「知らないと人生を10倍損するお金のしくみ」Vol.268
2020年の民法改正に伴う労働災害と企業防衛のポイント
2020年4月1日に民法改正が施行されます。
実は、今回の改正で大きな影響を受けるのが保険です。
特に、会社経営者の方は緊張感を持った事前準備をしないと大変な事になります。
では、具体的に何が変わるのか?
今、何をしなければいけないのか?
法定利率とライプニッツ係数の変更が行われます
そもそも法定利率*とは何か?
*法定利率とは、利息が発生する債権について、当事者が利率を定めなかった場合に適用される法定の利率をいいます。
この法定利率が「年5%」から「年3%」に変更されます。
更に、以後3年ごとに利率の見直しを行う変動性を導入します。
では、「ライプニッツ係数」とは何か?
具体例で説明をさせて頂きます。
例えば、交通事故等により死亡・後遺障害が発生した場合、被害者や遺族の方は、収入が得られなくなり、長期にわたり介護費用が発生します。
その介護費用、つまり賠償金が毎月支払われれば、問題はありません。
しかし、通常、こうした「将来に渡って発生する損害」は全期間の補償を一括して支払われます。
そうすると被害者の方は、一度に大きな金額を受け取り、運用で増やす事ができます。
つまり、運用で増やす事ができる分、被害者の方が得をしてしまうのです。
表現が適切かどうかは別として、
得をした金額(利息に相当する金額)を差引いた金額を算出する為の係数。
これを「ライプニッツ係数」といいます。
「ライプニッツ係数」は「法定利率」をもとに算出している為、2020年4月1日以降に発生した事故において適用する「ライプニッツ係数」もあわせて変更になります。
尚、今回の民法改正により特に影響が出そうな事故は、下記の2つです。
■仕事中の労災事故
■業務に起因する賠償事故
*自動車事故については、多くの方は対人・対物が無制限でご契約をされております。
一方で、無制限以外の方や、無保険の方は、保険の見直しが必要です。
これからは、1億超の高額賠償への備えが必要です
では、民法改正により、賠償金額にどの程度の影響があるのか。
30歳男性:年収500万円の方に死亡事故が発生した場合。
法定利息5%⇒5,849万円(逸失利益)
法定利息3%⇒7,758万円(逸失利益)
上記金額に葬祭費用が約150万円、慰謝料等が約2,800万円が加算されます。
ですので、賠償金額の合計は下記の金額になります。
法定利息5%⇒約8,799万円
法定利息3%⇒約1億708万円
*死亡ではなく重度後遺障害事故の場合は、更に高額になります。
つまり年齢、年収にもよりますが、これからは1億超の賠償金額の準備が必要になります。
労働災害はケガから病気の時代へ
2019年5月、当時33歳の男性医師の過重労働を原因とした損害賠償訴訟の判決が出ました。
長崎地裁は、残業時間が1カ月平均177時間に上る過労が原因と認め、勤務先である病院に支払いを命じました。
その金額は1億6,700万円。
高額の労働災害訴訟といえば、かつてはケガが主流でした。
しかし、時代は大きく変わりました。
■過労死
■過労自殺
この2つが主流になりました。
つまり、ケガではなく、病気なのです。
何故か??
会社は、ケガに対する補償は、準備しております。
しかし、病気に対する補償は大半の会社ができておりません。
言い方を変えれば、昔は必要なかったのです。
しかし、時代は変わりました。
様々な事が原因で仕事ができなくなる。
収入が減る。
最終的に、過労死、過労自殺になる。
その時に、会社が何の補償も対応もしなければ、遺族の不満はどこにいくのか。
それは、会社です。
ですので、初期対応が大事なのです。
原因不明の病であれ、心の病であれ、がんであれ。
大事な従業員が病気で仕事ができなくなった時に、対応が必要な時代なのです。
やらないから、訴訟になるのです。
病気に対応できる保険とは
では、実際に、従業員の労働災害に加え、病気も補償できる保険があるのか?
AIG損保の業務災害総合保険が進化をしております。
従来は、就業中のケガの補償のみでした。
しかし、時代の環境変化に対応する特約を開発。
■病気入院による治療費用を補償。
■がんの通院治療費用を補償。
いずれも、無記名、無告知です。
けがであれ、病気であれ、大事な従業員を守る補償。
それが、今必要な時代です。
そして、1億を超える賠償補償の準備はできてますか?
知らないでは済まされない時代です。
不安な方、保険について、更に詳しく知りたい方は、個別相談をご活用下さい。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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