってくるのは4,796,850円。
500万円ー203,150円=4,796,850円
非課税期間が限定されていなければ656万円。
しかし、現実は約479万円。
その差は約177万円!
えっ!
つみたてNISAは非課税ではなかったの!?
まさに、悪夢!
解約の時期の判断が難しい
上記の例のように、非課税期間が決まっている事は、やっかいな問題なのです。
ですので、18年目頃から、解約するタイミングを検討する事が必要です。
ある意味、政治の世界と似ています。
衆議院の解散時期です。
任期満了での解散はあまりないです。
やはり、与党が確実に勝てる時期を選びます。
つみたてNISAも同じです。
確実に、運用益が出る時期に解約をする。
ですので、20年ギリギリまで待つ必要はないのです。
毎月の掛金が所得控除できない
具体例で検証します。
30歳の男性、年収500万円の給与所得者。
毎月2万円を60歳まで40年間運用します。
■iDeCo:40年間で約144万円の節税。
■つみたてNISA:40年間節税はできない。
運用益はiDeCoもつみたてNISAも非課税ですが、iDeCoは毎月の掛金にも税制優遇措置があるのです。
非課税枠の再利用・繰越ができない
つみたてNISAで使える非課税枠は、年間で40万円です。
では、具体的に検証します。
年間40万円枠を使えなかった場合
例えば、2019年までは、毎年40万円を使っていた。
2020年はコロナ不況もあり、収入が大幅にダウンし、20万円しかできなかった。
では、使えなかった2020年の残り20万円の枠を2021年に繰越できるのか?
残念ながらできません。
年内に途中解約をし、その後再スタートした場合
例えば、2020年6月までに30万円投資。
コロナ不況で2020年7月に30万円を解約。
その後、2020年8月に再投資を開始。
8月の再投資以降使えるのは、残り10万円です。
解約した30万円枠は使えません。
損益通算ができない
損益通算は、証券会社に口座を複数所有し、分散投資をされている方のお話しです。
通常は、利益が出ている口座と損失が発生している口座の損益を通算する事で税金を安くする事ができます。
しかし、つみたてNISAは、利益に税金がかからない代わりに、損失が発生しても、損失はないものとして扱わるルールがあるのです。
では、具体的に検証します。
■課税口座 10万円
■つみたてNISA -20万円
この状況で損益通算ができれば、投資成績はー10万円ですので、税金はかかりません。
ところが、つみたてNISAは損益通算ができませんので、課税口座の利益には税金がかかります。
10万円×20.315%=20,315円
それでも、つみたてNISAを始めた方がいい方
投資初心者
多くある金融商品の中でも、リスクが低く、運用益も非課税。
実は、非課税効果だけでも大きいのです。
具体例で検証します。
毎月1万円を20年間積立します。
払込合計額は240万円。
運用は年3%とすると、240万円が328万円になります。
■課税の場合約18万円の税金が取られます。
328万ー240万=88万
88万×20.315%=178,772円
■非課税の場合は、税金が取られません。
つまり、運用成績が多少悪くても、非課税枠で勝てる場合もあるのです。
ですので、投資初心者は最優先する投資方法は1つ。
非課税枠を使う事です。
漠然と長期運用されたい方
貯蓄の目的は明確ではないが、とにかく将来が不安なので、資産運用したい方。
そして、人生の途中には、大きなイベントや臨時の出費が次々と訪れます。
■教育資金
■住宅資金
■結婚資金や病気等
そんな時に、いつでも解約できるのがつみたてNISAです。
iDeCoはできません。
つまり、安心していつでも解約できるのが、つみたてNISAの強みでもあります。
面倒くさい方
銀行にも行きたくない。
相場を見るのも面倒だ。
電話も出ない、手紙も読まない。
実はそのような方も意外と多いのです。
つみたてNISAは、最初の申込だけです。
後は、約20年間、何もせず、ほったらかしができます。
つまり、何もせずに、資産運用ができる。
これも、つみたてNISAの大きな特徴です。
まとめ
金融商品に完璧な商品は存在しません。
やるべきではない投資方法
短期売買、銘柄(商品)集中。
今までの日本の証券業界では、短期売買が当たり前のように行われてきました。
言葉を変えれば、回転売買です。
そこに、投資家のメリットはありません。
やるべき投資方法
金融庁も推奨してます、投資の基本です。
長期・積立・分散
そして、その最有力の金融商品がiDeCoとつみたてNISAです。
ですので、デメリットを気にするよりは、商品を分散しながら早く始める事。
長く続ける事。
何もしない事が最大のリスクなのです。
それでも不安な方は、個別相談もご活用下さい。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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