「人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.351
コロナ禍で住宅ローンを払えない方が今すぐにするべき事は2つ!
コロナで住宅ローンが払えません!
そんな声が、最近増えてきました。
そして、残念ながら、苦渋の思いで、ご自宅を処分された方も増えてきました。
しかし、まだまだ多くの方は、苦労しながらも返済をされてます。
返済はなんとかしてるけど、もう限界だ、と思う前に読んで頂きたいのです。
まだ、やれる事はないのか。
それと、安易に延滞はしないで下さい。
1回位いいだろう・・・。
それは、違います!
その1回が、今後の人生を大きく狂わせるかもしれないのです。
詳しくは、下記の記事をご覧下さい。
コロナショックで忍び寄る住宅ローン利用者の延滞リスクと不利益
現状把握と対策
まずは、今の自分の状況を冷静に正しく分析をする事です。
それは、収入と支出の状況を正確に把握する事です。
今後の収入の見込
住宅ローンの返済中の方で公務員の方であれば、大きな変動はないかと思います。
しかし、民間企業であれば、給与の削減、賞与のカット等、会社の都合で年収が下がる方がおります。
また、自営業の方も、この先の見通しが分からない方もおります。
大事な事は、将来の予測も含めて、冷静になる事です。
収入が下がるのであれば、金額で把握する事です。
■月額でいくら
■年間でいくら
■いつまで続くのか
それを補填する手段はないのか。
例えば、奥様が専業主婦であれば、パートで働いてもらう。
また、最近は副業もできる環境になってきました。
短時間でもいいから収入になる仕事はないのか、探す事も必要です。
今後の支出の見込
毎月の支出は固定費と変動費があります。
具体例で確認します。
[固定費]
・住宅ローン
・公共料金
・通信費
・税金
・新聞代
・保険料
・教育費
[変動費]
・食事代
・おこずかい
・趣味
・交際費
・医療費
・雑貨類
・ガソリン代
多くの方は、変動費から見直しをしようとします。
しかし、優先すべきは、当たり前に支払っている固定費の見直しです。
特に優先すべきは、保険料と通信費です。
保険の見直し
保険料の見直しでなく、保険の見直しです。
保険は万一の際に必要なのです。
保険の見直しをする際に大事な事は、加入目的を明確にする事です。
日頃、個別相談を受ける中で、明確になっていない方が多いのが実情です。
「勧められたから」
「なんとなく・・・」
そして、根拠のない死亡保険金額の設定。
必要以上の医療保険の加入等々、見直しが必要な方は多いはずです。
保険の見直し方法が分からない方は、個別相談もご活用下さい。
通信費の見直し
通信費の中でも特に携帯電話料金です。
総務省で公表してます「令和2年度 情報通信白書」によれば、移動電話通信料は2019年で103,466円です。
つまり、月額で8,622円です。
さらに、総務省の2019年11月20日公表の「携帯電話料金等に関する利用者の意識調査」によれば、毎月1万円以上の支払額の方が、全体の14.8%です。
そして、約44%の方が携帯料金が高い、と感じており、今の携帯料金に満足している方は約21%しかおりません。
ですので、見直すいい機会でもあるのです。
例えば、こんな感じです。
■キャリアの変更(格安SIMに乗り換える等)。
■契約プランの見直し。
■使わないオプションの解約。
まずは、ショップに相談されてはいかがですか。
金融機関への相談
現状の自己分析ができた上で、金融機関への相談は必須です。
遠慮する必要などないのです。
では、具体的にどのような相談をするのか。
大きく3つのパターンに分かれます。
返済期間の延長
多くの方は、借入期間を35年で組まれてます。
この35年を40年、45年、50年と延長する事で、毎月の返済額の軽減ができます。
具体的に検証します。
■借入額:3000万円
■金利:1.05%
■毎月の返済額
35年:85,386円
40年:76,568円
45年:69,734円
50年:64,289円
このように、35年から50年に変更する事で、毎月の返済額を2万円以上軽減する事ができます。
*但し、総返済額は増えます。
ですので、返済期間を延長する事で、毎月返済額がどう変わるのか、具体的に試算をお願いする事です。
そして、現状を素直に報告するべきなのです。
ボーナス返済の見直し
会社員の中で、ボーナスが削減された。
或いは、支給自体がなくなった方もいるのではないでしょうか。
その場合も、正直に話し、ボーナス返済をなくす事です。
例えば、ボーナス返済分を全て毎月返済分に変更した場合。
但し、そうなると、今度は、毎月の返済がかなり厳しくなります。
ですので、同時に、返済期間の延長を含めて、試算をして頂く事です。
一時期だけ元本返済を猶予
こんな事は無理だろうとか考える前に、まずは相談をする事です。
しばらくの間、返済は金利だけにして頂く相談です。
つまり、元金の返済を据え置く事で、毎月の返済額を軽減できます。
特に、失業中の方や、毎月の収入が大きく減少している方は相談をするべきなのです。
但し、元金の据え置きができる期間は、金融期間により制限がありますので、ご注意下さい。
まとめ
私が銀行にいたのは1988年~1998年の10年間です。
その間、住宅ローンの新規の相談、借り換えの相談、そして、延滞中の方からの相談も多数受けてました。
正確に言えば、延滞中の方には、こちらから個別に訪問してました。
そして、今の状況を聞きながら、毎月どの程度なら返済ができるのか。
本部にも相談しながら、条件変更の申請も出してました。
本音を言えば、せっかく夢を持って購入したマイホームを手放して欲しくなかったのです。
それが、心ある多くの銀行員の心情ではないでしょうか。
まして、今は有事です。
国難なのです。
苦しんでいるのは自分だけではありません。
多くの国民がストレスを抱えながら、現実社会で生きているのです。
ですので、苦しんでいる人間がいれば助けるべきなのです。
特に、金融機関の役割は重要です。
一方で、相談する側にもお願いがあります。
正直に誠実に相談をするべきなのです。
中には、横柄な態度で相談をされる方。
約束を破る方。
嘘をつく方も、残念ながらおりました。
相談を受けた銀行員の立場で言えば、相談を受けたからには、何とかしたいのです。
そして、特に誠実に相談に来られた方には、本部に対しても、真剣勝負の申請を出します。
銀行員といっても、所詮は人間なのです。
心があるのです。
時には、銀行の規定に反する事でも、1人の人間を救う為に動くのです。
結局、人間の心を変えるのは、人間の誠実な言動なのです。
心こそ、一番大切なのです。
住宅ローンの問題は、自分1人だけでは解決できません。
まずは、家族で相談。
そして、金融機関に、誠実に相談をする事です。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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