公的介護保険のしくみをわかりやすく解説

社会保障

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誰でも分かる金融用語・金融商品辞典>Vol.26

 

公的介護保険のしくみをわかりやすく解説

 


公的介護保険とは

公的介護保険」とは、一定の介護状態になり、介護が必要になった時に、所定のサービスが受けられる保険制度です。

 

介護保険のしくみ

対象は40歳以上

公的介護保険は、40歳以上の方が全員加入して介護保険料を納め、介護が必要になった時に所定の介護サービスが受けられます。

 

■65歳以上の人を「第1号被保険者

■40~64歳の人を「第2号被保険者

 

 

第1号被保険者は、要介護状態になった原因が何であろうと、公的介護保険サービスを受ける事はできます

 

第2号被保険者は、老化に起因する特定の病気(16疾患)によって要介護状態になった場合に限り、公的介護サービスを受ける事ができます。

 

 

介護区分

要支援

要支援1要介護状態とは認められないが、社会的支援を必要とする状態

 

 

要支援2生活の一部について部分的に介護を必要とする状態

 

 

要介護

要介護1生活の一部について部分的に介護を必要とする状態

食事や排泄はほとんどできるが、時々介助が必要。

 

 

要介護2軽度の介護を必要とする状態

食事や排泄に何らかの介助を必要とする。歩行などに何らかの支えが必要。

 

 

要介護3中等度の介護を必要とする状態

食事や排泄に一部介助が必要。入浴や衣服の着脱など全面的な介助が必要。

 

 

要介護4重度の介護を必要とする状態

排泄、入浴、衣服の着脱にには全面的な介助が必要。多くの問題行動や全面的な理解の低下。

 

 

要介護5最重度の介護を必要とする状態

食事や排泄が1人ではできない、日常生活を遂行する能力は著しく低下。

 

 

サービス内容

要支援

予防給付

要介護度が上がるのを防ぎ、生活機能を向上させるサービス。

具体的には、ストレッチ、筋力トレーニングによる運動機能や食べ物をのみ込む訓練などの口腔機能の向上、食事のアドバイスによる栄養改善指導などを行う。

 

要介護

介護給付

要介護認定を受けた被保険者になされる在宅介護や施設介護などのサービス。

 

 

具体的には9種類あります。

1.居宅介護サービス

2.特別居宅介護サービス

3.居宅介護福祉用具購入費

4.居宅介護住宅改修費

5.居宅介護サービス計画費

6.特別居宅介護サービス計画費

7.施設介護サービス費

8.特別施設介護サービス費

9.高額介護サービス費

 

利用するための手続きは

公的介護保険を利用するためには、「要支援・要介護認定」を受ける必要があります。

 

 

1.市町村の窓口で申請する。

 

2.市町村から調査員が派遣され、自宅で身体状態のチェック等を行う。並行して、主治医が医学的見地に基づいた意見書を作成する。

 

3.コンピューターによる1次審査。2次審査では1次審査の結果や主治医の意見書をもとに有識者が審査。

合わせて30日以内に結果が通知される。

 

4.審査の結果、「要支援・要介護状態」に認定されれば、サービスを受ける事ができます。

 

 

自己負担は

介護保険制度が始まってから、自己負担額は原則1割でしたが、2015年8月の介護保険改正にて、一定以上の所得者の場合は2割負担に引上げられ、更に2018年8月の介護保険改正では、2負担の方の一部の方は3割負担に引上げられます。

 

■3割負担の方

合計所得金額が220万円以上であり

年金収入+その他合計所得=340万円以上(単身世帯)

年金収入+その他合計所得=463万円以上(夫婦世帯)

単身で年金収入のみの場合は344万円以上に相当。

 

 

■2割負担の方

合計所得金額が160万円以上であり

年金収入+その他合計所得金額=280万円以上(単身世帯)

年金収入+その他合計所得金額=346万円以上(夫婦世帯)

単身で年金収入のみの場合は280万円以上に相当

 

■1割負担の方

上記に該当しない方。

 

公的介護保険の問題点

2000年にスタートした時点では218万人だった要介護認定者数が、直近では634万人と約3倍に伸び、今後増え続ける事は間違いありません。

 

 

今後、介護をとりまく状況がどうなっていくのか。

 

厚生労働省の資料によりますと、75歳以上の高齢者人口が2015年で1,6466万人だったのが2025年には2,179万人になる予測です。

 

それに伴い、2012に9.1兆円だった介護費用が2025年には倍の18兆円になる事が予測されております。

 

 

一方で、税金や保険料を負担する労働生産人口(15歳以上64歳未満)は、実は1996年から減少に転じており、この20年で約1,000万人減少しております。

 

 

つまり、現役世代の負担が今後益々増えていく事が目に見えております。

 

これは、介護だけの問題ではなく、年金、医療、介護とも、今後は給付に関係する費用は増え続けるのに対して、税金、保険料を負担する人は減り続けるのです。

 

 

ですので、国の社会保障制度全体が大きな見直しの時期なのです。

 

公助から自助へ

 

 

自分の年金、医療費、介護費用は、自分で準備する、そんな時代への準備が必要なのです。

 

 

その為に、今必要な事は何か。

 

老後資金の準備であり、準備をする為のお金の勉強です。

 

 

人生100年時代を笑顔で迎えるた為のヒントが盛りだくさん!

 

 

 

本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

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