「人生100年時代を笑顔で送るためのお金の法則」Vol.350
ねんきんネットで自分のもらえる年金額を試算する際のポイント
自分が将来もらえる年金額を知りたい。
そして、いつでも自分で試算したい。
その強い味方が「ねんきんネット」です。
しかし、使い方を間違えれば、正確な年金額は試算できません。
何事も基本が大事です。
そして、年金額試算のポイントは2つしかありません。
この2つを正しく理解し、入力すれば大丈夫です。
何歳まで仕事をするのか
65歳以上でお仕事をされる方は、年々増加してます。
内閣府が公表してます「高齢者の経済生活に関する調査」によれば、約59%の方は70歳まで、或いはそれ以降働けるまで働きたい、との気持ちのようです。
ねんきんネットの試算は60歳までの就業で試算
ねんきん定期便にせよ、ねんきんネットにせよ、共通しているのは1つ。
今の仕事、今の収入で60歳までの継続を前提をしてます。
つまり、多くの方は、60歳以降も就業されますので、修正が必要なのです。
角度を変えれば、もらえる年金額は当初の試算結果よりも増えるのが、普通なのです。
ねんきんネットでの修正方法
まずは、トップ画面から入ると、最初に3つの選択肢があります。
ここは、「将来の年金額を試算する」を選択します。
次に、2つの選択肢があります。
■かんたん試算
■詳細な条件で試算
ここは、「詳細な条件で試算」を選択します。
そして、ここから具体的な条件を入力します。
仕事と収入の見込を入力
まずは、①今後の職業などの設定です。
ここは、右下にある「今後の職業などを追加する」をクイックします。
質問1が今後の職業の選択です。
Q1で現在の職業を継続しますか?
ここは、「はい」でも「いいえ」でもどちらでも大丈夫です。
大事なのは次です。
②収入などの入力
ここで、質問が2~6までありますが、大事なのは2~4です。
質問2では月額の収入見込額
質問3では賞与の支払月と見込額
質問4では就業等の期間の見込
この3つの回答で65歳からもらえる年金額がほぼ正しく試算できます。
何歳から年金をもらいたいのか入力
次に、新たな試算条件の入力画面になります。
①~④までありますが、大事なのは②の受給開始年齢です。
②の受給開始年齢の設定では、右下の「受給開始年齢の設定を変更する」をクイックします。
①で老齢基礎年金の設定
②で老齢厚生年金の設定
選択肢は3つ
■本来の65歳から受給する
■受給を早める(60歳~64歳)⇒繰上げ請求
■受給を遅らせる(66歳~75歳)⇒繰下げ請求
尚、老齢基礎年金の選択肢に「一部繰上げ」との選択肢もありますが、基本的にこれから年金を請求できる方で「一部繰上げ」ができる方はおりませんので、無視して下さい。
また、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給年齢は別々でも問題ありません。
例えば、老齢基礎年金は本来の65歳から受給。
老齢厚生年金は遅らせて70歳から受給。
ですので、様々な選択肢があり、決めるのは、自分です。
そして、入力を終えると、試算結果が出ます。
在職老齢年金制度で、年金が停止される場合は、その支給停止見込額も表示されます。
ねんきんネットは完璧ではない
ねんきんネットは、将来もらえる年金額試算の為の大事なツールです。
しかし、残念ながら完璧ではないのです。
加給年金が含まれてない
そもそも、加給年金がよく分からない方は、下記の記事も参考にして下さい。
加給年金とは?こんな特別手当があったの!わかりやすく解説します!
簡単に説明すれば、65歳で厚生年金を請求する際に、年下の妻がいれば、特別手当を支給します、との内容です。
*細かい要件は割愛します。
支給額が、年間で約39万円です。
この特別手当が、ねんきんネットでは反映されませんので、自分で加算するしかありません。
遺族年金の試算は勉強が必要
特に、専業主婦の方は、ご主人に万一があった際、遺族年金がいくらもらるのか。
なるべく早い時期に確認をしておきたいです。
しかし、ねんきんネットだけでは試算はできません。
ねんきんネット+基礎知識が必要です。
ねんきんネットで確認できる金額
では、ねんきんネットで何が確認できるのか?
それは、夫の厚生年金の比例報酬部分です。
この金額の4分の3が、遺族厚生年金としてもらえます。
確認したい場合は、「ねんきんネット」にログイン後、下記の手順です。
①通知書を確認する
②電子版「ねんきん定期便」 ダウンロード
また、毎年誕生日月に送付される「ねんきん定期便」でも確認できます。
基礎知識とは
では、基礎知識で必要なのは2つ。
②中高齢寡婦加算の要件と受給金額。
①については、夫の死亡時に、18歳到達年度未達のお子様がいるかどうかです。
そして、受給金額は下記の通りです。
②の中高齢寡婦加算については、遺族厚生年金に加算されます。
40歳以上で18歳到達年度末日までの子(障害等級1級、2級の場合は20歳未満の子)がいない妻に対して65歳まで支給されます。
支給金額は令和3年度で585,700円です。
詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にして下さい。
中高齢寡婦加算とは?遺族の妻を守る貴重な制度を分かりやすく解説
基礎データが違えば正しい試算はできない
そもそも、年金記録が正しいのか?
皆さん、覚えてますか?
平成19年、日本年金機構は、約5,095万件の持ち主不明の年金記録の実態を公表しました。
その後、平成25年には約2,961万件の記録が基礎年金番号と結びついた事を公表。
しかし、まだ多くの年金記録が不明な状況です。
ですので、自分の年金記録が正しいのか。
その確認が大事なのです。
併せて、多くの方が、今後の収入に変動がある事が予測されます。
ですので、その都度修正が必要になります。
まとめ
複雑な日本の年金制度。
併せて、お金の勉強の場がない中で、年金制度を正しく理解する事は困難です。
ですので、基礎となる大事なポイントを押さえる事が重要です。
特に、自分がもらえる年金額を試算する上では、ポイントは2つです。
①給与収入の実績(平均標準報酬額と平均標準報酬月額)
②加入期間(加入月数)
この2つの数字さえ押さえていれば、後は計算式にあてはめて試算できます。
計算方法については、下記の記事を参考にして下さい。
それをやった上で、ねんきんネットで試算する事で確実性が増します。
下記の記事も参考にして下さい。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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